読者よ欺かるるなかれ

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読者よ欺かるるなかれ
The Reader Is Warned
著者 カーター・ディクスン
発行日 1939年
ジャンル 推理小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 文学作品
前作 エレベーター殺人事件
次作 かくして殺人へ
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読者よ欺かるるなかれ』(どくしゃよあざむかるるなかれ、The Reader Is Warned )は、1939年に発表されたカーター・ディクスン(ディクスン・カー)名義の長編推理小説。ヘンリー・メリヴェール卿もの第9長編である。

あらすじ[編集]

読心術師ぺニイクは、夕食会で館の主人の死を予言する。その時刻、衆人環視の中で、館主は二階の階段で崩れ落ち死亡した。ぺニイクは念力で自分が殺したというが、証拠がないため逮捕もできない。

登場人物[編集]

  • サーンダース博士 - 主人公で準語り手。コンスタブル邸に招かれる。船旅中の婚約者の浮気に悩んでいる。
  • ローレンス - 弁護士。博士の旧友。
  • ヒラリイ・キーン - 検察庁の女性職員。
  • サム・コンスタブル - マイナの夫で60歳。館の主。
  • マイナ・コンスタブル - 女流推理作家。サムの妻。トリックのアイデアを書いた帳面を隠している。
  • ハーマン・ペニイク - 読心師。閉所恐怖症。念力で他人を殺せると主張する。旅行中のマイナが外国から連れ帰った。
  • ヘンリー・メリヴェール卿 - 本作の探偵役。陸軍省情報部長。通称はH・M。
  • ハンフリー・マスターズ - スコットランド・ヤード首席警部。
  • 使用人たち - 車が交通事故を起こし、全員入院中。そのため、ペニイクが料理を作ると言い出す。

提示される謎[編集]

  • ハウダニットとミスディレクション(遠隔殺人に見えるが本物か)
  • 準語り手の博士により、「読者の推理は間違っている」「ここの記述に注意」「犯人は複数ではなく一人だよ」等と四回の警告が挿入される。

特記事項[編集]

  • 恋愛要素の多いディクスン名義作品では珍しい、ラブコメディのパターン破りがある。

書誌情報[編集]

  • 『読者よ欺かるるなかれ』宇野利泰(訳)、早川書房〈ハヤカワ・ミステリ409〉、1958年。
  • 『読者よ欺かるる勿れ』宇野利泰(訳)、 別冊宝石1955年4月10日号、1955年。
  • 『予言殺人事件』同(訳)、現代文芸社 モダンミステリ('56) 1956年。[1]

脚注[編集]

  1. ^ 現代文芸社版は別冊宝石の再録。

関連項目[編集]