コンテンツにスキップ

郡 (バングラデシュ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カテゴリー行政区画
位置バングラデシュの旗 バングラデシュ
設立1982年
495(2022年)
人口596,886人 – 1,634,750人
面積572–2,829 km²
行政Upazila Nirbahi Officer; UNO

(Administrator)

Upazila Parishad (Council)
UP Chairman (Executive)
区分Union councils (4,554)

バングラデシュにおける(ぐん)は、ウポジラ英語: upazilaベンガル語: উপজেলা['upodʒela])と呼ばれ、かつてはターナー (thana) と称されていた、英語版の下位区分として機能する行政区画。西側諸国におけるカウンティバラに相当するものとされる。農村地域の郡は、さらにユニオン議会(ユニオン・パリシャド、union parishads)に分割されている。

2022年10月20日現在、バングラデシュには、495郡が設置されている[1][2][3]。郡は、バングラデシュにおける行政区画の下から2番目の階層にあたる。バングラデシュの行政区画は、8管区、64県、495郡とユニオン議会(UPs)から構成されている。かつての中将フセイン・モハンマド・エルシャド大統領の軍事政権下で地方分権制度が導入され、地方政府の強化が図られた。

UPs より下位には、グラム (gram) とかパラ (para) と呼ばれる村が存在するが、これらは行政上の権限はなく、選挙で選ばれる代表者もいない。1982年の地方政府条例は、翌年に施行され、既存のターナーをウポジラへと再編成し、権限強化したのである[4]

歴史

[編集]

ウポジラは、元々はターナーと称されていたが、これは文字通りには警察署を意味していた。そうした名称にもかかわらず、ターナーは行政上、地理上の区画として機能しており、現在のウポジラに通じるものであった。1982年、ターナーはウポジラと改称され、自治体としての性格も帯びた地方政府とされた。しかし、この制度は、1992年にターナーに戻された。さらに後の1999年になってターナーの行政が及ぶ地理的区域のことをウポジラと称することになった[5]。そして、このレベルの行政に関わる呼称は全てターナーからウポジラに改められた。例えば、文字通りには「ターナーの執行役員」を意味する「ターナー・ニルバヒ・オフィサー (thana nirbahi officer)」は、「ウポジラの執行役員」を意味する「ウポジラ・ニルバヒ・オフィサー (upazila nirbahi officer)」と改称された。

今日では「ターナー」はもっぱら「警察署」の意味で用いられる。一般的には、それぞれのウポジラには警察署が一つ設けられるが、行政区画としての規模が大きい場合には、異なる地域を管轄する複数の警察署が設けられることもある。

2021年7月26日、内閣官房長官カンドカー・アンワルル・イスラム英語版は、ダクシン・スナムガンジ郡をシャンティガンジ郡英語版と改称するとともに、コックスバザール県英語版エイドガオン郡英語版スナマンジ県英語版マデャナガール郡英語版マダリプル県英語版ダサール郡英語版の3郡を新設することを発表した[6]

行政

[編集]

郡の執行役員

[編集]

郡の執行役員(Upazila nirbahi officer, UNO:ベンガル語: উপজেলা নির্বাহী কর্মকর্তা)は、選挙で選ばれるわけではない郡の行政官である。彼らは、バングラデシュ上級国家公務員の上級書記官補 (senior assistant secretary of Bangladesh Civil Service (Administration) Cadre) である。彼らは選挙で選ばれる諸職の下で、執行役員として振る舞う。

郡議会

[編集]

各郡の議会であるウポジラ・パリシャッド (upazila parishad) には、議長、副議長と女性副議長の役職が設けられている。これら三役は直接選挙で選ばれる。郡内のユニオン議会の議長たちが議会 (porishod) を構成するとみなされる。女性副議長職は、地方政府における全ての選挙による公職のうち少なくとも3分の1を女性が代表できるように設けられたものである[7]

2010年1月22日には、18年ぶりに郡議会選挙が実施された[8]

脚注

[編集]
  1. ^ Govt to form 3 new upazilas in three districts” (27 July 2021). 2022年11月3日閲覧。
  2. ^ upazila List”. Bangladesh National Portal. 2022年11月3日閲覧。
  3. ^ “New upazila to be formed in Comilla”. NTV. (9 January 2017). http://en.ntvbd.com/bangladesh/45201/New-upazila-to-be-formed-in-Comilla 20 June 2017閲覧。 
  4. ^ Kamal Siddiqui (2012). “Local Government”. In Sirajul Islam and Ahmed A. Jamal. Banglapedia: National Encyclopedia of Bangladesh (Second ed.). Asiatic Society of Bangladesh. http://en.banglapedia.org/index.php?title=Local_Government 
  5. ^ AMM Shawkat Ali (2012). “Thana”. In Sirajul Islam and Ahmed A. Jamal. Banglapedia: National Encyclopedia of Bangladesh (Second ed.). Asiatic Society of Bangladesh. http://en.banglapedia.org/index.php?title=Thana 
  6. ^ “Three new upazilas in Madaripur, Cox's Bazar and Sunamganj”. Dhaka Tribune. (26 July 2021). https://en.shampratikdeshkal.com/government/news/210720861/three-new-upazilas-in-madaripur-coxs-bazar-and-sunamganj 
  7. ^ “All about upazila parishad”. The Daily Star. (22 January 2009). オリジナルの16 December 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161205145106/https://www.thedailystar.net/news-detail-72392 
  8. ^ “Upazila polls influenced”. The Daily Star. (23 January 2009). http://www.thedailystar.net/newDesign/news-details.php?nid=72524 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]