複雑系経済学

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複雑系経済学(ふくざつけいけいざいがく, Complexity economics)とは、経済複雑系として捉える経済学のアプローチである。

解説[編集]

複雑系経済学は、一般に非線形で、要素間の相互依存性が強いは複雑系となる可能性がある。特に経済学にとっては要素の数が多いことや収穫逓増現象が重要である。また、経済成長における初期値依存性もカオスを生み出し、複雑系となる。

要素の数が多いとき、個人は必ずしも最適な選択を行うことが時間的な制約の理由によりできない。これでは通常の経済学が想定するような完全合理性が成立せず、経済主体限定合理性の下で行動することになると考えられる。また、動態的な意味での収穫逓増が成立するときには、最終的な均衡の状態が唯一ではなく、0、ないしは複数ということもあり得る。複数の均衡が存在する場合、どの均衡に到達するかは初期状態、経済主体の予想などの要因によって決定する。これを経路依存性という。さらに、最終的な均衡もパレート最適であるとは限らない。

経済の複雑度を測る指数としてMITメディアラボで研究されている経済複雑性指標Economic Complexity Indexがある。MITメディアラボの関連したビジュアライゼーションウェブサイトにen:The Observatory of Economic Complexityがある。

脚注[編集]

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参考文献[編集]

関連書籍[編集]

  • 塩沢由典 『市場の秩序学 - 反均衡から複雑系へ』 筑摩書房、1990年9月。ISBN 978-4-480-85555-8
    • のち文庫化。『市場の秩序学』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、1998年4月9日。ISBN 978-4-480-08417-0)
  • 塩沢由典 「複雑系経済学の現在」、塩沢由典責任編集 『経済学の現在 1』 日本経済評論社〈経済思想 第1巻〉、2004年11月、pp. 53-125。ISBN 978-4-8188-1708-1