薬師見平
薬師見平(やくしみだいら)とは黒部川の上流の標高2150m付近にある湿原。そのアクセスの難しさと、手付かずの自然から登山家らに“桃源郷”と呼ばれている[1]。
概要[編集]
上廊下火山岩類と命名された火山群による溶岩台地であり、薬師見平デイサイトと命名されている[2]。
薬師見平の名の通り台地の向こうに大きく薬師岳がそびえる。
アクセス[編集]
登山道はなく、薬師見平の周囲を黒部峡谷の断崖と北アルプスの岩稜、猛烈なハイマツの藪に囲まれる為、アクセスは極めて困難で、ルートファインディングや岩稜歩き、藪漕ぎなどの技術を含め、卓越した登山能力を要する。
赤牛尾根ルート[編集]
赤牛岳の北西尾根を下りるコースで、前半は浮石だらけの岩稜歩き、後半は背丈を越えるハイマツやササなど密生した低木の藪こぎと、過酷な行程となり、片道で13時間程度かかる。[3]
上ノ廊下ルート[編集]
黒部峡谷の上ノ廊下の口元ノタル沢などから沢登りにより薬師見平に至るルート。[4]
旧高天原新道ルート[編集]
高天原を起点として廃道の高天原新道の跡を辿るルート。かつての登山道とはいえ、どのルートであったかすらはっきりしないものであり、沢登りや藪漕ぎの高い技術を要する。片道17時間程度。[5]
脚注[編集]
- ^ [1] NHK
- ^ 飛騨山脈中央部上廊下雲ノ平周辺の第四紀火山岩類のK-Ar年代
- ^ 北アルプス・薬師見平-秘境といわれる高層湿原を訪ねました ヤマケイ週刊
- ^ https://web.archive.org/web/20191230130649/https://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/archives/2019/20191018/index.html 北アルプス雲上の桃源郷~日本一の峡谷・黒部を行く~ NHK
- ^ 岳人10月号2016年 pp 135-