釈放
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
判決前の釈放
[編集]刑事訴訟法の身体拘束の各根拠規定には、定められた期限を過ぎた場合や要件を満たさなかった場合には、被疑者・被告人を釈放しなければならないと規定されている[3][4]。
司法警察員による釈放の手続
[編集]被疑者が留置されている場合において、留置の必要がなくなったと認められるときは、司法警察員は、警察本部長又は警察署長の指揮を受け、直ちに被疑者の釈放に係る措置をとらなければならない(犯罪捜査規範130条3項)。
検察官による釈放の手続
[編集]検察官が刑訴法207条の規定により勾留された被疑者を釈放するときは、釈放指揮書を作成して釈放を指揮する(事件事務規定39条1項)[5]。
保釈
[編集]勾留の目的は罪証の隠滅を防ぎ、公判や刑の執行への出頭を確実にすることに求められるが、起訴後の被告人については、物理的に身体を拘束しなくとも、保釈金の没収という経済的圧力によってこの目的を達成しうる[6][7][8]。
このため、起訴後の被告人については保釈の制度が存在する[9]。
判決後の釈放
[編集]無罪判決・罰金判決等による釈放
[編集]公判中に被告人の身体を拘束する根拠は勾留状である(刑訴法60条1項、62条)。 この勾留状は、無罪、免訴、刑の免除、刑の全部の執行猶予、公訴棄却、罰金又は科料の裁判の告知があったときには効力を失うので(刑訴法345条)、身体拘束の根拠が失われ、被告人は釈放される[5][10]。
禁錮以上の有罪判決後の釈放
[編集]刑法においては、刑事罰の執行における釈放について、刑期の終了の日の翌日に行うことと定められている(刑法24条2項)。
実際には、今日の交通事情などを踏まえ、釈放される者の交通機関の利用の便などを考慮し[11]、通常は刑期終了の翌日の午前中が釈放期限となる(刑事収容施設法171条1号、2号。ただし、恩赦等の場合には同条3号、4号により異なる取扱いとなる。)。
仮釈放
[編集]懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、一定の要件を満たすことで仮釈放の処分が行われることがある(刑法28条)[12]。
出典
[編集]- ↑ 「一歳児コンクリ詰め事件 逮捕の祖母を処分保留で釈放」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2007年12月1日。オリジナルの2007年12月3日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「袴田巌さん、東京拘置所から釈放 再審開始決定受け」『朝日新聞』朝日新聞社、2014年3月27日。オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「長官狙撃、起訴見送りへ…実行犯絞れず」『読売新聞』読売新聞社、2004年7月27日。オリジナルの2004年7月30日時点におけるアーカイブ。2025年8月2日閲覧。
- ↑ 「逮捕の男性を処分保留で釈放 広島地検、5年前の殺人」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2013年3月17日。オリジナルの2025年12月17日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- 1 2 「誤認逮捕:窃盗、詐欺容疑で逮捕起訴の男性釈放 松山地検」『毎日新聞』毎日新聞社、2000年3月23日。オリジナルの2001年6月28日時点におけるアーカイブ。2025年2月3日閲覧。
- ↑ 「ASKA被告の保釈認める 保釈金700万円 東京地裁」『朝日新聞』朝日新聞社、2014年7月3日。オリジナルの2014年7月3日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「清原和博被告が保釈 当面入院の予定 覚醒剤事件」『朝日新聞』朝日新聞社、2016年3月17日。オリジナルの2016年3月17日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「保釈中の被告にGPS、海外逃亡を防止 法案閣議決定」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2023年3月3日。オリジナルの2025年12月17日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「ASKA被告、保釈される 逮捕3回、勾留1カ月半」『朝日新聞』朝日新聞社、2014年7月3日。オリジナルの2014年7月3日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 「袴田事件の再審開始決定、釈放へ 証拠「捏造の疑い」」『朝日新聞』朝日新聞社、2014年3月27日。オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
- ↑ 林真琴ほか 2017, p. 898
- ↑ 「強盗殺人事件:無期懲役の判決破棄、高裁に差し戻す 最高裁」『毎日新聞』毎日新聞社、1999年12月10日。オリジナルの2001年6月24日時点におけるアーカイブ。2025年12月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 林真琴ほか『逐条解説 刑事収容施設法』(第3)有斐閣、2017年11月30日。ISBN 978-4-641-01845-7。