道路標示

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
大きく書き直されたばかりの道路標示「止まれ」(四国中央市)
道路標示
スクールゾーン
最高速度 (105)と追越しのための右側部分はみ出し通行禁止及び追越し禁止 (102)
中央線(205)と路側帯(108)

道路標示(どうろひょうじ)は、道路の交通に関し、規制又は指示を表示する標示で、路面に描かれた道路鋲・ペイント・石等による線・記号又は文字である[1]交通事故を未然に防ぐための規制、指示による道路交通の円滑化などを目的に設置されている。

日本の道路標示[編集]

日本の道路標示は規制標示指示標示の2つに区分されている[2]。原則的には、道路交通法4条1項に基づき都道府県公安委員会が設置する。道路法45条に基づき道路管理者が設置する区画線のうち一部は、道路標示とみなされる[3]区画線は、道路管理者が、道路の構造を保全し、又は交通の安全と円滑を図るため、必要な場所に設けるものであり、区画線のうち、車道中央線と車道外側線に限っては、道路標示とみなされる。

日本の道路標示の様式は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」別表第6で定められている[4](以下の括弧内の番号は道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第6に定められた番号)。

規制標示[編集]

規制表示とは、「転回禁止」や「進路変更禁止」などを示す矢印、また「駐停車禁止」や制限速度を示す「最高速度」の文字など、自動車の走行を規制することによって交通事故を防止することを目的とする道路標示である[2]

  • 転回禁止 (101)
    • →終端に矢印を付けた上下逆のU字形と、禁止を表す×印の組み合わせ。ただし「終わり(115)」表示と併用される場合、×印は使われない。
  • 追越しのための右側部分はみ出し通行禁止及び追越し禁止 (102)
    • →橙色の線。俗に「はみ禁」や「オレンジライン」等と呼ばれる。中にはポールを立てたり(高速道路の暫定2車線に多い)、線の上を走ると音が鳴るようにしている場合もある。
    • 片方向の車線のみの規制(坂道で下り坂側の車線のみ等)の場合は、橙色と白色の線を並べて引いた標示となる。この場合、橙色の線の側の車線のみの規制となる[5]
  • 進路変更禁止 (102の2)
    • 上記「追越のための〜」と同様に、一方の車線からの進路変更のみを禁止する規制の場合は、橙色と白色の線を並べて引いた標示となる(橙色の線の側の車線からの進路変更のみ禁止)。
  • 駐停車禁止 (103)
  • 駐車禁止 (104)
  • 最高速度 (105)
    • →標準書体が規定されており、数字1文字の大きさは縦5m・横50cm(「4」の字のみ横60cm)、文字の肉厚は横方向(=縦線の幅)15cm・縦方向(=円弧部分の最大肉厚)45cm、字間は20cm(40km/h標示の「4」と「0」の間は10cm)となっている。ただし、兵庫県広島県では独自に文字幅と字間を詰めている(標示消失対策によるもので、1文字の横寸法45cm=「4」の字は50cm=、字間は10cm)。また、山口県では標準のサイズ・字形規定に従わない標示が多く見られる。
    • →広島県においては、1998年頃に現在の字形が採用されるまで、文字寸法は全国標準と同じながらも、線幅が細く曲線部分も楕円弧とした独自書体を用いていた。現在も一部の道路に残存例が見られる。
  • 立入り禁止部分 (106)
  • 停止禁止部分 (107)
    • 警察署消防署の前など緊急車両の出入口部分に設けられていることが多い。変わったところでは、交差点に近いバス停からその交差点の右折レーンまで「路線バスを除く」停止禁止部分を設定しているところもある(多車線の道路で路線バスの右折を確保するため)。
  • 路側帯 (108)
  • 駐停車禁止路側帯 (108の2)
  • 歩行者用路側帯 (108の3)
  • 車両通行帯 (109)
  • 優先本線車道 (109の2)
  • 車両通行区分 (109の3)
  • 特定の種類の車両の通行区分 (109の4)
  • 牽引自動車の高速自動車国道通行区分 (109の5)
  • 専用通行帯 (109の6)
  • 路線バス等優先通行帯 (109の7)
  • 牽引自動車の自動車専用道路第一通行帯通行指定区間 (109の8)
  • 進行方向別通行区分 (110)
  • 右左折の方法 (111)
  • 平行駐車 (112)
  • 直角駐車 (113)
  • 斜め駐車 (114)
  • 普通自転車の歩道通行部分 (114の2)
  • 普通自転車の交差点進入禁止 (114の3)
  • 終わり (115)

