野村大樹

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野村 大樹
福岡ソフトバンクホークス #55
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 兵庫県宝塚市
生年月日 (2000-09-10) 2000年9月10日(23歳)
身長
体重
171 cm
84 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 一塁手三塁手
プロ入り 2018年 ドラフト3位
初出場 2019年9月28日
年俸 950万円(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

野村 大樹(のむら だいじゅ、2000年9月10日 - )は、兵庫県宝塚市出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。福岡ソフトバンクホークス所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

阪神タイガースのファンである実父の影響で、幼少期から甲子園球場で阪神戦を頻繁に観戦。5歳だった2006年に同球場で初めて観た高校野球の試合が、第88回全国高等学校野球選手権大会決勝だった。斎藤佑樹を擁する早稲田実業がこの試合でチームを初優勝に導いたことが、後に同校への進学を決めるきっかけになったという[2]

小学1年時から末広ルーキーズで軟式野球を始めたが、「文武両道」を掲げる家族の方針どおりに勉強と野球を両立させ、同志社中学校へ進学。同志社中学校の同級生にYouTuberの西園寺がいた[3]。在学中は、当初は枚方ボーイズに所属しレギュラーを獲得していたが途中で大阪福島シニアへ移籍すると、4番打者や捕手を任された。当時のチームメイトに、小園海斗(枚方ボーイズ)、増田陸(大阪福島シニア)、濱将乃介(共に枚方ボーイズ、大阪福島シニア)などがいる[2]

中学3年時の2015年には、松山坊っちゃんスタジアムで開かれたU-15アジアチャレンジマッチ2015に、野球日本代表の一員として小園と揃って出場[4]。捕手としての選出だったが、実際には「5番・一塁手」に起用された。その一方で、第97回全国高等学校野球選手権大会で1歳年上(当時は早稲田実業学校高等部1年生)の清宮幸太郎が3番打者として活躍する姿を甲子園球場で目の当たりにし、「早稲田(実業)で4番を打ちたい」と決意。同志社中学校が中高一貫校であったにもかかわらず、中学校からの卒業を機に、早稲田実業学校高等部へ入学した[2]

早稲田実業では、上記の実績を買われて、春季東京都大会後から清宮に代わって4番打者に抜擢。三塁手として起用されながら、3番に座る清宮などとのクリーンアップで注目を集めた。1年秋の東京都大会では、日本大学第三高校との決勝戦で、清宮から5三振を奪った櫻井周斗から9回裏の打席で2点本塁打。チームをサヨナラ勝利と翌2017年第89回選抜高等学校野球大会出場へ導いた。その直後に出場した第47回明治神宮野球大会でも、通算3試合で9打数5安打1本塁打6打点と活躍し、高校の部の準優勝に貢献。新2年生として臨んだ翌年の選抜大会でも、通算2試合で9打数5安打2打点を記録するなど、大舞台で勝負強さを発揮した[5]。チーム事情で5月の関東大会から捕手へ再び転向したが、対外試合によっては投手として登板することもあった。清宮が卒業(北海道日本ハムファイターズへ入団)した3年時の2018年には、主将を務めるとともに、「3番・三塁手」として打撃へ専念。夏の選手権西東京大会では、4回戦で2打席続けて2点本塁打を放ったが、八王子学園八王子高校に敗れた。それでも、2本目の本塁打で、在学中に対外試合で放った本塁打が通算で68本にまで達した[2]

早稲田大学への進学も視野に早稲田実業学校へ入学した[2]ため、3年夏の選手権西東京大会で敗れた後には、卒業後の進路をめぐって家族会議を10回近く重ねた。前年の清宮と同じ経緯をたどったが、結局は清宮に続く格好で、プロ志望届日本学生野球協会へ提出。2018年のNPBドラフト会議で、福岡ソフトバンクホークスから3巡目で指名されると、契約金5000万円、年俸600万円(金額は推定)という条件で入団した[6]背番号55。この背番号については、入団会見で、「松井秀喜の(現役選手時代に付けていた)背番号の数字と、(高校の先輩でソフトバンク球団会長の)王貞治が(読売ジャイアンツ内野手時代の1964年セントラル・リーグ公式戦で記録した)本塁打の総数を連想した」と述べている[7]

ソフトバンク時代[編集]

2019年は、春季キャンプを若手選手主体の「B組」でスタート。キャンプ中の実戦4試合での通算打率が5割に達するほど好調なこと[8]から、キャンプ終盤の2月28日には、千葉ロッテマリーンズとの練習試合の8回裏に代打で一軍デビューを果たした(結果は三振[9]。レギュラーシーズン中には、主に三軍へ帯同。三軍戦では79試合で打率.303、3本塁打、41打点[10][11]、二軍のウエスタン・リーグ公式戦では22試合に出場し、打率.191を記録した。9月28日に一軍に昇格し、同日の対オリックス・バファローズ戦(京セラドーム大阪)で7回裏の守備から、三塁手として一軍公式戦にデビュー。9回表に迎えた初打席では、荒西祐大から右前安打を放った。ソフトバンクで高卒1年目の選手が一軍公式戦の初打席で安打を記録した事例は、2005年の球団発足後初めてだった[11]。11月23日から台湾で開催された2019アジアウインターベースボールリーグにおいて、NPB RED選抜に選出され[12]、15試合の出場で打率.292、5打点、OPS.744を記録する[13]

