道原かつみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

道原 かつみ(みちはら かつみ、1958年2月13日[1] - )は、日本漫画家イラストレーター広島県三原市出身。

略歴[編集]

小学校の同級生で後に漫画家になる宮脇明子から、中学3年のときに漫画を描いてみないかと声をかけられたことが、漫画を描き出すきっかけになった[2]1979年に『花とゆめ増刊冬の号』に投稿した「かわいいジュリア」で努力賞を受賞し、掲載されたことでデビューする。しかし、その後はヒット作に恵まれず、父親から「遊んでいないで就職しろ」と叱責されたこともあって、三原市役所に勤める[2]

田中芳樹の同名小説を漫画化した『銀河英雄伝説』が売れ始めたことで市役所を退職し、漫画家専業となる[2]

漫画制作にパソコンを導入したのは早いほうで、自身のウェブページにデジタルで制作する際のノウハウを公開していた[3]

2009年時点では、三原市在住で福山市内の専門学校漫画コースの講師として後輩の指導にあたっている[2]

代表作には『銀河英雄伝説』の他、麻城ゆう原作の『ジョーカー』シリーズなど。漫画だけではなく、イラスト提供作品や版画作品もあり、1990年には第21回星雲賞アート部門を受賞した。

2009年広島県三原市ふるさと大使に任命される[4]

作品リスト[編集]

太字はアニメ化された作品[5]

  • パンドラの惑星(1983年、徳間書店。1990年、徳間書店より新装版)
  • ノリ・メ・タンゲレ(麻城ゆう原案、1984年、徳間書店。1990年、徳間書店より新装版)
  • キャウ・キャット・キャン(1984年、徳間書店。1990年、徳間書店より新装版)
  • 銀河英雄伝説外伝 黄金の翼(1986年、田中芳樹原作、徳間書店。1992年にOVAとしてアニメ化)
  • ジョーカー・シリーズ(麻城ゆう原作、新書館)
    • 帝王の庭(1987年、新書館。1998年、文庫化)
    • ムーン・ファンタジー(1)(1988年。1998年、1・2を合本文庫化)
    • ムーン・ファンタジー(2)(1989年)
    • ドリーム・プレイング・ゲーム(1989年。1999年、『グリーン・パラダイス』と合本文庫化)
    • グリーン・パラダイス(1991年)
    • シャーロキアン・コンピュータ(1993年)
    • χの歌声(1997年)
    • ファイナル・ミッション(2004年)
  • 空白の悲鳴(1988年、大陸書房。1994年、徳間書店で再版)
  • 銀河英雄伝説(1988年、田中芳樹原作、徳間書店。少年キャプテン1989年1月号より連載開始)
  • アル・カラルの遺産(1990年、徳間書店。1992年にOVAとしてアニメ化)
  • アルカライラ(1993年、新書館)
  • 銀河英雄伝説 英雄たちの肖像(田中芳樹原作、徳間書店)

画集[編集]

  • 銀河英雄伝説道原かつみイラストレーションブック(1992年、徳間書店)
  • JOKER―道原かつみ・画集(1993年、新書館)
  • 銀河英雄伝説画集―[英雄たちの肖像]ロマンアルバム(1995年、徳間書店)

小説[編集]

以下の小説に挿絵を描いている。

  • 間の楔吉原理恵子作、年、光風社出版
  • JOKER外伝シリーズ麻城ゆう作、新書館)
    • 特捜司法官S-A(1)(1991年。2000年、文庫化)
    • 特捜司法官S-A(2)(1993年)
    • 新・特捜司法官S-A(1)(2005年)
    • 新・特捜司法官S-A(2)(2005年)
    • 新・特捜司法官S-A(3)(2006年)
  • 月光界秘譚シリーズ(麻城ゆう作、新書館)
    • 永の楽土(1992年)
    • 風舟の傭兵(2000年。新シリーズ開始)
    • 太陽の城(2001年)
    • 滅びの道標(2002年)
    • いにしえの残照(2002年)
    • 逢魔が刻の聖地(1)(2003年。新シリーズ(月光界シリーズ)開始)
    • 逢魔が刻の聖地(2)(2004年)
  • 天界樹夢語りシリーズ(麻城ゆう作、新書館)
    • 妖魔の里(1994年)
    • 真逆の剣(1995年)
    • 裏切りの海(1996年)
    • シンデレラの海(1997年)
    • 心臓に鎖(1998年)
    • 幻想迷宮(1999年)
    • 緑星(1999年)
  • 銀河英雄伝説(田中芳樹作、徳間デュアル文庫
  • 星虫岩本隆雄作、1990年、新潮文庫)

アンソロジー[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 道原かつみ”. KADOKAWA CORPORATION. 2023年8月16日閲覧。
  2. ^ a b c d 三原が生んだ漫画家 道原かつみさん”. 三原観光協会 (2009年5月1日). 2017年12月20日閲覧。
  3. ^ 鈴木みそ小沢高広「デジタル導入のパイオニア達」『電子書籍で1000万円儲かる方法』学研プラス、2014年。ISBN 9784059139133 
  4. ^ 三原にゆかりのある10人を三原市ふるさと大使に任命” (PDF). 三原市 (2009年9月1日). 2017年12月20日閲覧。
  5. ^ 『銀河英雄伝説』はアニメ版とほぼ同時期のため、また、キャラクターデザインが異なるために除外

外部リンク[編集]