薄暮 (アニメ映画)

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薄暮
Hakubo
監督 山本寛
脚本 山本寛
原案 山本寛
出演者 声優:
桜田ひより
加藤清史郎
下野紘
花澤香菜
福原香織
島本須美
雨宮天
音楽 鹿野草平
制作会社 トワイライトスタジオ
配給 プレシディオ
公開 日本の旗 2019年6月21日
上映時間 52分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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薄暮』(はくぼ、英語: Hakubo)は、2019年6月21日に公開[1]日本アニメーション映画。監督は山本寛[2]。同監督によるショートアニメ『blossom』、アニメ『Wake Up, Girls!』に続く「東北三部作」の最終章となる[3]。尚、『Wake Up, Girls!』発表時には、福島県南相馬市を舞台にした山本寛原案のライトノベル『真夜中のスーパームーン』を含めて三部作としていた[4]

概要[編集]

「薄暮」は福島県いわき市を舞台とする中編アニメーション映画

2017年2月25日に「2018年劇場公開を予定」「原作・監督:山本寛、キャラクターデザイン:近岡直、プロデューサー:和田浩司[注 1]」とし正式発表。プロジェクト応援団長として福原香織、プロジェクト応援団員にこにわを起用し、クラウドファンディング(以下CF)サイトのキャンプファイアーにてCFを開始[5]した。原作小説をCFページで公開[6]し、公式Twitterを開設。

3月31日にCFサイトにてティザービジュアル、スタッフ・キャスト情報、キャラクターデザインを公開[7]

4月20日に『薄暮』クラウドファンディング用特報2.0公開[注 2]

4月25日にCF「山本寛オリジナル作品「薄暮」アニメ制作プロジェクト」(期間:2017年2月25日~4月29日)目標額の1,500万円を集め[8]、目標達成し制作が決定した。最終日である29日に総額21,036,500円申込者1,225人で終了した[9]

7月8日キービジュアルを公開するともに、アニメ公式サイトを現在準備中と告知[10]した。

7月20日に本作制作を目的[注 3]としてトワイライトスタジオが設立[11]され、10月になって同社のウェブサイトと公式Twitterが開設された。

9月1日に日本経済新聞に紹介記事が掲載[12]され、取材を受けた山本寛は本作について、2018年公開見込みで調達できた資金は制作に必要な費用の2~3割であり、制作方法に共感したスポンサーからの出資や2回目のCFの利用も視野に入れていると答えた。

10月2日YouTubeに本作の公式チャンネルを開設し、『薄暮』クラウドファンディング用特報 ver.3.0[注 4]を公開。現在このチャンネルでは『薄暮』の宣伝PVの他、本作品の情報番組である「薄暮どうでしょう」の2本が公開されている。

2018年2月28日に本作CFの購入者へ送った進捗メールで『厳密にスケジュールを精査し制作フローの検討を行った結果』18年作品完成・19年順次公開へとスケジュールを延期し、一部の返礼実施も遅らせると通知した[要出典]

4月28日トワイライトスタジオ主催でいわき市生涯学習プラザにてタウンミーティングと称するイベントを開催し、その中では製作スタッフによるトーク・意見交換会・アニメの制作資料の展示を行ったが福島県在住者のみ対象とし身分証明によるチェックを行うと謳ったため他県からの在勤・在学者や隣接する茨城県民・福島以外の東北在住者は参加できなかった[13]

9月28日、web配信番組に山本寛がゲスト出演[14]した際に、19年初夏公開予定と公表した。

10月4日、暗号資産トワイライトコイン公式サイトで、18年10-12月期にICOによるCFを再度行い[15]本作を19年の1-3月期に劇場公開[16]すると公表した。

11月30日Youtubeにてティザームービー(動画上では特報第二弾)[注 5]を公開。

2019年1月25日、17年7月8日にCFページで現在準備中と明らかにした作品公式サイトが完成した。初めて公開日が公表され、5月24日から福島県で先行公開すると発表された。また、配給会社、主人公の声優2名、美術監督が発表された[17]

2019年3月20日、二度目のCF(期間:2019年2月13日~3月20日)「山本寛オリジナル劇場アニメ作品『薄暮』福島県民1万人を劇場へ無料招待したい!」(目標金額500万円)[18]を533万30円を集め達成。地元の中高生に前売り券のムビチケを無料配布し、さらに公民館などでの上映会を行うと公表した。

2019年4月26日、作品の更なるクオリティアップのため、公開予定日だった5月24日を6月21日に延期すると発表した。

2019年5月24日、当初の公開予定日にいわき市のまちポレいわきで関係者試写を行ったがそう時間は14分でコンテ画像が混じる未完成状態であった。このため以降予定されていた試写会では「先行版」として未完成のバージョンを上映した[19]。監督の山本は「大変状態の悪いフィルムをお見せしてしまったという、自らのプロとしての責任、特に納品責任を重大に受け止めまして、責任をとって『薄暮』を最後にアニメーション業界から廃業することにいたします」とブログでコメントした。[20]

2019年6月21日、ポレポレシネマズいわき小名浜・まちポレいわき・イオンシネマ福島・シネ・リーブル池袋で上映がスタートした。池袋で行われた初日舞台挨拶は、「スケジュール全体の段取りでミスが生じた」という配給会社側の理由により、急遽、報道陣を入れずに開催され[21]、翌22日のポレポレシネマズでの舞台挨拶に予定されていた主演の桜田ひよりは欠席し代わりに福原香織が登壇した。

6月29日、カナダ・モントリオールで開催のファンタジア国際映画祭のアニメーション部門、今敏賞(短編部門)に応募し、ノミネートされたと発表[22]したが、受賞作に選ばれなかった[23]。同様に富川国際アニメーション映画祭にノミネートするも賞を逃す。

