訓令

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

訓令(くんれい)とは、行政機関(上級官庁)が所管の別の行政機関(下級官庁)及び職員に対してその職務遂行・権限行使を指揮するために発する命令のことである。国家行政組織法(昭和23年法律第120号)の第14条第2項において定めがあり、「各大臣、各委員会及び各長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。」とされている。基本的に公表はされないが、中には公共性が強いなどの理由で官報や各行政機関のホームページ等に掲載されるものもある。訓令は法令番号と同様の訓令番号を持つ(例:平成30年法務省刑総訓第3号)。

訓令の種類[編集]

訓令は発出する機関により以下のような種類に分けられる。

  • 内閣の訓令
  • 内閣府の訓令
  • 各省の訓令
  • 外局(庁・委員会)の訓令
  • その他の訓令

地方自治体(及びその機関)にも訓令を発出するものがある。

訓令の効果[編集]

官庁及び職員への効果[編集]

訓令は、上級官庁から下級官庁及び職員への命令であり(上司による命令となるもの)、下級官庁及び職員はこれに従わなければならない。

国民への効果[編集]

訓令は、上司から所管の諸機関及び職員に対して行われるものであっても国民に対して行われるものではなく、狭義の法規として直接的に国民を拘束することはない。

訓令と類似したものとの関係[編集]

訓令と法令[編集]

訓令と法令とは異なるものであるが、法令としての性質を有する訓令や法令を補完する役割を果たす訓令も存在する。

訓令と通達[編集]

国家行政組織法14条2項は、「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる」として訓令と通達を使い分けて規定しているが、両者は相排斥する概念ではなく、実質的意味の訓令が文書によって示達された場合、これを通達というのが一般的理解である[要出典]

訓令と職務命令[編集]

訓令は、上級官庁が下級官庁又は職員に権限行使の指揮のために行う命令であって、上司が部下の公務員の職務に関して発する職務命令(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第98条1項)とは、理論上区別され[要出典]る。

訓令は、行政組織内部における規律(命令)であり、一般の国民に対しては狭義の法規の性質を持たないものであるのが原則であるが、公務員に対してはその権限ある上司から出された職務の範囲内の訓令は職務上の命令として有効であり、部下である公務員は、忠実にこれに従う義務がある(国家公務員法98条1項、地方公務員法33条からの服従義務。公務員がこれに違反する事は、職務上の義務への違反(国家公務員法82条1項2号、地方公務員法29条1項2号)にあたる事となり、懲戒の対象になる。また、国家公務員及び地方公務員については、国家公務員法98条1項及び地方公務員法32条からの法令等遵守義務及び職務命令服従義務により、当該職員に対して適用される法に基づく全ての訓令についてその違反は国家公務員法82条1項1号及び地方公務員法29条1項1号による懲戒の対象になる。)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]