遠藤謙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
遠藤 謙
生誕 (1978-07-10) 1978年7月10日(38歳)[1]
日本の旗 日本静岡県沼津市[2]
国籍 日本の旗 日本
教育 マサチューセッツ工科大学
業績
専門分野 バイオメカニクスロボット工学
勤務先 ソニーコンピュータサイエンス研究所
株式会社 Xiborg
プロジェクト D-lab、See-Dコンテスト、D-leg
設計 ロボット義足、途上国用義足、競技用義足
受賞歴 MIT Technical Review「2012年35歳以下のイノベーター35人」[3][4]
世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ」[5]

遠藤 謙(えんどう けん、1978年昭和53年)7月10日[1]- )は、日本の義足エンジニア[6][7][8]マサチューセッツ工科大学Ph.D[9]バイオメカニクスリハビリテーション工学、スポーツ工学を専門とし[10]、ロボット義足発展途上国用義足[注釈 1]、競技用義足(パラリンピック用)の研究開発で著名。現在はソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエイトリサーチャー、株式会社Xiborg代表取締役、D-leg代表、See-D代表を務める。

2012年にはマサチューセッツ工科大学が出版するTechnical Review誌が選ぶ「35歳以下のイノベーター35人」に、2014年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズに選出されている[4][5]

来歴・人物[編集]

静岡県沼津市出身[2]。子供時代はプラモデルミニ四駆などのもの作りが好きで[12]中学校高校ではバスケットボールに打ち込んだ。大学院ヒューマノイドや進化的計算の研究に従事していた遠藤は、骨肉腫を患った高校の後輩が足を切断することになったことをきっかけに、義足開発の道へ進むことを決意[13][14]マサチューセッツ工科大学(MIT)メディア・ラボヒュー・ハー英語版教授の元へ留学し、博士候補生としてバイオメカニクス・ロボット義足の研究を開始する[15]

MITには夏学期に学生自身が授業を開講する制度があり、遠藤はヒューマノイドロボットの講義を立ち上げたり[16]発展途上国に関する講義「D-lab」の講師を務めたり[17]と、活発な活動を行う。特にD-labでは発展途上国に出向いて実際に義足を製作する活動を行い[18]、D-labを日本へ紹介する活動にも取り組んだ。また、途上国適正技術開発のコンテストであるSee-Dコンテストにも携わる[19]

留学生活は厳しくストレスによる突発性難聴になることもあったが[13]2012年6月にPh.Dの学位を取得する[13]。なお、この時点で既婚、1児の父であった[20]。同年、ソニーコンピュータサイエンス研究所の研究員に就任。ロボット義足の実用化に向け、足首のバネを使用して軽量化した義足の開発を続ける。一方、途上国義肢の開発・普及を行うD-legの代表[3]も務め、See-Dコンテストでも代表に就任している[13][19][21]

義足の選手が健常者のメダリストを超えることを目指していた遠藤は、2012年9月に元陸上選手の為末大と出会う[22]。チェアスキー開発に携わっていた杉原行里をメンバーに加え、2014年5月に株式会社 Xiborgを起業[22]代表取締役に就任する[23][24][25]パラリンピック出場者用の義足開発に取り組み、2020年東京オリンピックでのメダル獲得を目標にしている[26]2016年には開発した「Xiborg Genesis」の販売を開始し、同年9月のリオデジャネイロパラリンピックでは佐藤圭太が使用した[27]

経歴[編集]

略歴[編集]

受賞歴[編集]

テレビ出演[編集]

招待講演[編集]

主な著作[編集]

学位論文[編集]

論文・解説[編集]

記事[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 先進国においても入浴時に使用するなど、安価な義足を使い捨て感覚で使うことも検討されている[11]
  2. ^ テーマ「100m走で10秒を切ることができる靴の開発」[29]
  3. ^ TBS「夢の扉+」 (2012年11月4日). TBS「夢の扉+」11月11日 #79「天才エンジニアが義足の概念をくつがえす」 - YouTube
  4. ^ TVTOKYO (2017年3月23日). 義足エンジニア・遠藤謙【みらいのつくりかた】 - YouTube

