通訳案内士

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通訳案内士
英名 Licensed guide
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 通訳
試験形式 筆記・口述
認定団体 国土交通省
等級・称号 通訳案内士
根拠法令 通訳案内士法
公式サイト 日本政府観光局(JNTO)・通訳案内士試験概要
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通訳案内士(つうやくあんないし、英語: Licensed guide)とは、観光庁長官が実施する国家試験「通訳案内士試験」に合格して、通訳案内士として登録した者のみが従事でき(業務独占)、観光客に対して外国語通訳及び観光案内を行って報酬を得る職業。外国観光客相手のプロの観光ガイドのこと。

概要[編集]

通訳案内士の登録人数は、2016年時点で約2万人。報酬を得て訪日外国人旅行に付き添い、日本語以外の言語を用い旅行案内をすることは、1949年昭和24年)に施行した通訳案内士法により、国家資格を得た上で、都道府県に登録する事が義務付けられている。

違反すれば通訳案内士法の規定により罰せられる。たとえ時給によるアルバイトであっても、無資格者が報酬を得て外国人の観光案内業務を行うことは出来ない。通訳案内士となるためには、後述の資格試験に合格したのち、都道府県に登録する必要がある。資格試験には学歴、年齢性別国籍が問われない。特に国籍不問であるため、外国人の通訳案内士も存在する。外国人の添乗員であっても、日本で営業目的の案内行為をすると違法となる。ただし無償で行うボランティアガイドは、違法ではない。

使用する外国語別に、英語フランス語スペイン語ドイツ語中国語イタリア語ポルトガル語ロシア語韓国語タイ語に分かれている[1]

訪日客による経済活性化や日本文化の理解のため、規制緩和の動きも進む。

従来は、通訳案内業法により、通訳案内業としての免許を申請し、取得する制度であったが、2005年(平成17年)6月の法改正により、2006年4月よりは通訳案内士と名称を変え、資格者の登録制度に変わった。また、従来は日本全国で業務ができる免許しかなかったが、新制度では、都道府県単位で地域限定の通訳案内士の登録が行えるようになった。

2011年に国会で審議された総合特区法案では、有名無実化した法制度を改める動きの一環として、特区指定地域では通訳案内士以外の者でも、外国人を有償ガイドできる特例措置が盛り込まれている[2]

2017年(平成29年)には、外国人観光客の急増に対応するため法改正が行われ、資格がなくても有償ガイドできるようになり、ガイドできる地域を限定した「地域通訳案内士」制度も新たに設けられた[3]

案内士の75%は東京都区部など大都市圏に偏在、7割近くが英語対応である。

通訳案内士試験[編集]

概要[編集]

独立行政法人国際観光振興機構(日本政府観光局)が試験事務を代行する国土交通省主管の国家試験であり、語学関連の唯一の国家資格である。

試験は筆記試験と口述試験がある。筆記試験は、8月下旬に札幌市仙台市東京近郊、名古屋市大阪近郊、広島市福岡市那覇市のほか、ソウル(朝鮮語のみ)、北京2014年をもって終了、中国語(簡体字)のみ)、台北(中国語(繁体字)のみ)で行われる。口述試験は12月上旬に、英語中国語朝鮮語は東京近郊、大阪近郊、福岡市で、それ以外は東京近郊でのみ行われる。

以上は2014年の例であるが、今後国際化の動向や受験者数などに応じて変更される可能性もある。

試験科目[編集]

筆記試験
  • 外国語についての筆記試験(記述式(英語のみマークシート方式と併用)。受験する言語を選択)
    英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、朝鮮語、タイ語
    中国語は繁体字簡体字から選択。ただし北京では簡体字、台北では繁体字のみ。
  • 日本語による筆記試験(マークシート方式)
  1. 日本地理
  2. 日本歴史
  3. 産業、経済、政治及び文化に関する一般常識
口述試験
筆記試験で選択した外国語を用いての面接試験。外国語能力はもちろん、ガイドとして知っておくべき日本文化や社会に関する知識も問われる。また同時に人物考査も行われ、通訳案内士としての適性が判断される。

一部科目免除[編集]

