軽井沢誘拐案内

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軽井沢誘拐案内
ジャンル コマンド選択式アドベンチャー
対応機種 PC-8801 (PC88)
開発元 エニックス
発売元 エニックス
ディレクター 堀井雄二
デザイナー 堀井雄二
シナリオ 堀井雄二
プログラマー 堀井雄二
人数 1人
メディア フロッピーディスク (FD)
カセットテープ (CT)
発売日 日本 1985041985年4月
その他 型式:
E-G125 (FD)
E-G126 (CT)
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軽井沢誘拐案内』(かるいざわゆうかいあんない)は、1985年エニックス(現スクウェア・エニックス)より発売された、堀井雄二がデザインしたアドベンチャーゲーム。『ポートピア連続殺人事件』と同様にオリジナル版のプログラム・シナリオ・グラフィック等の全ての作業を堀井が1人でこなしている。

概要[編集]

ポートピア連続殺人事件』(1983年)、『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』(1984年)に続く、堀井雄二がシナリオを担当したアドベンチャーゲーム第3弾。本作も当時のパソコン主要各機種に移植されたが、ストーリー展開上、アダルト風味が加えられたシーンや大麻がらみの要素があったためか、シリーズでは唯一、ファミコンに移植されなかった。

刑事を主人公としていた前2作品と異なり、一般的な大学生とその恋人を主人公に据え、カジュアルな印象で作られている。物語の舞台は避暑地軽井沢に設定され、軽井沢駅レマン湖、地蔵ヶ原、浅間山など実在のスポットが登場する。また、『ポートピア連続殺人事件』の登場人物、沢木文江が本作にもゲスト出演している。

『ポートピア連続殺人事件』、『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』、そして本作の3作品は「堀井ミステリー三部作」と呼ばれているが、その後も続編として香港を舞台にした『九龍の牙』、ソビエト連邦を舞台とした『白夜に消えた目撃者』の2作も企画されていた[1]。この2作品は雑誌『ログイン』との共同企画で、同誌にも取材レポートが掲載されていたが、いずれも未発売に終わっている[2]

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

前作『オホーツクに消ゆ』と同様、コマンド選択方式を採用。ただし、人名・地名などを推理して直接キーボードから入力しなければならない場面や、会話中に特定のタイミングで特定のコマンドを使用しなければならない場面などがあり、単純なコマンド総当たりではクリアできない。コマンドには「キスする」「抱き寄せる」など、アダルト風味の物もある。

ストーリーは全6章で構成されており、リアルタイムセーブのほか、進行状況に応じて各章の最初からも再開できるようにもなっている。MSX版のみROMカートリッジにセーブが出来ないため、各章の最初からパスワードで再開するようになっている。

主人公の移動は2Dスクロールマップ画面で行うが、前作『オホーツクに消ゆ』同様に地名選択での移動も可能になっている。

さらに終盤の第6章では、2Dスクロールマップ画面でのRPG的な要素(当時はウルティマ型と呼ばれた)も盛り込まれている。敵との戦闘シーンでは、主人公の「こうげき」に加えて2人のヒロインによる「なげキッス」(敵攻撃力減少)と「パンチラ」(敵防御力減少、携帯電話版は「ぱふぱふ」)によるサポートが重要である。特にラスボスとの対決では上位装備である「スケスケのパンティー」を装備したヒロインによるパンチラが勝利の鍵となる。
これはあくまでオマケ的な要素であり、RPGというには極めて単純な内容であるが、作者の堀井雄二は本作発売の翌年に『ドラゴンクエスト』を発表しており、本作はその原型といえるかもしれない。

PC各機種版には被害者であるなぎさの写真が添付されているが、単なるオマケではなく、ゲーム攻略の上で重要な手がかりとなっている。携帯アプリ版については、公式サイトで見ることができる。

ストーリー[編集]

春。あじさいの咲く頃。夏は多くの人々でにぎわう、ここ軽井沢も、今はどこか淋しげ。
「まあ、あなた遅かったじゃない。ちょうど妹のなぎさは買い物に行ってるのよ。」恋人・久美子の別荘。彼女はやさしくキミを迎える。楽しいひと時。しかし、1時間が過ぎ、2時間が過ぎても、妹のなぎさは帰ってこなかった。
「まさか誘拐じゃ……。」と、その時、電話のベルが鳴った……。(パッケージ裏面・ストーリー紹介より)

登場人物[編集]

