裏窓
裏窓 | |
---|---|
Rear Window | |
![]() | |
監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
脚本 | ジョン・マイケル・ヘイズ |
原作 | コーネル・ウールリッチ |
製作 | アルフレッド・ヒッチコック |
出演者 |
ジェームズ・ステュアート グレース・ケリー |
音楽 | フランツ・ワックスマン |
撮影 | ロバート・バークス |
編集 | ジョージ・タマシーニ |
製作会社 | Patron Inc. |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
![]() ![]() |
上映時間 | 112分 |
製作国 |
![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $1,000,000 |
配給収入 |
![]() ![]() |
『裏窓』(うらまど、Rear Window)は、1954年のアメリカ合衆国のサスペンス映画。監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はジェームズ・ステュアートとグレース・ケリーなど。コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)による同名の短編小説(原題は『It Had to Be Murder』)を原作とし、事故で車椅子生活を送る男がアパートの部屋の裏窓から目撃した事件の顛末を描いている。現在、パブリックドメインとなっている。AFIが選出した「アメリカ映画ベスト100」では42位にランクインした。
ストーリー[編集]
![]() |
カメラマンのジェフは事故で足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼にできる楽しみは、カメラの望遠レンズを使って裏窓から見る隣のアパートの住人達の人間模様の観察であった。
ある日、いつも口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消す。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、数々の状況証拠から殺人事件と確信。恋人リザと共に調査に当たる。事件を認めない友人の刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする2人に危機が迫る。
キャスト[編集]
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
---|---|---|---|
テレビ版 | BD版 | ||
L・B・ジェフリーズ | ジェームズ・スチュアート | 小川真司 | |
リザ・フレモント | グレース・ケリー | 武藤礼子 | 日野由利加 |
ラーズ・ソーワルド | レイモンド・バー | 富田耕生 | 大川透 |
ステラ | セルマ・リッター | 初井言榮 | 谷育子 |
トーマス・J・ドイル刑事 | ウェンデル・コーリイ | 横内正 | 野島昭生 |
- テレビ版:初回放送1986年10月19日 21:02-23:09『日曜洋画劇場』
- BD版:2012年11月2日にジェネオン・ユニバーサルから発売の「ヒッチコック・ブルーレイ・プレミアム・コレクション」に収録。
作品の評価[編集]
映画批評家によるレビュー[編集]
Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ヒッチコックはこの傑作でサスペンスの才能を存分に発揮した。」であり、76件の評論のうち高評価は99%にあたる75件で、平均点は10点満点中9.2点となっている[3]。 Metacriticによれば、18件の評論の全てが高評価で平均点は100点満点となっている[4]。
受賞歴[編集]
賞 | 部門 | 対象者 | 結果 |
---|---|---|---|
第27回アカデミー賞 | 監督賞 | アルフレッド・ヒッチコック | ノミネート |
脚色賞 | ジョン・マイケル・ヘイズ | ||
撮影賞(カラー部門) | ロバート・バークス | ||
録音賞 | ローレン・L・ライダー | ||
第20回ニューヨーク映画批評家協会賞 | 主演女優賞 | グレース・ケリー | 受賞※ |
メモ[編集]
- 劇中、ほぼ全編にわたってカメラはジェフの部屋から出ない(終盤、ジェフが窓から落下したあとに短時間のみ屋外でのシーンがある)。舞台劇のように場所を限定したサスペンス映画は、『救命艇』や『ロープ』でもヒッチコックが挑戦したテーマである。必ずしも成功したとはいえなかった前2作での反省を踏まえ、全編にわたって緊張感の持続する上質なサスペンスに仕上がっている。
- 主人公ジェフが窓から落下する場面はスタントマンを使わずスチュアート本人が演じているが、本当に落下した訳ではなく、ブルーマスク合成を利用した特殊撮影である。この撮影法は後年の『めまい』でも使われた。
- 本作は主人公とその部屋の窓から見えるアパートの住人たちの生活風景を全員が一斉に演じ、一連の流れの中での撮影が要求されたため、実在のアパートを借りてロケーションするのではなく「全編スタジオセット撮影」という方法が採用された。したがって窓の外にひろがる隣近所のアパート群との距離、見える角度、車道を通過する自動車の種類、台数、タイミングなど、全てが完璧に計算されたものとなっており、ヒッチコック作品の中でも特に作り込みの細かい作品である。
- ヒッチコックの他の作品と同様のパターンが随所に見て取れる。
- ブロンドの活動的なヒロイン
- 体制側の無理解(この作品でも刑事はほとんど手助けをしてくれない)
- コメディ・リリーフとなる老婦人(ここではリッター演じるステラ)
- 最後のアクションの前にマクガフィン(ここでは女性が消えた理由)を明らかにしてアクションに観客を集中させる構成 …など
- アイリッシュによれば、著作権料として支払われたのはわずかに600ドルだったとのこと。ただしアイリッシュはその額よりも、ヒッチコックが自分の住所を知っているはずなのに映画の招待券を送ってこなかったと不満を漏らしている。
- 主人公が身に付けている腕時計はTISSOTである。
ヒッチコックの出演シーン[編集]
- 隣のアパート最上階の作曲家の部屋に登場。ピアノの横で時計のネジを巻いている。
