都民の消防官

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第64回「都民の消防官」で特別表彰された東京消防庁緊急消防援助隊

都民の消防官(とみん の しょうぼうかん)は、東京都民の安全と生命と財産を守る東京消防庁消防官の努力を表彰する制度である。1万8000人の中から特に功績のあった受章者5人を毎年、選考委員会で選んでおり、1955年昭和30年)に始まり、2018年平成30年)で71回目を数えている[1]

概要[編集]

福島第一原発事故で、危険な中で注水を行った東京消防庁ハイパーレスキュー隊屈折放水塔車

民間による唯一の表彰制度で、消防総監表彰消防庁長官表彰顕功章総務省消防庁)に並ぶ栄誉とされ、功労の特に顕著な消防官で「都民の信頼と感謝を集める人」これまで361人が受章している[2]産経新聞社の主催でフジテレビなどフジサンケイグループの後援。三菱地所東京ガスサンケイビル富国生命保険三越伊勢丹ホールディングス、東京都消防懇話会、東京連合防火協会、東京防災救急協会が協賛している。

1992年平成4年)の第45回表彰では、東京消防庁の女性消防官1期生(1972年採用)の谷口由美子(目黒消防署予防課消防司令補)が「特別賞」を授与。女性消防官採用20周年を記念して、女性を代表し表彰された[3]

2011年(平成23年)の第64回表彰では、この年3月11日発生の東日本大震災で活躍の緊急消防援助隊を特別表彰した。

緊急消防援助隊は、震災発生直後から計3147人の隊員が東北地方で計88日間にわたり、火災消火や救助活動を行い、約380人の被災者を救出した。また、3月18日に水素爆発を起こした東京電力福島第一原子力発電所事故福島県)では、原発炉心溶融(メルトダウン)を防ぐため、放射性物質放出の漂う危険な中で注水を行い、約23時間45分の奮闘の結果、放射線量を下げることにも成功したことが高く評価された[4]

事故後の福島第一原発

2017年の第70回表彰では、発足50周年の装備部航空隊が特別表彰された。ヘリコプター8機で構成の航空隊は、伊豆諸島最南端の有人島で都内から約400キロメートル離れた青ヶ島も含め各地で活躍。この年9月20日に総飛行時間8万時間を超えたが、無事故での活動が続いている点で表彰された[5]

なお、有識者を含む選考委員会は東京消防庁本部庁舎で開かれ、表彰式は後日大手町サンケイプラザ千代田区東京サンケイビル内)で開かれる。

2018年の表彰式では、小池百合子都知事2020年東京オリンピックパラリンピックを踏まえ、「災害への備えが世界からも注目される。東京をセーフシティとするため、皆さまと連携が必要」と延べ、「消防官の使命感に改めて敬意を表し、今後のさらなる活動に期待したい」と祝辞。東京消防庁の村上研一消防総監も「誠に名誉で大きな励み。受章者の長年にわたる地道な活動が評価されたことを感謝申し上げる」と、称えている[6]

なお、大阪府では「都民の消防官」と同じく消防職員・団員の功績を称える「大阪の消防大賞」があるほか、同じような表彰制度として、警視庁警察官の「都民の警察官」や、自衛隊自衛官の「国民の自衛官」などがある。

歴代受章者[編集]

