邪神

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邪神とは人間にとって災いをなすである。類義語に悪神がある。

概要[編集]

神でありながら災いをもたらす神、神話の主神に敵対し邪悪な神、もしくは邪教で祀られる神であるともされる。だが、厳密には悪魔堕天使との線引きは難しい。その例として、元々ウガリット神話における神バアルが前身の異教の神ベルゼブブや、アッカドに伝わる「風の魔王」とされているパズズ等が挙げられる。

善悪二元論の邪神[編集]

主には善悪二元論ゾロアスター教において、最高善とする神アフラ・マズダーに対する絶対悪の悪神アンラ・マンユ(アーリマン)があげられ、その配下のダエーワも邪神である。他にはエジプト神話太陽神ラーに敵対する悪の化身アポフィスが存在する。

唯一神教の邪神[編集]

ユダヤ教とそれを母体に成立したキリスト教、ユダヤ教とキリスト教を母体として成立したイスラム教はいずれも神は唯一人とする唯一神教であり、厳密な意味においての崇拝対象たる神に対を成す邪神・悪神は存在しない。ただし、サタン(イスラムではシャイターンイブリース))といった神に敵対する者は存在する。邪神との大きな違いは、善神と対を成すほどの存在ではなく、元々は神によって創造された配下の天使が反旗を翻した(堕天使)という点にある。唯一絶対的存在である神に敵うことはなく、いずれは反逆の罪で罰せられ滅ぼされる宿命にある。ただし、キリスト教やイスラム教において神はサタンを天から追放したものの、滅びを与えるまでの猶予期間を与えており、その間は地上において人々を惑わし支配するなど自由に活動させている。特にキリスト教では地上を支配している彼をそのような限定的な意味で「この世の神」と邪神的存在のように表現することがある。

神道の邪神[編集]

神道においては「絶対悪の悪神」という概念はない。『日本書紀』に「彼の地に螢火の光(かかや)く神、及び蠅聲(さばえな)す邪神多(さわ)に有り」とあるが、これは主に国津神のまつろわぬ神を指しており、悪魔の様な神ではない。だから「天に悪しき神あり」といわれる天津甕星や、災いの神の禍津日神も「絶対悪の悪神」ではない。

日本でいうところの鬼神もこの範疇である。ただ鬼神には勇猛や強いという意味もあるので、事項にも当てはまる。

民間信仰の邪神[編集]

疱瘡神疫病神の様に畏怖の対象がそのまま悪神となるケースもある。しかし悪神と恐れられる神も荒神のように祀る事で、逆に人間の守護神に変えて信仰されるケースも多々ある。先のパズズも悪霊の首魁という事で、逆に格下の悪霊から身を守る守護神とするケースもある。

その他の邪神[編集]

その他の例ではトリックスターの度が過ぎる例で北欧神話の悪神ロキや、クトゥルフ神話などに登場する架空の邪神ナイアーラトテップがあげられる。またクトゥルフ神話の神は大半が邪神の様な存在である。

関連項目[編集]