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試験方法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

試験方法(しけんほうほう、: test method)は、物理的試験英語版化学的試験英語版統計的試験など、科学工学における試験の方法である[1]テスト方法とも呼ばれる。これは試験結果を得るための決定的な手順である。正確で適切な試験結果を確保するために、試験方法は「明確で、曖昧さがなく、実験的に実行可能」であり[2]、「効果的で[3]、再現性があること」が求められる[4]

試験は、与えられた試料、製品、プロセス、またはサービスの1つ以上の特性を決定する観察または実験と見なすことができる。試験の目的には、事前に予想される観察結果を決定し、実際に観察されたものと予想との比較が含まれる[5]。試験の結果は、定性的英語版(はい/いいえ)か、定量的(測定値)か、またはカテゴリ的英語版であり、個人的な観測または精密測定器からの出力から得ることができる。

通常、試験結果は従属変数であり、試験の特定の条件または独立変数の尺度に基づいて測定された応答である。ただし、試験によっては、ある反応が起こる尺度を決定するために独立変数を変化させることがある。この場合の試験結果は独立変数となる。

重要性

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ソフトウェア開発、工学、科学、製造、およびビジネスにおいて、その開発者、研究者、製造者、および関係者は、データの取得や測定の方法を理解し、合意を得る必要がある。ある物理特性が、その特性を試験または測定する正確な方法に強く影響されることは一般的である。そのため、実験や測定を十分に文書化することと同時に、仕様契約や試験方法についても必要な文書化や説明をすることが不可欠である[6][2]

手始めに、信頼できる標準化団体が発行している標準化された試験方法から始めるのが適当である。既存の試験方法を変更したり、新しい試験方法を開発したりする方がより有効な場合もあるが、そのような自前の試験方法は検証する必要があり[4]、場合によっては、主要な標準化された方法との技術的な同等性を示す必要がある[6]。繰り返しになるが、文書化と完全な開示が必要である[2]

よく書かれた試験方法は重要である。しかし、それ以上に重要なのは、正しい特性や性質を測定する方法を選択することである。すべての試験や測定が等しく役立つわけではない。通常、試験結果は、ある目的に対する適合性を予測あるいは示唆するために用いられる[2][3]。たとえば、ある製造品目が複数の構成要素からなる場合、試験方法はいくつかの尺度とのつながりを持つことがある。

  • 原材料の試験結果は、その原材料から作られた部品の試験と関連付かなければならない。
  • 部品の試験結果は、完成品の性能試験英語版と関連付かなければならない。
  • 実験室での性能試験の結果は、現場での性能と関連付かなければならない。

これらの関連性や相関性は、公表された文献、工学的研究、または品質機能展開(QFD)英語版のような正式な計画に基づいていることがある。試験方法の適合性の検証英語版は、しばしば必要とされる[4]

記載内容

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品質マネジメントシステム(QMS)は通常、試験で使用される手順の完全な文書化を求めている。試験方法の文書には、次のような内容が含まれる[7][8]

  • 記述的なタイトル
  • 評価される品目の分類範囲、方針など
  • 最終有効改訂日および改訂指示
  • 最新の試験方法検証への参照
  • 試験方法、更新、逸脱に関する質問の責任者、事務所、または機関
  • 試験方法およびその使用目的の意義または重要性
  • 試験方法の意味を明確にするための用語と定義
  • 試験を実施するために必要な装置および測定器の種類(場合によっては具体的な装置)
  • サンプリング手順(標本の取得方法と準備方法、および標本の大きさ英語版
  • 安全に関する注意事項
  • 必要な校正計測システム
  • 自然環境への懸念と考慮事項
  • 試験環境への懸念と考慮事項
  • 試験を実施するための詳細な手順
  • データの計算と解析
  • データおよび試験方法の出力の解釈
  • 報告書の形式、内容、データなど

検証

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試験方法は、その有効性、適応性、および正確性についてしばしば精査される。試験方法の適用範囲を明確に定義し、適用範囲に含まれるすべての側面が、検証英語版を通じて正確で再現可能であることを示すことが非常に重要である[4][7][9][10]

試験方法の検証では、多くの場合、次の事項が考慮される[2][4][7][9][10]

参照項目

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脚注

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  1. ^ Form and Style for ASTM Standards”. ASTM International (October 2017). 8 February 2018閲覧。
  2. ^ a b c d e Committee E-11 on Quality Control of Materials (1963). ASTM Manual for Conducting an Interlaboratory Study of a Test Method. American Society for Testing and Materials. p. 3. https://archive.org/details/astmmanualforcon00amer 8 February 2018閲覧。 
  3. ^ a b Nigh, P.; Gattiker, A. (2000). Test method evaluation experiments and data. 2000. 454–463. doi:10.1109/TEST.2000.894237. ISBN 978-0-7803-6546-9 
  4. ^ a b c d e Bridwell, H.; Dhingra, V.; Peckman, D. (2010). “Perspectives on Method Validation: Importance of Adequate Method Validation”. The Quality Assurance Journal 13 (3–4): 72–77. doi:10.1002/qaj.473. 
  5. ^ Glossary: S–Z”. Understanding Science. University of California Museum of Paleontology. 8 February 2018閲覧。
  6. ^ a b Why are these rest results so different?: The importance of testing methods in chemical and microbiological testing”. Asia Pacific Laboratory Accreditation Cooperation (January 2008). 8 February 2018閲覧。
  7. ^ a b c Snodgrass, B. (26 July 2014). “ISO 17025 Accreditation/Quality Management Systems Panel Discussion”. Association of American Feed Control Officials. 8 February 2018閲覧。
  8. ^ Higgins, C. (2009年). “Test Design and Documentation” (PPT). University of Nottingham. 8 February 2018閲覧。
  9. ^ a b Test Method, Validation and Verification of Methods: APHL Quality Management System (QMS) Competency Guidelines”. Association of Public Health Laboratories. 8 February 2018閲覧。
  10. ^ a b Office of Regulatory Science (12 May 2014). “5.4 Test Methods and Method Validation”. Laboratory Manual Of Quality Policies For ORA Regulatory Laboratories: Volume 1. U.S. Food and Drug Administration. 8 February 2018閲覧。

一般参照/書籍

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  • Pyzdek, T, "Quality Engineering Handbook", 2003, ISBN 0-8247-4614-7
  • Godfrey, A. B., "Juran's Quality Handbook", 1999, ISBN 007034003X
  • Kimothi, S. K., "The Uncertainty of Measurements: Physical and Chemical Metrology: Impact and Analysis", 2002, ISBN 0-87389-535-5

関連規格

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  • ASTM E177 Standard Practice for Use of the Terms Precision and Bias in ASTM Test Methods
  • ASTM E691 Standard Practice for Conducting an Interlaboratory Study to Determine the Precision of a Test Method
  • ASTM E1488 Standard Guide for Statistical Procedures to Use in Developing and Applying Test Methods
  • ASTM E2282 Standard Guide for Defining the Test Result of a Test Method
  • ASTM E2655 - Standard Guide for Reporting Uncertainty of Test Results and Use of the Term Measurement Uncertainty in ASTM Test Methods