超新星元素合成

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元素を構成する粒子の結合の強さ。鉄付近で一番高くなる。

超新星元素合成(ちょうしんせいげんそごうせい)とは、超新星爆発によって元素が新たに合成されることで、1954年にフレッド・ホイルによって提唱された。

概要[編集]

元素合成は、酸素燃焼過程ケイ素燃焼過程において起こる[1]。これらの核融合反応は、ケイ素硫黄塩素アルゴンナトリウムカリウムカルシウムスカンジウムチタン、そして、バナジウムクロムマンガンコバルトニッケルといった鉄収束の元素を生成する。これらの元素は水素ヘリウムのみからなる巨大な恒星によって合成されることから primary elements とも呼ばれる。これらの元素が超新星爆発によって放出された結果、星間物質における重元素の存在率は多くなっていく。ニッケルより重い元素は主としてr過程として知られる中性子捕獲の過程を経て生成される。また、いくつかの元素合成はrp過程として知られる陽子捕獲p過程(ガンマ過程)として知られる光崩壊過程によって生成されると考えられている。p過程は重元素のうち最も軽く、中性子の少ない重元素の同位体を合成する。

超新星[編集]

超新星は星の生涯を終える際に行う爆発であり、主に二通りの展開がある。

1つは白色矮星が連星系を成す隣の恒星の物質を吸い上げた結果、質量がチャンドラセカール限界に達し、炭素の核融合に暴走を起こし爆発を経る過程である。

もう1つは、質量の大きな恒星が重力崩壊を起こす過程である。太陽質量の約8倍より大きな質量を持つ恒星は、進化の過程で赤色超巨星となり、核融合によって56Niを合成する段階に至る。この同位体はベータ崩壊を経て56Feに変化し、これは最も強い結合力を持つ元素同位体の1つであり、熱を発する核融合によって作り出すことのできる最後の生成物である。これ以降のすべての核融合反応は吸熱反応であり、このため恒星は急速に自身が持つ重力に対する支持力を失う。結果、恒星の重力はすべての物質を内部へと強く引き寄せ、物質は中心に向かい落ちていく。恒星は急速に崩れ、その衝撃波によって爆発する。

元素合成[編集]

恒星内元素合成による核融合の過程では、質量数56の元素、おおよそ鉄までしか合成できない。珪素から鉄への核融合は太陽の8倍以上の巨大恒星でしか起こりえず、このような巨星の場合、最終的には超新星爆発を遂げる。超新星爆発は大量のエネルギーを開放し、恒星の発生する温度よりも高い温度を発生させる。このような極高温では吸熱反応であるはずの鉄以上の原子量の元素の合成が可能であり、原子量245までの元素、おおよそカリホルニウムまでの元素を合成できる環境が考えられる。

恒星内元素合成の間に起こるs過程は最大で原子量209のビスマスまでの元素を合成することが可能である。s過程は主に低質量の反応段階の進展の遅い恒星に起こる。

r過程[編集]

超新星爆発は非常な高温、中性子密度の高さを提供し、このような場所ではr過程が行われるようになる。r過程は元素にさらに中性子を捕獲させることで中性子の過剰な重元素を作り出す。このような元素は多くが不安定であり、生成後すぐに安定同位体になるために崩壊する。この結果、富中性子のすべての安定重元素が作り出される。いくつかの重い原子核は大規模な中性子の流れにさらされ、高速にベータ崩壊をおこし同じ原子量でより原子番号が大きくなる、高度に不安定で中性子に富んだ核を形成する。中性子のフラックスは驚くほど高く、1022/cm2・sの中性子が流れる。

最初の時間とともに計算結果が発展することを示した力学的なr過程の研究は[2]、r過程元素の存在量が違った中性子束による結果の重ね合わせであることを示唆している。小さな中性子束流は最初の原子量A=130に近いあたりに存在量のピークを作り、アクチノイドに到達しない。一方、大きな放射束の流れはアクチノイドやウラントリウムなどを生成するが存在量のピークA=130をすでに含まない。これらの過程は細部によって違うが1秒から数秒間の間に起こる。

この研究に続いた多くの論文はこの時間依存の方針を利用した。面白いことに、現代唯一の地球近傍でおきた超新星爆発であるSN 1987Aの観測からr過程の詳細が明らかにされることはなかった。近年の考察では、r過程によって合成された元素は、一部が超新星から放出されるものの残りは爆発後に残される中性子星またはブラックホールにのみこまれてしまうと考えられている。[要出典]

脚注[編集]

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  1. ^ Woosley, S.E.; W. D. Arnett and D. D. Clayton (1973). “Explosive burning of oxygen and silicon”. THE ASTROPHYSICAL JOURNAL SUPPLEMENT 26: 231–312. doi:10.1086/190282. 
  2. ^ P. A. Seeger; W.A. Fowler, D. D. Clayton (1965). “Nucleosynthesis of heavy elements by neutron capture”. THE ASTROPHYSICAL JOURNAL SUPPLEMENT 11: 121–166. doi:10.1086/190111. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]