辺野古ダンプ事故
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| 辺野古ダンプ事故 | |
|---|---|
| 日付 |
2024年(令和6年)6月28日 午前10時13分頃[1] |
| 死亡者 | 1人(男性警備員、当時47歳)[2] |
| 負傷者 | 1人(市民団体の女性、当時72歳)[2] |
辺野古ダンプ事故(へのこダンプじこ)は、2024年(令和6年)6月28日に、沖縄県名護市安和の国道449号の安和桟橋[注釈 1]出口付近で、在日米軍普天間飛行場の辺野古新基地移設工事のための土砂搬入を行うダンプカーに対し、牛歩による抗議活動を行う市民団体の女性が車道に飛び出し、制止しようとした男性警備員とともにダンプカーに巻き込まれ、男性警備員が死亡、市民団体の女性が足の骨を折る重傷を負った交通事故である[2]。
事故の経緯
[編集]2024年6月28日10時13分頃、名護市安和の国道449号線・安和桟橋出口付近で、市民団体が在日米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に対する抗議活動中、市民団体の72歳女性が車道に飛び出し、それを制止しようとした男性警備員とともに土砂を搬入するダンプカーに巻き込まれ、警備員が死亡、女性が足の骨を折る重傷を負う事故が発生した[2][1]。死亡した男性警備員については事故時に頭部破裂で意識なしと通報された[6]。
市民団体と支援するオール沖縄側は「牛歩」での抗議活動中のダンプカーの搬出に際しルールを破ったと主張し防衛省側を批判、同年8月に防衛省沖縄防衛局長に対しオール沖縄の幹部が「あなたは沖縄県民を1人殺してしまった責任者だ」と罵倒するなど、物議を醸した[7]。一方で防衛省沖縄防衛局側もガードレール設置などの安全対策や「妨害者」への注意・警告の実施を求める玉城知事宛の要請文書を提出する[8]など、県政内でも政治問題に波及しつつあった。
同年10月の県議会ではこの問題を巡って、当時の事故状況のカメラ映像を同月11日の土木環境委員会で閲覧することとなったが、12人の委員のうち、県政与党側の委員5名が閲覧を拒否して退席する事態となり、保守系県議などから一部委員の対応を批判する意見がある一方、県政与党側も「(怪我を負った)女性の代理人からあった閲覧中止を求める申し立てについて十分協議していない」にもかかわらず、多数決により強行したことを理由に土木環境委員長の不信任動議を提出するなど、与野党間の対立が激化している[9][10]。
事故後の経過
[編集]2024年8月22日 - 沖縄防衛局が、土砂運搬作業を再開[11][12]。
同年10月10日 - 産経新聞が、事故当時のカメラ映像を入手し、画像として報道[9]。
同年10月11日 - 沖縄県議会の土木環境委員会で、事故当時のカメラ映像の閲覧が行われたが、12人の委員のうち、玉城デニー知事を支持する県政与党会派の委員が閲覧を拒否し退席したため、7人の委員のみが閲覧[13]。同日、産経新聞が、事故当時のカメラ映像をYoutubeで公開[9][13][14]。
2025年10月8日 - 市民団体の女性が、ダンプカー運転手とダンプカー所有会社と警備会社に対し、約1500万円の損害賠償を求める民事訴訟を那覇地裁に提起[15][16]。
2026年6月5日、沖縄県警が、市民団体の女性を重過失致死の疑いで「厳重処分」の意見を付け書類送検。ダンプカーの男性運転手を過失運転致死傷の疑いで、ダンプカーに発車合図を送った交通誘導担当の男性警備員を業務上過失致死傷の疑いで、「相当処分」の意見を付け書類送検[1][17]。
死亡警備員の遺族による意見と沖縄県議会質疑
[編集]県議会において、自民党の島袋大県議は遺族の手記を公開した。報道やSNSで警備に非があるような中傷に傷つき、家族の死がなかったようにされている理不尽さを訴えている。また抗議女性が英雄視されている記事に最も憤りを感じたとしていた[18]。
2024年10月4日開催の沖縄県議会第3回定例会において、島袋大県議は死亡した警備員の娘が高校生であり、遺族は心労の中にいることが述べた。一方、事故現場の映像を土建部長は見たが、玉城デニー知事、副知事は見てくださいと言われても見もしないことを指摘した。また、事故後に事業者が事故地でガードレール設置を希望したが県は「歩行者の自由な通行を妨げるおそれがあるというところから設置については好ましくない」と答弁している。島袋議員は、本部港でも港内至るところで妨害が行われ、安和桟橋以上に危険な状態であるため立入禁止措置の柵を講じるべきであり、市民団体能抗議で外した前例を述べ、命に関わる問題で無対策は管理者としての責任放棄であり、また事故が発生したら、県の管理責任は確実に問われると県側と質疑した[19]。
2026年6月5日、遺族は抗議女性らの書類送検について、事故から2年の現在も今も深い悲しみの中にいること、まじめで優しかった夫が、どうして命を落とさなければならなかったのかと、事件全貌が明らかになることを心から願うことをコメントした[20]。一方、玉置知事は本件の取材で捜査を注視する言及をしながらも、事故ビデオ映像の閲覧は明言をしなかった[21]。
市民団体の女性による運転手、警備会社等への民事訴訟
[編集]2025年10月8日、ダンプ事故で後遺障害を負った市民団体の女性が、ダンプカーの運転手とダンプカーの所有会社と警備会社に対し、約1500万円の損害賠償を求める民事訴訟を那覇地裁に提起した[15][16]。2026年5月16日、浦添市で開かれた集会に出席した抗議者の姉は、本人がつえをついて歩けるようになっており、抗議女性の日記が「フェニックス(不死鳥)日記」と呼ばれ、言葉通り妹がよみがえり、抗議活動の再開に意欲を燃やしていることを語った。本人は飛び出しも制止もされていないことを主張している[22]。
