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観点主義

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哲学において

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観点主義(かんてんしゅぎ、独: Perspektivismus(パースペクティウィスムス)、英: Perspectivism(パースペクティヴィズム)、Perspectivalism〈パースペクティヴァリズム〉)または遠近法主義(えんきんほうしゅぎ)、あるいは単に遠近法(えんきんほう)は、認識論上の立場の一つ。ニーチェによって提起された。

人類学において

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ブラジルの人類学者 ・エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロはアマゾン地帯などのいくつかの部族にとって動物たちが人間たちを動物と見なし、自己を人間のように意識するという観点を指摘し、その比較人類学論を観点主義( "perspectivisme")と呼んだ。つまり、あらゆる生き物が常に自己の身体を経由して他の生き物を認識せざるを得ないという理論である[1]。フランスの人類学者フィリップ・デスコーラは、人間を中心としない、この"人間と非人間共有の観点主義"を、アニミズム特有のオントロジーの表れであると指摘した[2]

関連項目

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参考文献

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  1. ^ Eduardo Viveiros de Castro, "Perspectivisme et multinaturalisme en Amérique indigène", trad. de l'an., Journal des anthropologues, no 138-139, 2016, p. 161-181. [1]. François Héran, "Vers une sociologie des relations avec la nature", Revue française de sociologie, vol. 48, 2007.
  2. ^ Philippe Descola, Par-delà nature et culture, Gallimard, 2005. 小林徹訳『自然と文化を越えて』、水声社、2020年