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 遠藤ほか 2004, p. 280.
  2. ^ a b スピーカー”. Wearable TECH EXPO. 2015年1月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e f ashita-lab 2013a.
  4. ^ a b c 日本MIT会第一回「若手虎の穴」講演会のご案内「すべての人に動く喜びを」~義足研究者のパラリンピックへの挑戦 2014年5月吉日”. MIT ASSOCIATION OF JAPAN. 2015年1月6日閲覧。
  5. ^ a b c “世界経済フォーラムが選出した今年のヤング・グローバル・リーダーズは200人超” (PDF) (プレスリリース), 世界経済フォーラム, http://www3.weforum.org/docs/WEF_NR_YGL_NCA14_JP.pdf 2015年1月10日閲覧。 
  6. ^ a b “[遠藤 謙 義足エンジニア http://www.tedxtokyo.com/talk/ken-endo/]”. TEDx TOKYO 2014. 2015年1月6日閲覧。
  7. ^ 2016年5月14日(土)未来人のコトバ 義足エンジニア 遠藤謙さん 「Mens et Manus(知識と実践)」”. 経済フロントライン. NHK. 2016年7月10日。
  8. ^ 義足エンジニア、遠藤謙さん。義足の開発を通して、これからの世界に何を求めているのか?”(2016年4月30日).TOKYO ONGOING. Tokyo FM. 2016年7月10日閲覧。
  9. ^ a b Endo, Ken 2012.
  10. ^ 遠藤ほか 2014.
  11. ^ 瀬戸義章 2013, p. 3.
  12. ^ 米良はるか 2014a, p. 1.
  13. ^ a b c d 瀬戸義章 2013, p. 4.
  14. ^ 米良はるか 2014a, p. 1-2.
  15. ^ 湯川鶴章 2014.
  16. ^ 遠藤謙 2007.
  17. ^ a b c 小野雅裕 2014.
  18. ^ 瀬戸義章 2013, p. 2, 3.
  19. ^ a b ashita-lab 2013b.
  20. ^ Endo, Ken 2012, p. 6.
  21. ^ a b [Lab:042a]ソニーCSL 遠藤 謙 ―ふたつの義足で世界を変える! 注目のイノベーター―”. (2013年10月17日). Web文芸誌マトグロッソ. 2015年1月6日閲覧。
  22. ^ a b c 『ロボティクス最前線』、日経産業新聞 編、日本経済新聞出版社、2016年1月5日、第1版第1刷、94-98頁、ISBN 978-4-532-32050-8
  23. ^ a b c 井上和典「五輪記録も夢じゃない "2020年"への道は明るい」、『AERA 2014.12.29-2015.1.5.』、 24頁。
  24. ^ 米良はるか 2014b, p. 1.
  25. ^ a b 遠藤ほか 2014, p. 858.
  26. ^ 小野雅裕 2014, p. 2.
  27. ^ 遠藤謙 (2016年9月8日).“テクノロジーで高速化するパラ100m走 義足の進化と選手の技量向上がシンクロ、相乗効果を生む”. Sport Innovators Online. 日経BP社. 2016年9月13日閲覧。
  28. ^ 遠藤 謙(えんどう・けん)ソニーコンピューターサイエンス研究所研究員 / 株式会社Xiborg代表取締役”. academyhills. 2015年1月6日閲覧。
  29. ^ a b 最終選考通過者". 平成28年度採択プログラム. 異能(Inno)vation. 2017年3月25日閲覧。
  30. ^ TEDxTokyo 2014”. 2015年1月10日閲覧。
  31. ^ Tokyo 2014 Speakers: Ken Endo”. Events. MIT Media Lab. 2016年9月13日閲覧。(英語) (日本語)
  32. ^ Tokyo 2014: Agenda, Day Two”. Events. MIT Media Lab. 2016年9月13日閲覧。(英語) (日本語)

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

(出演動画)