赤字国債

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

赤字国債(あかじこくさい)とは、国の財政赤字を補填するために発行される国債特例国債ともいう。

概要[編集]

財政法第4条は「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と規定しており、国債発行を原則として禁止している。財政法第4条の但し書きは「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と規定しており、例外的に建設国債の発行を認めている。

しかし、1965年度の補正予算で赤字国債の発行を認める1年限りの特例公債法が制定され、赤字国債が戦後初めて発行された。その後は10年間は赤字国債の発行はなかったが、1975年度に再び発行されて以降は1989年度まで特例法の制定を続け赤字国債が発行された。

1990年度にはその年の臨時特別公債を除く赤字国債の発行額がゼロになり、1993年度まで発行額ゼロが続くものの、1994年度から再び発行されその後に至っている。

日本の国債発行額は小泉政権下の2004年度をピークに以降、減額傾向にあり、2007年度の新規国債発行額は25兆円まで減少したが、(2008年度は世界金融危機に対応するため、例外的に33兆円の増刷が行われた)[1]

民主党に政権交代鳩山由紀夫内閣は子ども手当などの政策を実行するため、過去最大となる92兆2992億円(一般歳出も過去最大の53兆4542億円)の一般会計総額の予算案を決定し、不足する財源を補うため過去最悪の赤字国債44兆3,030億円分が発行されることになった[2][3]

自民党に政権交代後に2015年には新規の国債発行額が6年ぶりに40兆円を下回るようになっている。しかし、赤字国債を無くす財政の健全化のためには、成長による税収増・消費税増税・歳出の削減の3つを「バランスよく進めることが不可欠」として日本国民は将来の世代のために消費税増税かから逃げるべきではないと専門家には提言されている。前政権の民主党も、歳出からムダの削減などにより16.8兆円を捻出するとマニフェストで宣伝したが、事業仕分けでさえ、捻出できたのは数千億円だったことから借金の返済費ある39%を占める国債費の次に多い33%を占める社会保障以外の削減では仮に「その他」の30.9兆円の全削減しても、好景気時に野党の『無駄の削減』で当時からの社会保障維持のための消費税導入にすら1973年にオイルショック高度経済成長が終わり翌年に初の赤字財政になった時に大蔵大臣だった大平正芳が選挙で首相として国民に財政不足を示してから約20年も野党の大衆迎合主義にのって共に導入反対して毎年40兆円近い負債を先延ばしにして来たことで1000兆円を越えてきた。その先延ばしの負債から今や兆円単位で歳出を削減するためには消費税増税しても北欧より3分の1程度で他の国民負担も低いことから今のような高齢者に偏った100兆円を越える社会保障費支出の削減は避けられないとしている[4][5][6][7][8][9][10]

建設国債との違い[編集]

大和総研は「不況時に財政を均衡させるために増税することは現実的ではないため、赤字国債も一定の役割は容認するべきである。ただし、見合い資産がないという点において、赤字国債は建設国債より問題が大きい」と指摘している[11]

中央銀行による財政ファイナンス[編集]

唯一の発券銀行である中央銀行は新規に紙幣を発行して政府の赤字財政を補填できる。例えば米国の中央銀行であるFRBは、2012年7月の時点で1兆6600億ドルもの米国債を購入しており、米国債の最大の買い手となっている[12]。 

日本に関しても、ジョセフ・スティグリッツポール・クルーグマン[13](いずれもノーベル経済学賞受賞者)などは、政府機関が紙幣を増刷して財政支出を拡大させることによって経済を復活させるべき[14] と論じている[15]。新しく刷られたお金を人々が持てば、可処分所得上昇によって財やサービスの消費にお金をまわそうとするために需要が喚起されるだろうし、実質金利の低下は銀行など金融機関が貸し出しを増やすことができ景気底上げの効果が期待される。紙幣増刷によるインフレーションの期待の上昇は雇用の改善という形で経済に恩恵を与える(フィリップス曲線)。このような通貨発行益(シニョリッジ)論議は政府機関が発行する紙幣、すなわち政府紙幣についての話だが、政府が無利子国債を発行してそれを日本銀行に買い取ってもらったとしても同様の効果となる。1990年代バブル崩壊後に長らく続く不況に苦しむ日本経済の切り札として、リフレーションの観点からも議論が進められている。

脚注[編集]

  1. ^ “1 国債発行市場” (PDF). 債務管理リポート2009 (財務省). (2009年). http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2009/saimu03-.pdf 2010年6月2日閲覧。 
  2. ^ [1] 10年度予算案、一般会計総額は過去最大92.3兆円 ロイター通信]
  3. ^ “2010年度予算が成立、過去最大92兆円―国債発行額も過去最悪に”. IBTimes. (2009年10月3日). http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100325/52734.html 2010年6月2日閲覧。 
  4. ^ [2].
  5. ^ [3].
  6. ^ [4]
  7. ^ [5].
  8. ^ [6]
  9. ^ [7]
  10. ^ [8]
  11. ^ 大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、143頁。
  12. ^ China raises treasury holdings first time in three months Bloomberg 2012年7月18日
  13. ^ Paul Krugman"What's wrong with Japan?" The Official Paul Krugman Web Page
  14. ^ Lessons from Japan's economic malaise Joseph Stiglitz, Project Syndicate 2003年3月12日
  15. ^ 関税・外国為替等審議会 外国為替等分科会最近の国際金融の動向に関する専門部会(第4回)議事録

関連項目[編集]