行動活性化

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行動活性化 (Behavioral activation, BA)は、日常生活の中で楽しみや達成感を感じる行動の種類や頻度を増やすことで、意義のある生活の実現を目指す心理療法である。認知行動療法の行動療法に分類され、第三世代の認知行動療法の1つにも分類される。うつ病の治療で有効性が最も実証されている心理療法の1つである。

WHOのmhGAPマニュアルにおいても、うつ病に対して推奨される心理療法のひとつとして挙げられている[1]

具体的には、次のような手順で行われる[2]

  1. 日常生活における1週間の活動の振り返り(モニタリング)をしてもらう。その際、活動記録シートを用意し、日時・場所・活動の簡単な描写・楽しさの評価(0:全く楽しくない~100:とても楽しい)を記入してもらえるようサポートする。
  2. 楽しい活動と楽しくない活動のそれぞれについて、患者と治療者が協同で理由を探っていく。また、楽しいことリストを作成できるよう支援する。
  3. 生活の中で、楽しい活動の数を増やし、楽しくない活動や活動しない時間を減らすことができるよう、多くの楽しい活動と適切な生活リズムを伴った週間計画の作成を協同で行う。
  4. 日常生活の中で、上記の計画を実施できるようサポートする。
  5. 再度モニタリングを行い、さらなる改善に向けたサポートを行う。

脚注[編集]

  1. ^ mhGAP Intervention Guide - Version 2.0, WHO, (2019), ISBN 9789241549790, https://www.who.int/publications/i/item/mhgap-intervention-guide---version-2.0 
  2. ^ ステファン・G・ホフマン 伊藤正哉・堀越勝訳 (2012). 現代の認知行動療法―CBTモデルの臨床実践―. 診断と治療社. pp. 134-135 

関連項目[編集]