以下の条件に当てはまる受験者は所定の通りに申請すれば一部科目が免除になる[4]。詳しくは募集要項を参照。

  • 前年の筆記試験を合格し口述試験を不合格または欠席した受験者は、筆記試験が免除になる。前年の筆記試験で一部科目だけ合格点に達している受験者は、筆記試験でその科目が免除になる。
  • 過去に他の言語で通訳案内士として合格した受験者は、筆記試験で外国語以外が免除になる。
  • 実用英語技能検定1級合格者もしくは、TOEICスコア840以上、TOEICスピーキングスコア150以上、TOEICライティングスコア160以上のいずれかの提示で筆記試験の外国語(ただし英語のみ)が免除になる。
  • 実用フランス語技能検定試験1級合格者、ドイツ語技能検定試験1級合格者、中国語検定試験1級合格者、HSK6級合格者、「ハングル」能力検定試験1級合格者は、筆記試験の外国語のうち、該当する言語が免除になる。
  • 総合または国内旅行業務取扱管理者合格者もしくは、地理能力検定2級日本地理以上の合格者は日本地理が、歴史能力検定日本史2級以上合格者は日本歴史が免除になる。
  • 地域限定通訳案内士試験合格者が当該外国語による通訳案内士試験を受けるときは、当該外国語の筆記試験が免除になる。

地域限定通訳案内士[編集]

1997年に制定された「外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律(外客来訪促進法)」の特例として、2006年に制定された都道府県単位の制度で、一つの都道府県の範囲に限って通訳案内業務を行うことができる制度。 地域限定通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、当該都道府県の区域において、報酬を得て、通訳案内を業として行うことができる(外客来訪促進法第23条、第24条及び第26条)。 「地域限定通訳案内士」試験は、2007年から、6道県(北海道、岩手県、栃木県、静岡県、長崎県、沖縄県)で始まったが、2017年1月現在、実施しているのは沖縄県のみとなっている。2016年度から東京都で、構造改革特区制度を活用した、研修のみの新たな登録制度を始めた。

沖縄県[編集]

2007(平成19)年度から実施している。

  • 筆記(第1次)試験は、沖縄県の地理・沖縄県の歴史・沖縄県の産業、経済、政治及び文化・外国語(英・中・韓)
  • 口述(第2次)試験は、筆記(第1次)試験に合格した者と、筆記試験を免除される者が対象
  • 2017(平成29)年3月31日現在、中国語80名、英語96名、韓国語21名の計197名登録されている。

東京都[編集]

国の構造改革特区制度を活用したもの[5]。都が実施する研修を修了し、登録することで「地域限定特例通訳案内士」として都内で通訳案内を行える。これまで外国語で有料の観光案内を行うには、通訳案内士の国家資格が必要であり、外国語による観光タクシーの普及が進まなかったことから、「地域限定特例通訳案内士」として都内で通訳案内を行えるようにした。将来的には、通訳案内士(国家資格)になることを奨励する、としている[6]

  • 2016(平成28)年度の認定研修は、対象言語を英語とし、東京都全域で活動できる地域限定特例通訳案内士を養成した。募集定員は80名で、都内(法人・個人)のタクシードライバーまたはハイヤードライバーで、TOEIC600点相当の語学力を有する者を対象とした。研修期間は免除項目の無い場合で最大8日間。
  • 東京シティガイド検定資格保持者、ユニバーサルドライバー研修修了者、日本赤十字、消防署等が実施する「基礎講習」「普通救命講習」の修了者は、それぞれ免除される研修項目がある。
  • ユニバーサルドライバー研修修了者、東京観光タクシードライバー認定者、観光英語対応ドライバー認定プログラム(TSTiE)修了者は、受講料減免がある。
  • 乗務時間外及び退職後は資格の適用とならない。
  • 2017(平成29)年3月29日現在、25名登録されている。

脚注・出典[編集]

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  1. ^ 通訳案内士試験概要”. 日本政府観光局(JNTO). 2015年11月25日閲覧。 “通訳案内士試験の外国語の種類は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語及びタイ語となっています。”
  2. ^ 内閣官房地域活性化統合事務局 「総合特区制度」の概要 参考資料1 (2011年5月7日閲覧)
  3. ^ 観光ガイドで規制緩和=改正通訳案内士法が成立 時事通信 2017年5月26日
  4. ^ 通訳案内士試験概要”. 日本政府観光局(JNTO). 2015年11月25日閲覧。
  5. ^ 構造改革特別区域計画「東京都タクシードライバー観光案内特区」
  6. ^ 東京都タクシードライバー観光案内特区 構造改革特別区域計画

関連項目[編集]

外部リンク[編集]