リメイク[編集]
裏窓 Rear Window | |
---|---|
ジャンル |
犯罪 サスペンス |
原作 | コーネル・ウールリッチ |
脚本 |
ラリー・グロス エリック・オーヴァーマイヤー |
監督 | ジェフ・ブレックナー |
出演者 |
クリストファー・リーヴ ダリル・ハンナ |
音楽 | デヴィッド・シャイア |
国・地域 |
![]() |
言語 | 英語 |
各話の長さ | 89分 |
製作 | |
製作総指揮 |
スティーヴン・ハフト デヴィッド・V・ピッカー ロバート・ハルミ クリストファー・リーヴ |
撮影監督 | ケン・ケルシュ |
編集 | ジェフリー・ローランド |
製作 |
カンブリア・プロダクションズ ハフト・エンターテインメント ホールマーク・エンターテインメント |
放送 | |
放送チャンネル | ![]() |
放送期間 | 1998年11月22日 |
『裏窓』(うらまど、Rear Window)は、1998年に放送されたアメリカ合衆国のテレビ映画。コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の短編小説を原作とした1954年のアメリカ映画『裏窓』のリメイク作品である。
概要[編集]
1995年の落馬事故によって半身不随となったクリストファー・リーヴの俳優復帰作である。アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『裏窓』の主人公が足を骨折したカメラマンであるのに対し、リーヴ演じる本作の主人公は事故によって四肢麻痺となった建築家と設定されている。主人公がリハビリテーションに取り組む場面はリーヴの実体験に基づいている。
撮影はニューヨーク州ホワイト・プレインズのバーク・リハビリテーション・センターや、ニューヨーク州ヨンカーズにあるオーチス・エレベータ・カンパニー社の倉庫などで行われた。
キャスト[編集]
- ジェイソン・ケンプ:クリストファー・リーヴ
- クラウディア・ヘンダーソン:ダリル・ハンナ
- チャーリー・ムーア刑事:ロバート・フォスター
- アントニオ・フレデリックス:ルーベン・サンチャゴ=ハドソン
- リーラ・ケンプ:アン・トゥーミー
- ジュリアン・ソープ:リッチー・コスター
- アイリーン・ソープ / アイリーンの妹:アリソン・マッキー
評価[編集]
エンターテインメント・ウィークリーのケン・タッカーは、「ジェイソンの酸素供給チューブが切断される場面では、リーヴが実人生で悲劇に見舞われているという背景によって真の恐怖がもたらされた。リーヴの演技は緩慢でぎこちないとはいえ、本作の問題点はリーヴの演技にあるのではない。エリック・オーヴァーマイヤーとラリー・グロスが台本を担当するテレビドラマにはしばしば混乱させられる。本作の制作陣は、オリジナル版でセルマ・リッターが演じたような精力的でクセのある脇役を用意すべきだったろう」と批評した[5]。
受賞歴[編集]
賞 | 部門 | 対象者 | 結果 |
---|---|---|---|
ゴールデングローブ賞 | 男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門) | クリストファー・リーヴ | ノミネート |
プライムタイム・エミー賞 | 音楽賞(作曲賞リミテッドシリーズ/テレビ映画/スペシャル部門) | デヴィッド・シャイア | ノミネート |
全米映画俳優組合賞 | 男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門) | クリストファー・リーヴ | 受賞 |
エドガー賞 | テレビ映画・ミニシリーズ部門 | ラリー・グロス | ノミネート |
エリック・オーヴァーマイヤー | ノミネート | ||
コーネル・ウールリッチ | ノミネート |
舞台[編集]
2015年10月22日から、アメリカコネチカット州のハートフォード・ステージにて、舞台化作品が上演された。キース・レディンが脚色を担当。主演のケビン・ベーコンはスチュワートの演じた役を務める[6]。
相手役はメリンダ・ペイジ・ハミルトンが務める。役名はグロリアに変更され、映画版でグレイス・ケリーが演じたリザ役にあたる[7]。
出典[編集]
- ^ “Rear Window” (英語). Box Office Mojo. 2021年2月3日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)121頁。
- ^ “Rear Window (1954)” (英語). Rotten Tomatoes. 2021年2月3日閲覧。
- ^ “Rear Window Reviews” (英語). Metacritic. 2021年2月3日閲覧。
- ^ Tucker, Ken (1998年11月20日). “Rear Window Review | TV Reviews and News” (英語). Entertainment Weekly. オリジナルの2012年6月14日時点におけるアーカイブ。 2021年2月3日閲覧。
- ^ “ヒッチコック監督「裏窓」が舞台化!主演はケビン・ベーコン”. 映画.com. (2015年8月28日) 2015年8月28日閲覧。
- ^ “ケヴィン・ベーコン主演の舞台版「裏窓」ヒロイン決定”. シネマトゥデイ. (2015年10月5日) 2015年10月5日閲覧。
関連項目[編集]
- エキザクタ・ヴァレックスIIa - ジェフの使用していたドイツ製のカメラ。(東)ドイツ製。レンズはKilfittの400mm、F値5.6です。黒のマスキングテープでメーカー名を覆っている。
- 「裏窓」殺人事件 車椅子の少女が覗く夜の密室 - 本作をモチーフにしたサスペンスドラマ。「土曜ワイド劇場」にて放送。出演:水谷豊、渋谷琴乃。放送日:1993年4月24日。
外部リンク[編集]
- 裏窓 - allcinema
- 裏窓 - KINENOTE
- Rear Window - オールムービー(英語)
- Rear Window - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- Rear Window - Rotten Tomatoes(英語)
- Rear Window - TCM Movie Database(英語)
- Rear Window - Box Office Mojo(英語)
|