指示標示[編集]

横断歩道 (201)
横断歩道又は自転車横断帯あり (210)

指示標示とは、横断歩道や安全地帯、また車線や停止線を示す道路上の線など、道路交通の円滑化を図ることを目的とする道路標示である[2]

  • 横断歩道 (201)
  • 斜め横断可 (201の2)
  • 自転車横断帯 (201の3)
  • 右側通行 (202)
  • 停止線 (203)
    • →通常は奥行30〜45cmの横線。積雪地ではしばしば停止線標識が併用される。これとは別に視認性向上のため、高知県などでは停止線を二重に引くか(次項の「二段停止線(203の2)」とは異なる)、または線の奥行を50cm以上としている例が見られる。
  • 二段停止線 (203の2)
  • 進行方向 (204)
  • 中央線 (205)
    • 自動車が走行する際に進路を定めるために、走行する方向と対向する車線の境界を示すために道路の中央に引かれた線。道路の幅員がそれほど広くなく、1日の交通量が500台未満となるような道路には中央線が引かれていないことが普通である[2]。線は、白の実線や破線、または黄色の実線で示される[5]。(→ 中央線
  • 車線境界線 (206)
    • 自動車が走行する際に、片側2車線以上の道路で走行レーンを示す中央線と路肩の間に引かれた破線のことで、車線数により1本であったり複数の本数がある。
  • 安全地帯 (207)
  • 安全地帯又は路上障害物に接近 (208)
  • 導流帯 (208の2)
  • 路面電車停留場 (209)
  • 横断歩道又は自転車横断帯あり (210)
    • →信号機のない横断歩道などの手前に2〜3個続けて設けられる、縦に長い菱形の標示。菱形の対角線寸法は縦5m・横1.5mを標準とするが、広島県では縦4m・横1m、佐賀県では縦4m・横1.2mと小さめである。外形線の肉厚も30cmが標準だが、佐賀県では15cm、石川県山梨県長野県静岡県・広島県・山口県熊本県では20cm。
  • 前方優先道路 (211)

韓国の路面標示[編集]

韓国では道路交通法施行規則別表6の5に路面表示の規定がある。以下は路面標示の例(括弧内の番号は別表に定められた番号)。

  • 中央線標示 (501)
  • Uターン区域線標示 (502)
  • 車線標示 (503)
  • バス専用レーン標示 (504)
  • 路上障害物標示 (509)
  • 右折禁止標示(510)
  • 左折禁止標示(511)
  • 直進禁止標示(512)
  • 直進左折禁止標示 (512の2)
  • 直進右折禁止標示(512の3)
  • 左右転回禁止標示(513)
  • Uターン禁止標示(514)
  • 駐車禁止標示(515)
  • 駐停車禁止標示(516)
  • 制限速度標示(517)
  • 徐行標示 (518)
  • 一時停止標示(521)
  • 駐車標示 (523)
  • 駐車禁止地帯標示 (524)
  • 誘導線標示 (525)
  • 左折誘導標示 (525の2)
  • 誘導標示 (526・527・528)
  • 横断歩道予告標示(529)
  • 自転車横断帯標示(534)
  • 自転車専用道路標示(535)
  • 登り坂斜面標示(544)

塗料[編集]

道路標示に使われる塗料は路面標示用塗料、トラフィックペイントといわれ、常温用・加熱用・溶融用の3種類に大別される[6]

脚注[編集]

  1. ^ 日本では道路交通法2条1項16号で規定
  2. ^ a b c d 浅井建爾 2015, p. 159.
  3. ^ 道路交通法2条2項、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令7条
  4. ^ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第6 国土交通省、2018年3月8日閲覧
  5. ^ a b 浅井建爾 2015, p. 160.
  6. ^ JIS K5665

参考文献[編集]

関連項目[編集]