逆境指数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

逆境指数(ぎゃっきょうしすう、: Adversity Quotient, AQ)とは、 生活の中で起こる様々な逆境に直面した時に、立ち向かう個人や組織の対応力や能力を持っているのかを測定する数値である[1]

評価レベル[編集]

AQのレベルは『CORE』という4つの要素の組み合わせによって決まる。4つの要素とは、「コントロール(Control)」「責任(Ownership)」「影響範囲(Reach)」「持続時間(Endurance)」である。

AQのレベルは以下の5段階に分類される。

  1. レベル1 逃避(Escape)……逆境に立ち向かえず逃げようとする
  2. レベル2 サバイブ(Survive)……なんとか生き残ろうとする
  3. レベル3 対処(Cope)……とりあえず対処をする
  4. レベル4 管理(Manage)…… 逆境を最善の方法で管理し解決しようとする
  5. レベル5 滋養(Harness)……ピンチをチャンスに変え、逆境をもとにさらなる飛躍を目指す

一般的に企業組織経営を成功に導く経営者やリーダーには、レベル4以上のAQが求められている。よりAQが高い人材の方が成功する確率も比例して高いと言われている。

AQは持って生まれたものではなく、トレーニングや経験した試練の数や大きさ、乗り越えてきた経緯などによっても鍛えることができる。「逆境に耐えぬく力を養うことは組織の一員としてはもちろんだが、個人としても人生の中で大いに役に立つものである。こういった考え方をベースに、AQを人事研修などで取り入れている企業も多くある[2]

レベル5のAQをコトワザで表現すると、「雨降って地固まる」「失敗は成功のもと」となる。[3]

RQとの関係[編集]

RQは「Resilience Quotient」の略語であり、日本語訳では「心の弾力性(回復力)」となる。

「逆境指数」「心の弾力性」とは、すなわち「メンタルの強さ」のこと。

  • 逆境に遭遇しても、ストレスを溜めること無く どれだけ平常心を保って対応できるか
  • 落ち込んでしまった場合に、どれだけ早く立ち直れるか

の度合いを表す指標である。[3]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

[要文献特定詳細情報] タビサシバンダ

  • Stoltz、P。(1997)。逆境指数:障害をチャンスに変える。ニューヨーク:ワイリー、ISBN 978-0471344131
  • 逆境指数@仕事:毎日の挑戦をあなたの成功への鍵にする-ポールG.ストルツ博士によるAQの原則を行動に移す(明日、2000年)、ISBN 978-0688177591
  • 職場での逆境指数:物事を成し遂げるための隠れた能力を見つけることby Paul G. Stoltz、Ph.D。 (コリンズ、2001)、ASIN:B000W25NPI

脚注[編集]

  1. ^ AQ(逆境指数)とは?IQ(知能指数)EQ(感情指数)より注目される指数 | キャリアコンサルタントドットネット”. career-cc.net. 2020年12月17日閲覧。
  2. ^ mitsucari. “逆境指数(AQ)とは?IQやEQと並ぶリーダーに必要不可欠な能力”. 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ. 2020年12月17日閲覧。
  3. ^ a b レジリエンスを高めるコツ - AQ(逆境指数)とRQ(心の弾力性)について”. ホットニュース (HOTNEWS). 2020年12月20日閲覧。

外部リンク[編集]