部屋住み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

部屋住み(へやずみ)とは嫡男であるが、まだ家督相続していない者のことを言う[1]。次男以下であり家督を相続できない者であり、それがまだ分家独立せずに留まっている状態の者のことを部屋住みと言うこともある[2]。次男以下の就職は困難であるため、分家・独立するほどの財力や地位を持っていない大多数の家では、実家に居候という形で次男以下を住まわした。

長男が亡くなった場合に血統を絶やさないための万が一の予備としての役割であったため、妻子を持つことは基本的に禁じられ、不遇な生活を強いられたと言われる(飼殺し、冷や飯食い)。特に役職や仕事が貰えないため、長男よりも学問や、武芸茶道などの芸道において達者になり、師範代として職を得た者もいたという。兄が死去することで次男以下が家督を継いだ例は数知れないが、中でも井伊直弼の15年間にも及ぶ部屋住みはよく知られている。

武士の子として生まれた小説家岡本綺堂は、自身の小説内において「部屋住み」を以下のように述べている。

旗本に限らず、御家人に限らず、江戸の侍の次三男などというものは概して無役の閑人であった。彼らの多くは兄の屋敷に厄介になって、大小を横たえた一人前の男がなんの仕事もなしに日を暮らしているという、一面から見ればすこぶる呑気らしい、また一面から見れば、頗る悲惨な境遇に置かれていた

暴力団における「部屋住み」[編集]

暴力団組織においても部屋住みという地位が存在する。暴力団組織においては、組事務所に居住して組長の雑用等を専ら処理する者を部屋住みと言うことがある。この場合の部屋住みとなっている者は、資金獲得のための活動を行うことができないために、組長等から小遣い等の名目で金銭が渡されている[3]

脚注[編集]