訪問看護

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訪問看護(ほうもんかんご、: Health Visiting, Visiting Nursing)とは看護師等が療養を必要とする者の自宅や老人ホーム等の施設を訪問すること。またはその訪問時に行われるサービスのこと。在宅医療の一つ。

仕事内容[編集]

訪問看護において提供される主なサービスとしては、以下のようなものがある。

特記すべき病院と在宅における看護の違いとしては、

  • 訪問時にトラブルが発生しても相談できる人が近くにいないこと
  • 訪問時間が限定されること
  • 看護職員、介護職員などの人的資源(マンパワー)が乏しいこと
  • 治療機器、薬剤や看護用品といった物的資源が乏しいこと

などが特徴としてあげられ、訪問看護に携わる者には医学の総合的な知識主治医ケアマネージャーなどの他職種との調整能力患者家族とのコミュニケーション能力入浴介助リハビリテーションなどの看護技術転倒風邪予防などの病気予測力指導力緊急時の現場での判断力などより高い専門性が求められる。

関連法規と制度[編集]

訪問看護は、介護保険法や公的医療保険各法(健康保険船員保険国民健康保険共済組合後期高齢者医療制度等)に基づいて訪問看護ステーション病院診療所などの医療機関から看護師保健師など看護職が訪問する形態が一般的である。また、こうした公的な制度に基づかず、患者の全額自己負担により、患者の要望に対して、より柔軟に対応する訪問看護を提供する組織・企業もある。

介護保険による訪問看護の場合、利用者はまず要介護認定を受け(介護保険法第27条)、その結果に基づき、介護支援専門員(ケアマネージャー)が訪問看護をサービス計画(ケアプラン)に組み入れる。ケアマネージャーから連絡を受けた医師は訪問看護指示書を訪問看護ステーションに交付し、その指示書にもとついて訪問看護が行われる。公的医療保険による訪問看護の場合、病状が安定し、又はこれに準ずる状態にあり、かつ、居宅において看護師等が行う療養上の世話及び必要な診療の補助を要する場合(健康保険法施行規則第67条)には主治医から利用を希望する訪問看護ステーションに訪問看護指示書が交付され、その指示書にもとついて訪問看護が行われる。同一利用者で介護保険と医療保険が競合する場合は介護保険の利用が優先されるが、以下の場合は医療保険からの保険給付となる。

  • 末期の悪性腫瘍その他厚生労働大臣が定める疾病等の患者
  • 急性憎悪により、主治医から特別訪問看護指示書が交付されたもの

訪問看護の担い手は、看護師のみならず、保健師助産師准看護師理学療法士作業療法士及び言語聴覚士もその担い手とされる(健康保険法施行規則第68条)。規模の大きい訪問看護ステーションではこれらの職種の者を常勤で雇ったり、また病院併設の訪問看護ステーションであれはこれらの職種は病院内での業務とと兼務することもある。

歴史[編集]

訪問看護は1900年前後に始まった派出看護(はしゅつかんご)がもとであるといわれている。派出看護とは、訓練を受けた看護婦が患家と契約を結んで病院や患者の自宅において看護を提供することであった。1884年有志共立東京病院(現在の東京慈恵会医科大学)が上流階級家庭を対象に始めたとされる。その後1891年鈴木雅慈善看護婦会(後の東京看護婦会)を創設、困窮者へ無料で派出看護を行った。1894年日清戦争後、戦争により急性伝染病が蔓延したことや、戦時の活動により看護婦の存在が世間に認知されたことにより、派出看護婦の需要が高まった。高度成長期を迎えると、平均寿命の延長、核家族化の進行、それらに伴う一人暮らしの高齢者の増加、寝たきり高齢者の増加などが社会問題となった。それを受けて在宅患者への継続看護の一環として、1970年ごろから病院診療所自治体からの訪問看護が行われるようになった。[要出典]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 保険医療機関から行われる訪問看護は、訪問看護療養費ではなく療養の給付の対象となる。また医師が訪問してこれらのサービスを行った場合も療養の給付の対象となる。

外部リンク[編集]