第70回「都民の警察官」で特別表彰された東京消防庁航空隊ヘリコプター
  • 第65回(2012年) - 立川消防署消防司令補の大滝敏(消防活動功労)、本郷消防署消防司令補の小幡道也(救急活動功労)、福生消防署消防司令補の佐藤忠幸(予防業務功労)、志村消防署消防士長の山本峰夫(機関運用功労)、総合指令室消防司令補の土屋幸二(各種業務功労)[11]
  • 第66回(2013年) - 品川消防署消防司令補の福田忠(消防活動功労)、上野消防署消防司令補の福留俊昭(救急活動功労)、武蔵野消防署消防司令補の小松正幸(予防業務功労)、葛西消防署消防士長の三橋保(機関運用功労)、深川消防署消防司令補の初見久典(各種業務功労)[12][13]
  • 第67回(2014年) - 秋川消防署消防司令補の渡辺昇(消防活動功労)、四谷消防署消防司令補の佐藤孝範(救急活動功労)、国分寺消防署消防司令補の市川敏夫(予防業務功労)、昭島消防署消防士長の関田修(機関運用功労)、高輪消防署消防司令補の柿木忠克(各種業務功労)[14][15]
  • 第68回(2015年) - 立川消防署消防司令補の鈴木守(消防活動功労)、東村山消防署消防司令補の坂口恭一(救急活動功労)、赤羽消防署消防司令補の高村祐子(予防業務功労)、昭島消防署消防士長の久保稔(機関運用功労)、総合司令室消防司令補の柴森明彦(各種業務功労)[16][17]
  • 第69回(2016年) - 光が丘消防署消防司令補の冨塚功(消防活動功労)、昭島消防署消防司令補の佐藤敏彦(救急活動功労)、杉並消防署消防司令補の及川恭子(予防業務功労)、福生消防署消防士長の加藤利光(機関運用功労)、航空隊消防司令補の小西政明(航空隊整備業務功労)[18][19]
  • 第70回(2017年) - 杉並消防署消防司令補の北岡久雄(消防活動功労)、北多摩西部消防署消防司令補の松本透(救急活動功労)、大森消防署消防司令補の佐藤美子(予防業務功労)、丸の内消防署消防士長の秋津孝(機関運用功労)、臨港消防署消防司令補の伊橋隆(各種業務功労)。特別表彰=装備部航空隊(航空隊長・萓津雅弘)[20][21]
  • 第71回(2018年) - 四谷消防署消防司令補の太皷弘(消防活動功労)、葛西消防署消防司令補の千葉清三郎(救急活動功労)、小岩消防署消防司令補の畠山晃(予防業務功労)、滝野川消防署消防士長の本田隆広(機関運用功労)、板橋消防署消防司令補の中川貴子(各種業務功労)[22][23]

脚注[編集]

  1. ^ 産経新聞2018年平成30年)10月23日朝刊 都民の消防官表彰式 5氏に栄誉 「職務に一層精励」誓う
  2. ^ 第71回「都民の消防官」表彰について(東京消防庁)
  3. ^ 産経新聞1992年(平成8年)10月21日朝刊 「第四十五回都民の消防官」に谷口由美子さん
  4. ^ 産経新聞2011年10月25日朝刊 都民の消防官横顔(6)特別表彰 緊急消防援助隊「無我夢中で被災者救助」
  5. ^ 産経新聞2017年10月16日朝刊 都民の消防官横顔(6)特別表彰 装備部航空隊 ビルも離島も無事故で50年
  6. ^ 産経新聞2018年10月23日朝刊 都民の消防官表彰式 5氏に栄誉 「職務に一層精励」誓う
  7. ^ 産経新聞2010年11月2日朝刊 「都民の消防官」表彰式 日々の安全 5人に感謝
  8. ^ 第63回「都民の消防官」表彰について
  9. ^ 産経新聞2011年11月2日朝刊 「都民の消防官」表彰式5氏に栄誉 一層努力誓う 受章者ら喜びの声
  10. ^ 都民の消防官 - 東京消防庁 - 東京都
  11. ^ 産経新聞2012年10月30日朝刊 「都民の消防官」表彰式 5氏に栄誉、一層の活躍誓う
  12. ^ 産経新聞2013年10月29日朝刊 「都民の消防官」表彰式 安心・安全に尽力 5氏に感謝
  13. ^ 都民の消防官 - 東京消防庁 - 東京都
  14. ^ 産経新聞2014年10月21日朝刊 「都民の消防官」表彰式 「さらに精進、首都守る」
  15. ^ 東京消防庁 Tokyo Fire Department 第67回「都民の消防官」表彰について
  16. ^ 産経新聞2015年10月27日朝刊 「都民の消防官」表彰式 「一層職務に精励する」
  17. ^ 第68回「都民の消防官」 - 東京消防庁
  18. ^ 産経新聞2016年10月25日朝刊 「誠心誠意、任務を遂行」 「都民の消防官」表彰式 5氏に栄誉
  19. ^ 第69回「都民の消防官」表彰について
  20. ^ 産経新聞2017年10月24日朝刊 「都民の消防官」表彰式 栄誉「一層精励」誓う
  21. ^ 「都民の消防官」表彰について - 東京消防庁 - 東京都
  22. ^ 第71回「都民の消防官」表彰について(東京消防庁)
  23. ^ 産経新聞2018年10月23日朝刊 都民の消防官表彰式 5氏に栄誉 「職務に一層精励」誓う

関連項目[編集]

外部リンク[編集]