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認知閾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

認知閾(にんちいき、英語: Cognitive threshold)とは、人間にとって理解が追い付かなくなり始める社会問題の複雑度のことである。理解できないほど複雑な問題に直面した社会の構成員は不合理思い込みを優先するようになり、問題への対処を誤り続けることによって、事態を悪化させてしまう。この状態が何世代も継続してしまうと、必ず社会が崩壊する。認知閾は、アメリカ社会生物学者レベッカ・コスタ英語版が著書『文明はなぜ崩壊するのか』の中で定義した概念である[1]

概要

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レベッカ・コスタは自身の著書の中で、認知閾に関して、「社会問題が高度に複雑化すると、人間のは社会問題への理解が追いつかなくなる『認知閾(いき)』という状態に達し、以下のような非合理な思い込みや行動に走る傾向にある。」と述べた上で、その例として下記のような行動を挙げた[1]

翻訳者の藤井留美は、訳書『文明はなぜ崩壊するのか』のあとがきにおいて下記の例を追加した[2]

  • 何もしないことを罪悪視する風潮になる

また、レベッカ・コスタは分析するだけにとどまらず、認知閾に達して行き詰まった状態からの解決方法も提示した[1]。問題の発生原因が、問題の当事者およびその当事者の属する集団にとっては把握できないため、このような認知閾状態を克服しうるのは、精緻な論理の積み上げではなく、大胆な「ひらめき」であるとしている。さらに、「ひらめき」により集団の認知閾状態を克服した例として、グラミン銀行ムハマド・ユヌスを挙げている。

出典

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参考文献

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  • レベッカ・コスタ 著、藤井留美 訳『文明はなぜ崩壊するのか』原書房、2012年3月。ISBN 978-4-562-04778-9OCLC 816899267