同地区での事故
[編集]2017年6月2日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事車両用ゲート前で座り込み抗議の東京都在住64才女性が、抗議中のもみ合いの中で転倒し、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、脳挫傷のけがを負った[23]。
2025年3月17日 - ダンプ事故発生現場付近で、抗議者の男性が、安全ネットをまたいで乗り越えようとした際に、ネットが足に絡まり、ネットを持っていた警備員が地面に転倒し、約1週間の怪我を負う事故が発生[24]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 安和桟橋は、琉球セメント株式会社が設置した桟橋[3]。
出典
[編集]- 1 2 3 産経新聞 (2026年6月5日). “警備員死亡の辺野古ダンプ事故 沖縄県警、74歳の無職女を書類送検 重過失致死容疑”. 産経新聞:産経ニュース. 産業経済新聞社. 2026年6月5日閲覧。
- 1 2 3 4 死亡の警備員、車道に出た抗議女性を止めようとしたか 辺野古ダンプ事故 - 産経ニュース 2024年6月28日
- ↑ “第197回国会(臨時会) 質問主意書 質問第五一号「辺野古新基地建設工事のために安和桟橋から搬出された埋立土砂に関する質問」”. 参議院. 参議院 (2018年12月10日). 2026年4月28日閲覧。
- ↑ 琉球新報朝刊 (2026年4月24日). “安和ダンプ事故 映像提出を依頼へ 那覇地裁 沖縄”. 琉球新報デジタル. 2026年4月28日閲覧。
- ↑ “安和桟橋事故は安全管理に不備 オール沖縄会議”. 沖縄タイムス+プラス (2024年7月19日). 2026年4月28日閲覧。
- ↑ “「頭部破裂」と通報 辺野古移設工事を警備の男性がダンプと接触し死亡 女性も足を骨折”. TBS NEWS DIG (2024年6月28日). 2026年5月24日閲覧。
- ↑ 辺野古ダンプ事故「あなたは県民を殺した責任者」 オール沖縄が防衛局に工事中止要請 - 産経ニュース 2024年8月2日
- ↑ 辺野古ダンプ事故 沖縄・玉城知事宛に防衛局が異例の要請「妨害行為で警備員にも危険」 - 産経ニュース 2024年8月15日
- 1 2 3 <独自>辺野古抗議活動制止警備員死亡 事故映像を入手 11日に県議会で映像確認へ - 産経ニュース 2024年10月10日
- ↑ 辺野古抗議事故 動かぬ「証拠」露見懸念か 与党会派、異例の委員長不信任案動議 - 産経ニュース 2024年10月17日
- ↑ 産経新聞 (2024年8月22日). “辺野古ダンプ事故で中止の土砂運搬作業が再開 「対策講じた」と防衛局”. 産経新聞:産経ニュース. 2026年4月29日閲覧。
- ↑ 哲平, 池田 (2024年8月21日). “【速報】辺野古への土砂搬出、あす再開 安和桟橋の事故で54日間停止 沖縄”. 琉球新報デジタル. 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 産経新聞 (2024年10月17日). “【動画】事故現場の「証拠」映像、沖縄県議会で玉城知事支持派が閲覧拒否 辺野古抗議事故”. 産経新聞:産経ニュース. 2026年4月29日閲覧。
- ↑ 産経ニュース (2024-10-11), 辺野古抗議事故 閲覧した県議「危険な行為に感じた」 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 産経新聞 (2025年10月8日). “警備員死亡の辺野古ダンプ事故、抗議女性が損賠提訴 運転手や警備会社などを相手取り”. 産経新聞:産経ニュース. 2026年4月29日閲覧。
- 1 2 “女性が運転手や会社を相手に損害賠償請求/安和桟橋での抗議活動で起きた死亡事故めぐり”. QAB NEWS Headline. 2026年4月29日閲覧。
- ↑ “辺野古工事の警備員死亡、遺族「優しい夫がどうして」…抗議活動の女を「厳重処分」意見付け重過失致死容疑で書類送検”. 読売新聞 (2026年6月6日). 2026年6月6日閲覧。
- ↑ “【視点】事故原因究明 政治絡めるな”. 沖縄八重山日報 (2024年10月15日). 2026年5月24日閲覧。
- ↑ “令和6年 第3回 沖縄県議会(定例会) 第4号 10月4日 島袋大議員質疑”. 沖縄県議会 (2024年10月4日). 2026年6月5日閲覧。
- ↑ “安和のダンプ死傷事故 沖縄県警が抗議女性らを書類送検【警備員遺族のコメント全文】”. 沖縄タイムス (2026年6月5日). 2026年6月5日閲覧。
- ↑ “知事「捜査を注視」 事故映像の閲覧は明言せず”. 沖縄八重山日報 (2026年6月6日). 2026年6月6日閲覧。
- ↑ 産経ニュース (2026-05-19), 辺野古ダンプ事故、抗議者の姉「被害者なのに加害者扱い」 産経新聞記者を名指し非難 2026年5月24日閲覧。
- ↑ “辺野古で抗議の64歳女性、頭を骨折”. 沖縄タイムス (2017年6月3日). 2026年6月7日閲覧。
- ↑ 大竹, 直樹 (2025年6月27日). “【動画】辺野古ダンプ事故から1年、「現場付近で再び警備員負傷」産経報道を沖縄県警本部長認める”. 産経新聞:産経ニュース. 2026年4月29日閲覧。
関連項目
[編集]- 辺野古沖抗議船転覆事故 - 2026年3月に、辺野古沖で発生した海難事故。