2020年は、一軍公式戦の出場はなく、二軍公式戦において74試合に出場し、打率.263、3本塁打の成績を残す[14]

2021年は、一軍公式戦7試合に出場した。

2022年は、野村勇の入団に伴い、報道上およびスコアボード上の表記が「野村大」に変更された。新監督の藤本博史から代打として期待され開幕を一軍で迎えたが、4月1日の楽天戦での代打出場1打席(結果は三振)のみで、同月7日に登録抹消[15][16]。 、その後は二軍が続いたが、6月27日、一軍で新型コロナウイルス感染者が大量発生した際に2度目の一軍昇格を果たし、同日の対ロッテ12回戦(東京ドーム)で真砂勇介の代打として8回裏先頭打者で出場、安打を放つと[17]、次の試合となった7月2日対西武10回戦(ベルーナドーム)では8番・一塁でシーズン初の先発出場を果たす[18]。同月13日の対オリックス13回戦(京セラ)では、6番・一塁で先発出場し、初回2死満塁から先制点となる2点適時打を放ち、連敗ストップに貢献した[19]。7月は出場13試合中7試合で先発出場し、26打数6安打3打点で月間打率は.231だったものの、得点圏打率は.500であった。8月に入り代打起用が続いていたが、再びチーム内の新型コロナウイルス感染者が増えた影響で、8月20日の対北海道日本ハムファイターズ20回戦(札幌ドーム)でおよそ4週間ぶりの先発出場を果たし[20]、8月23日からの対楽天3連戦(楽天生命パーク宮城)でも3試合連続で先発出場、3試合で15打数6安打(うち二塁打3)4打点と活躍する[21][22]。自己最多の31試合に出場し、打率.229、8打点でレギュラーシーズンを終えた。

2023年は、開幕を二軍で迎えた。5月5日に一軍に昇格し、5月の一時期を除いて主に代打で出場したが、打率.238と奮わず、7月4日に登録抹消となった。今宮健太の代替指名選手として7月10日に再昇格したものの、出番はなく2日後に再度今宮と入れ替わり二軍に降格した。8月12日に再度一軍に昇格すると、8月22日の対千葉ロッテマリーンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で8回表に代打で出場し、プロ初本塁打となるソロ本塁打を放った[23]

プレースタイル[編集]

上背こそ無いが、高校時代に対外試合で68本の本塁打を放ったほどの長打力の持ち主で、豪快なフルスイングと勝負強さが持ち味[8]。その一方で、当時から「1試合につき打率5割」[24]、ソフトバンクへの入団時には「打点王のタイトル獲得」[25]を目標に挙げている。

高校時代には、50m走で最速6秒3(手動計測)、投手としてストレートで最速135km/hを記録している。

人物[編集]

名前の「大樹」には、「地中に根を生やしながら、大木のように育って欲しい」という両親の願いが込められているという。ちなみに、出生時の体重は3,300g[2]

実母曰く「目標があるほど頑張れるタイプ」とのいう。小学校の高学年には、野球の練習を週末にとどめるほど勉強へ勤しんだあげく、同志社中学校の入学試験に合格した[2]

読書好きの実父の影響で、小学生時代には探偵小説を読みあさっていた。同志社中学校時代にも、実家からの通学に片道で2時間を要した関係で、登下校の移動時間を読書に充てていた[2]。早稲田実業への入学後も「年間で100冊は本を読んでいた」とのことで、ソフトバンクの入団を機に生活する若鷹寮(球団合宿所)には「名将・王貞治 勝つための『リーダー思考』」(児玉光雄)を持ち込んだ[26]

幼少期は阪神タイガースのファンで、同志社中学校を卒業するまで、自宅から甲子園球場を30回ほど訪れていた[2]。東京都内にある早稲田実業への進学を決めたのは、同球場での全国大会出場を狙える環境で、大学までを見据えた学力の向上を追求することにもよる。ちなみに、進学後の3年間は東京都内で実母と生活し、実父は単身で自宅暮らしをしていた。大樹自身は進学当初(早稲田大学が加盟する)東京六大学野球でのプレーを経てのNPB入りを想定していたが、清宮の活躍などを背景に「NPBで早く活躍する夢を追い掛けたくなった」とのことで、18歳の誕生日にプロ志望届を提出した[27]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2019 ソフトバンク 2 2 2 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .500 .500 .500 1.000
2021 7 19 17 1 3 1 0 0 4 3 0 0 0 0 2 0 0 5 0 .176 .263 .235 .498
2022 31 75 70 5 16 5 1 0 23 8 0 0 1 0 3 0 1 18 2 .229 .270 .329 .599
通算:3年 40 96 89 6 20 6 1 0 28 11 0 0 1 0 5 0 1 23 2 .225 .274 .315 .588
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



