追越車線

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追越車線(おいこししゃせん)とは、車線が複数ある道路での車線の区分の一種。

追越車線の設置[編集]

日本の追越車線[編集]

新名神高速道路の本線車道
(中央分離帯に近い内側2車線が追越車線)
高速道路上に設置されている追い越し車線及び走行車線の表示板
模式図

日本では車道で片側に複数車線がある場合の最も右側の車線のことである[1][2]。走行車線を走っている前車を追い越す場合などに限り通行できる車線である。

日本の道路においては、車両は左側通行のため、片側に車線が複数設けられている場合、最も左側の車線(第一通行帯)を通行しなければならない。ただし、片側3車線以上の場合には、低速で通行する場合を除き[3]、自動車は、その速度に応じ、(左側の車両より速い速度で)最も右側の車両通行帯(追越車線)以外の左寄りの車両通行帯を通行することができる(道路交通法第20条)。

最も右側の車線は追越しをする場合、右折する場合、道路が分岐・合流する場合、特に標識による指示がある場合等にのみ通行ができる車線である(道路交通法第20条)。追越しが終わった車両は速やかに左側の車線に移動しなければならない。

追越しが終わった後も追越車線を通行した場合、通行帯違反の取締りを受ける場合があるが、これは高速道路に限らず、一般道路においてもあてはまる。なお、その道路が車両通行帯として指定されていなければ(道路管理者などが勝手に車線を分割した場合)その取締りは無効となる。

当然ながら追い越し車線であっても制限速度を超えてはならず、また、急ブレーキをしなければならない場合などを除き、右折または標識や標示により指定された車両通行帯を通行するため、および道路外に出るために道路の左端や中央に寄るために進路変更の合図を出している車の進路変更を妨げてはならない(道路交通法第25条2・第34条6・第35条2)。

分岐が多い一般道都市高速、一部の自動車専用道路では走行・追越の車線区別をなくし、最も右の車線でも追越車線とは言わずに単純に右側車線と呼ばれることがある。右側車線から分岐・合流する場合があるためである。むろん一般な呼び方には法的効力はなく、呼び方はどうであれ追越しおよび右折・分岐等を除き、最も右側の車線を通行してはならない。右側車線と分岐・合流車線との相対速度が大きい場合、右側車線からの合流や分岐が難しくなることがある。

アメリカの追越車線[編集]

アメリカ合衆国では追越車線はパッシングレーン(passing lane)という[4]。アメリカでは右側通行であり、片側2車線以上の道路では左側の車線が追い越し車線となっている[5]

関連する車線構成[編集]

上り勾配における車両ごとの減速に対応するために車線を分離するものとして登坂車線がある。また、地方部など都市間距離が大きい区間では多様な希望速度を持つ車両が混在するため、後続車両に任意に車線を譲ることができるよう設けられる車線が避譲車線(ゆずり車線)である[6]

脚注[編集]

  1. ^ 追越車線とは - 交通用語辞典
  2. ^ 追越車線 ‐ 通信用語の基礎知識
  3. ^ 道路交通法施行令第9条
  4. ^ 『英語 (ひとり歩きの会話集) 改訂4版』ジェイティビィパブリッシング、2009年、147頁。
  5. ^ ブルーガイド編集部 『ブルーガイド わがまま歩き アメリカ西海岸』実業之日本社、2017年、p.322
  6. ^ 避譲車線の設置効果に関する分析 パシフィックコンサルタンツ、2018年5月3日閲覧。

関連項目[編集]