さかき しろう
主人公、大学生で久美子の恋人。東京に住んでいるが、恋人の久美子に呼ばれて軽井沢へやってきた。PC版は名前を任意に変更可能。鷹揚な性格。
高木 久美子
軽井沢に別荘を持つほどのお嬢様。20歳。前年の秋、両親を交通事故で亡くしているが、高木産業の経営者だった父親まさおの遺産で生活には困っていない。少々気弱だが心優しい性格。
高木 なぎさ
久美子の妹で、大学浪人中の18歳。放浪癖があったらしい。物語冒頭で行方不明となる。
水木 麻美
なぎさの友人。軽井沢駅近くに住んでいる。女子高生らしからぬセクシーな恰好で主人公を挑発する。
ひろた ようこ
なぎさの友人。なぎさと一緒にフィラ・テニスクラブに入っていた。
なお軽井沢に同名のテニスクラブは実在しない。スポーツ用品メーカーのフィラから命名したと思われる。
神父
ペウロ教会の神父。モデルとなったのは「軽井沢聖パウロカトリック教会」と思われる。
西村
北軽井沢牧場の乗馬クラブのジョッキー。なぎさに乗馬を教えていた。
関谷
軽井沢ヴィラホテルの支配人。「なーに、かまわんですよ」が口癖。
モデルとなったホテルは「ヴィラ北軽井沢エルウィング」と思われるが、ゲーム中のマップ上の場所と実際の所在地は多少異なっている。
マスター
久美子の別荘近くにあるドライブインを経営。
花山
久美子の父親の元部下で、現在は久美子の父親に代わり、高木産業の社長を務めている。北軽井沢に別荘を持っている。
篠田 まさひろ
なぎさの彼氏。まだキスもさせてもらっていないらしい。
おだ
地蔵ヶ原のペンション・デュランのオーナー。
沢木 文江
ペンション・デュランに勤務。マノ・ヤスヒコ(間野康彦)という兄がいる。
石田 銀次
チンピラヤクザ。地蔵ヶ原のパーティーに姿を見せていたらしい。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 軽井沢誘拐案内 日本 1985081985年8月
FM-7 エニックス エニックス カセットテープ
フロッピーディスク
E-G135 (CT)
E-G136 (FD)
-
2 軽井沢誘拐案内 日本 1985091985年9月
X1 エニックス エニックス カセットテープ
フロッピーディスク
E-G148 (CT)
E-G149 (FD)
-
3 軽井沢誘拐案内 日本 1986081986年8月
PC-6001 エニックス エニックス カセットテープ E-G178 -
4 軽井沢誘拐案内 日本 1986121986年12月
MSX エニックス エニックス ロムカセット E-G187 -
5 軽井沢誘拐案内 日本 2002年1月8日[3][4]
iアプリ エニックス エニックス ダウンロード
(未解決事件ファイル)
- - 2007年8月31日配信終了
6 軽井沢誘拐案内 日本 2003年4月3日[5]
ezplus スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス ダウンロード
(堀井雄二劇場)
- - 2007年8月31日配信終了
7 軽井沢誘拐案内 日本 2003年5月6日[6]
J-スカイ
Javaアプリ
スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス ダウンロード
(堀井雄二劇場)
- - 2007年9月3日配信終了
8 軽井沢誘拐案内 日本 2005年12月12日[7]
iアプリ スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス ダウンロード - -
9 軽井沢誘拐案内 日本 2006年3月1日[8]
3G対応端末
Vアプリ
スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス ダウンロード - -
10 軽井沢誘拐案内 日本 2006年6月22日[9]
BREW対応端末
EZアプリ
スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス ダウンロード - -

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 当初は『白夜~』を先に発売し、本作が第4弾となる予定だった。
  2. ^ 『ポートピア連続殺人事件』『オホーツクに消ゆ』―堀井雄二さんのミステリー第4弾はどこへ消えた?マイナビウーマン 2014年6月20日
  3. ^ 「軽井沢誘拐案内」がついにiアプリで登場!” (日本語). SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2002年1月9日). 2019年2月24日閲覧。
  4. ^ 北村孝和 (2002年1月9日). “エニックス、iアプリ「軽井沢誘拐案内」の配信サービスを開始” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年2月24日閲覧。
  5. ^ 関口聖 (2003年4月3日). “「ポートピア」がezplusでプレイできる「堀井雄二劇場」” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年2月24日閲覧。
  6. ^ あの「ポートピア連続殺人事件」がJ-スカイに登場” (日本語). ITmedia Moblie. アイティメディア (2003年5月6日). 2019年2月24日閲覧。
  7. ^ 堀井雄二氏の『軽井沢誘拐案内』がiアプリに!” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2005年12月12日). 2019年2月24日閲覧。
  8. ^ ボーダフォン向けに「軽井沢誘拐案内」” (日本語). ITmedia Moblie. アイティメディア (2006年3月2日). 2019年2月24日閲覧。
  9. ^ 津田啓夢 (2006年6月22日). “堀井雄二原作のBREW対応アドベンチャー「軽井沢誘拐案内」” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年2月24日閲覧。

参考文献[編集]

多根清史、阿部弘樹、箭本進一『超クソゲーVR』太田出版、2016年9月16日、202 - 204頁。ISBN 978-4778315412

外部リンク[編集]