豊稔池ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊稔池ダム
豊稔池ダム
所在地 香川県観音寺市大野原町田野々
位置
豊稔池ダムの位置(日本内)
豊稔池ダム
北緯34度2分30.35秒 東経133度41分3.34秒 / 北緯34.0417639度 東経133.6842611度 / 34.0417639; 133.6842611
河川 柞田川水系田野口川
ダム湖 豊稔池ため池百選
ダム諸元
ダム型式 マルチプルアーチダム
堤高 30.4 m
堤頂長 128.0 m
堤体積 39,500
流域面積 8 km²
湛水面積 15 ha
総貯水容量 1,643,000 m³
有効貯水容量 1,593,000 m³
利用目的 洪水調節灌漑
事業主体 香川県
施工業者 清水建設フジタ
(ダム補強工事)
着手年/竣工年 1988年/1994年
備考 表内は補強工事後データ
#データ(大正期)も参照。)
構造:粗石モルタル積石堰堤
洪水吐き:堤頂堰×4
サイフォン式×5
テンプレートを表示
豊稔池ダム
豊稔池ダムと豊稔橋

豊稔池ダム(ほうねんいけダム)は、香川県観音寺市にある、現存する日本最古の石積式マルチプルアーチダム

概要[編集]

讃岐山脈から流れ出る柞田川を上流で堰き止め、柞田川の左岸に広がる水田を潤している本ダムは、度重なる大旱魃への対策として1926年大正15年)に着工され、1930年昭和5年)に完成した。このとき、地元住民による組合が部分請負して工事にあたり、延べ15万人による人海戦術により約4年の短期完成を実現するという地元一体となって成し遂げられた公共事業であった。

命名は、香川県出身で大蔵大臣などを歴任した三土忠造による[1][2]

マルチプルアーチダムとしては、宮城県仙台市大倉ダム(二連式)を含め、全国に二つしかなく、当時アメリカ合衆国における最新技術であったマルチプルアーチが適用されるなど、土木史、ダム技術史を語る上においても貴重な建造物である。ダム補修工事により上流部はコンクリート補強されているが、下流部には当時の古い石積みが現存している。

2006年平成18年)、国の重要文化財(建造物)に指定されている(指定名称は「豊稔池堰堤」)。

歴史[編集]

データ(大正期)[編集]

旧土砂吐樋門と旧中樋取水口
  • 堤高 - 32.3m
  • 堤頂長 - 158.4m
  • 堤体積 - 21,000m3
  • 総貯水容量 - 1,590,000m3
  • 有効貯水容量 - 1,590,000m3
  • 流域面積 - 9.9km2
  • 湛水面積 - 16ha
  • 利用目的 - 灌漑
  • 事業主体 - 香川県
  • 施工業者 - 豊稔池土地改良区
  • 着工年 - 1926年
  • 竣工年 - 1930年

豊稔池[編集]

豊稔池

ダムによって形成された人造湖は豊稔池として2010年(平成22年)3月25日に農林水産省により「ため池百選」に選定され[3]、湖畔には「豊稔池遊水公園」が整備されている。

現在も、豊稔池からは約530haの灌漑を行っており、「大野原は月夜に焼ける」と詠われたり、旧大野原町の大野原音頭で「……里をうるおす豊稔池の、石積堤は城のよう、城のよう……」と歌われているように、豊かな大野原平野を潤している水源として親しまれている。

稲作と野菜、「らりるレタス」果樹等による複合農業を中心とした集約型農業を行い生産性・経済性が高い経営を行っている。

田植えの時期に行われる地上30メートルの堤からの放水や、ユル抜き行事(毎年7月中旬から下旬)の際には、そのヨーロッパ古城を思わせる外観と勢いよく流れ出る放水の絶景を目当てに多くの観光客が訪れる。

アクセス[編集]

行事・祭事[編集]

  • 水神宮例祭
  • ユル抜き行事(毎年7月中旬から下旬)

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 観光情報 豊稔池堰堤 - 観音寺市HP
  2. ^ 豊稔池 威風堂々、山間の古城 - 四国新聞社 21世紀へ残したい香川
  3. ^ 豊稔池 - 農林水産省ため池百選

関連項目[編集]

外部リンク[編集]