一塁 三塁
























2019 ソフトバンク - 2 2 0 0 0 1.000
2021 6 38 4 0 4 1.000 -
2022 14 109 8 0 6 1.000 3 2 1 0 0 1.000
通算 20 147 12 0 10 1.000 5 4 1 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 55(2019年 - )

登場曲[編集]

[28]

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ソフトバンク - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年12月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 5歳から憧れ続けた早実/ホークス3位・野村大樹1(『西日本スポーツ』2018年12月15日付記事)
  3. ^ (日本語) 【超過酷】1日でプロ野球全試合を”現地観戦”することは出来るのか⁉︎, https://www.youtube.com/watch?v=Tia4YJkNlQ0 2023年7月6日閲覧。 
  4. ^ 2015年 U-15アジアチャレンジマッチ出場選手一覧 NPB日本野球機構
  5. ^ 追いかけた清宮の背中/ホークス3位・野村大樹2(『西日本スポーツ』2018年12月16日付記事)
  6. ^ ソフトバンク3位・野村大樹が契約仮合意 目標は「打点王」
  7. ^ ソフトバンクドラフト3位野村 背番号55「松井さんと王さん」浮かんだ (『スポーツニッポン』2018年12月7日付記事)
  8. ^ a b ソフトバンク・ドラフト3位野村にA組“お試し起用”案(『東京スポーツ』2019年2月22日付記事)
  9. ^ ソフトバンク野村が“一軍デビュー”も「実力不足」(『日刊スポーツ』2019年2月28日付記事)
  10. ^ 3軍個人成績”. 福岡ソフトバンクホークス (2019年9月25日). 2019年9月28日閲覧。
  11. ^ a b ソフトバンク野村大樹がプロ初打席初安打デビュー”. 日刊スポーツ (2019年9月28日). 2019年9月28日閲覧。
  12. ^ a b 2019アジアウインターベースボールリーグ(AWB)NPBメンバー一覧”. NPB.jp 日本野球機構 (2019年12月6日). 2020年12月14日閲覧。
  13. ^ PLAYER 球員個人記録 野村大樹 55”. 亞洲冬季棒球聯盟公式サイト. 2020年12月14日閲覧。
  14. ^ “ソフトバンク野村10万増「来年こそ1軍で戦力に」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年12月3日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202012030000349.html 2020年12月14日閲覧。 
  15. ^ “2022/4/1(金) 第1回戦 楽天イーグルス vs 福岡ソフトバンク”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. (2022年4月1日). https://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/stats/2022040101/ 2022年11月12日閲覧。 
  16. ^ “【ソフトバンク】柳田悠岐が登録抹消、左肩腱板炎診断「10日間でしっかり治してくれと」藤本監督”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年4月7日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202204070000439.html 2021年3月15日閲覧。 
  17. ^ “2022/6/27(月) 第12回戦 福岡ソフトバンク vs 千葉ロッテ”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. (2022年6月27日). https://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/stats/2022062701/ 2022年11月12日閲覧。 
  18. ^ “2022/7/2(土) 第10回戦 埼玉西武 vs 福岡ソフトバンク”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. (2022年7月2日). https://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/result/2022070201/ 2022年11月12日閲覧。 
  19. ^ “野村大樹「3軍の時から2人で一塁と三塁を守ってきた」兄貴分リチャードと全4打点に笑顔”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2022年7月13日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/956052/ 2022年11月16日閲覧。 
  20. ^ “2022/8/10(土) 第20回戦 福岡ソフトバンク vs 北海道日本ハム”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. (2022年7月2日). https://www.softbankhawks.co.jp/gamelive/result/2022082001/ 2022年11月12日閲覧。 
  21. ^ “野村大樹「自信を持って打席に入ることができました」プロ初の猛打賞”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2022年8月24日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/977933/ 2022年11月16日閲覧。 
  22. ^ “野村大樹先制2点打も球場騒然 打球が右翼岡島の左側頭部直撃”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2022年8月25日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/978315/ 2022年11月16日閲覧。 
  23. ^ a b “【ソフトバンク】野村大樹がプロ初アーチ「結果を残せなかったので一振りに全集中」興奮気味語る”. 日刊スポーツ. (2023年8月22日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202308220001081_m.html 2023年8月22日閲覧。 
  24. ^ ルーキー野村選手の高い目標「1試合打率5割」(福岡ソフトバンクホークス公式サイト2019年2月28日付春季キャンプリポート)
  25. ^ ソフトバンク3位の野村仮契約 目標は「打点王」(『日刊スポーツ』2018年11月23日付記事)
  26. ^ ソフトバンクの新人が入寮(『サンケイスポーツ』2019年1月7日付記事)
  27. ^ 早実・野村大樹がプロ志望届を提出した背景は?(『週刊ベースボールONLINE』2018年9月12日付記事)
  28. ^ チーム情報 球場使用曲一覧”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. 2022年11月16日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]