足立美術館

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Japanese Map symbol (Museum) w.svg 足立美術館
Adachi Museum of Art10st3200.jpg
足立美術館入口
足立美術館の位置(島根県内)
足立美術館
島根県内の位置
施設情報
正式名称 足立美術館
専門分野 日本画横山大観
収蔵作品数 約1,500点
来館者数 約64万人(2017年)[1]
館長 足立隆則
管理運営 公益財団法人足立美術館
建物設計 僊石友秋
開館 1970年昭和45年)
所在地 692-0064
島根県安来市 古川町320
位置 北緯35度22分48.1秒 東経133度11分38.9秒 / 北緯35.380028度 東経133.194139度 / 35.380028; 133.194139 (足立美術館)座標: 北緯35度22分48.1秒 東経133度11分38.9秒 / 北緯35.380028度 東経133.194139度 / 35.380028; 133.194139 (足立美術館)
アクセス JR山陰本線安来駅から無料シャトルバス
外部リンク adachi-museum.or.jp
プロジェクト:GLAM
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茶室寿立庵と前庭
枯山水庭
白砂青松庭
池庭

足立美術館(あだちびじゅつかん)は、島根県安来市にある、近代日本画を中心とした島根県の登録博物館。運営は、公益財団法人足立美術館。130点におよぶ横山大観の作品と日本庭園で有名。

概要[編集]

地元出身の実業家・足立全康(あだちぜんこう、1899年 - 1990年)が1970年昭和45年)、71歳のときに開館したものである。質量ともに日本一として知られる大観の作品は総数130点にのぼり、足立コレクションの柱となっている。大観のほかにも、竹内栖鳳橋本関雪川合玉堂上村松園ら近代日本画壇の巨匠たちの作品のほか、北大路魯山人河井寛次郎の陶芸、林義雄鈴木寿雄らの童画、平櫛田中の木彫なども収蔵している。

足立全康は裸一貫から事業を起こし、一代で大コレクションをつくりあげたが、その絵画収集にかける情熱は並外れたもので、数々の逸話が残されている。なかでも大観の名作『紅葉』と『雨霽る』(あめはる)を含む北澤國男東洋バルヴ創業者)の「北沢コレクション」を1979年昭和54年)に入手した際の武勇談は有名である。

足立美術館のもう一つの特色は、その広大な日本庭園(設計:中根金作〈苔庭は小島佐一も参画〉)である。庭園は「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など6つに分かれ、面積は5万に及ぶ。全康自らが、全国を歩いて庭石や松の木などを捜してきたという。専属の庭師や美術館スタッフが、毎日手入れや清掃を行っていて「庭園もまた一幅の絵画である」という全康の言葉通り、絵画のように美しい庭園は国内はもとより海外でも評価が高い。日本庭園における造園技法のひとつである借景の手法が採られ、彼方の山や木々までも取り込んで織り成す造形美は秀逸である。美術館は、この借景を維持するために山林の一部を購入している[2]

米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が行っている日本庭園ランキング(Shiosai Ranking)では、初回の2003年から「19年連続日本一」に選出されている[3][4][5]。2012年のランキングでは日本国内約900箇所の名所・旧跡を対象にしたもので、「庭そのものの質の高さ」「建物との調和」「利用者への対応」などが総合的に判断されたもので、とくに細部まで行き届いた維持管理が評価されている[6]

フランスの旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』や『Guide Bleu Japon』にて、それぞれ三つ星(最高評価)を獲得している。

年間の来館者数は、2013年に記録した65万8325人が過去最多。2016年から2年連続で60万人を超えている。また、外国人入館者も増加しており、2017年には3万1658人に達した[1]

主な収蔵品[編集]

日本庭園の眺め

関連出版[編集]

  • 足立全康『庭園日本一 足立美術館をつくった男』日本経済新聞出版社、2007年
  • 『足立美術館 四季の庭園美と近代日本画コレクション』河出書房新社、2014年。各・監修
  • 『横山大観の全貌 足立美術館コレクション選』平凡社 コロナ・ブックス、2020年

足立美術館賞[編集]

院展の作品から、優秀かつ足立美術館にふさわしい作品を1点選考するもので、選ばれた作品は、足立美術館が買い上げる[7]

1995年院展において創設。2005年からは、春の院展にも同賞が設けられている。

交通アクセス[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]