いわき駅前の商業施設『LATOV』内で、作中に登場するバス停とベンチを再現した展示を9月1日まで行った[24]

12月20日、第74回毎日映画コンクールアニメーション部門(アニメーション映画賞・大藤信郎賞)にノミネート[25]

あらすじ[編集]

福島県いわき市に住む女子高校生小山佐智は、東日本大震災の影響で人や恋に関心を持つことができないと感じている。佐智は音楽部で、リナ 、ひぃちゃん 松本先輩とともに文化祭で披露する四重奏に向けて日々練習に追われている。佐智はバス停そばで見る夕焼けがお気に入りで、よく一人でバスが来るまで景色を楽しんでいた。

ある日、バス停でキャンバスを持った少年、雉子波祐介と出会う。彼は震災で帰宅困難区域からいわきに避難してきており、当たり前の風景が突然見れなくなってしまうことがあることにつらく思い、今生きてるこの世界を絵に描きとめ残すため絵を描きはじめたという。そして絵画のコンクールの絵を描くためバス停付近で良い景色を探しているところで佐智と出会った。

この事がきっかけで佐智と祐介は話すようになり、バス停で待合せをしたり、LINEで会話したりと二人の距離は縮まっていった。

そんな中、佐智と同じ部員の遠野さんと川村さんに草野駅で祐介といるところを目撃されリナやひぃちゃんに知られ恋人か問われリナは恋が実ることを応援してくれた。(ひぃちゃんも後に佐智を応援している。)

そしていつものように佐智は祐介とバスに乗っているときにたまたま祐介のスケッチブックに描かれた祐介の初恋の人のスケッチを見てしまい、佐智はやきもちを焼いてしまい二人の関係はギクシャクしてしまう。

文化祭当日、祐介や家族が見守る中、佐智たちは演奏を無事やりとげる。そして佐智は祐介から話したいことがあると言われリナとひぃちゃんに後押しされ祐介と屋上で会うことを決心する。そして祐介から「あなたのことが、ずっと好きでした」と告白される。

登場人物[編集]

Web版原作小説準拠。なお、同人版とは設定が一部異なる。

スタッフ・制作[編集]

  • 原作・脚本・プロデュース・監督・音響監督:山本寛
  • 制作総指揮:和田浩司
  • キャラクターデザイン ・ 総作画監督:近岡直
  • 音響演出:山田陽
  • 音楽:鹿野草平
  • 色彩設計:村口冬仁
  • 美術監督:Merrill Macnaut
  • 制作プロデューサー:伊藤光彦
  • 配給:プレシディオ
  • アニメーション制作:Twilight Studio

 (なお、制作を請け負った(グロス)イーストフィッシュスタジオは自社HPで当作品を「制作作品」と表記している[26])


主題歌・楽曲[編集]

主題歌
「とおく」
作詞 - 辛矢凡 / 作曲・編曲 - AZUMA HITOMI / 歌 - AZUMA HITOMI
本編予告PV使用曲(イメージソング)
「思いでの中に」
作詞 - 辛矢凡 / 作曲・編曲 - 鹿野草平 / 歌 - 松本英子
使用楽曲
「弦楽四重奏曲第14番 第1楽章 第5楽章 第7楽章」
作曲 - Ludwig Van Beethoven
「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」
作曲 - Bartók Béla
「朧月夜」
作曲 - 岡野貞一
「吹奏楽のためのスケルツォ 第2番《夏》」
作曲 -鹿野草平
「Hawaiian Lei」
作曲 - Rhodes/Geissman

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 劇場アニメ『薄暮』公式サイト”. 2019年1月26日閲覧。
  2. ^ (株)山本寛事務所-作品紹介”. 2018年10月1日閲覧。
  3. ^ “山本寛監督「薄暮」6月21日全国公開決定 福島県では5月24日から先行版上映”. 映画.com. (2019年5月20日). https://eiga.com/news/20190520/5/ 2019年5月20日閲覧。 
  4. ^ 山本寛監督vs「Wake Up, Girls!」特別インタビュー企画”. 2019年9月17日閲覧。
  5. ^ “福島の“いま”を描く 山本寛監督の新作アニメプロジェクト「薄暮」、クラウドファンディングが開始”. IT media. (2018年2月26日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1702/26/news021.html 2018年10月1日閲覧。 
  6. ^ 原作小説「薄暮」無料公開(前半)(後半)”. 2018年10月1日閲覧。
  7. ^ 新規ティザービジュアル、スタッフ・キャスト情報、キャラクターデザイン公開”. 2018年10月1日閲覧。
  8. ^ “山本寛監督、オリジナルアニメ「薄暮」のクラウドファンディングで目標額1500万に到達!”. IT media. (2018年2月26日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1704/25/news086.html 2018年10月1日閲覧。 
  9. ^ 山本寛オリジナル作品「薄暮」アニメ制作プロジェクト”. 2018年10月1日閲覧。
  10. ^ キービジュアル公開いたしました!”. 2018年10月1日閲覧。
  11. ^ 株式会社TwilightStudio登記簿記載事項(法人番号012401033019)
  12. ^ “クラウド調達額トップ10、17年上半期ランキング”. 日経電子版. (2017年9月1日). https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?df=2&n_m_code=063&ng=DGXMZO20611880R30C17A8X11000 2018年10月1日閲覧。 
  13. ^ 「薄暮」を知りたい、「福島」を知りたい。~いわきタウンミーティング~” (2018年4月26日). 2018年10月1日閲覧。
  14. ^ 〈若い読者のためのサブカルチャー論講義〉[第6回]”. 2018年10月1日閲覧。
  15. ^ Twilight-coin.io Crowdfunding”. 2018年10月5日閲覧。
  16. ^ Twilight-coin.io Project Roadmap”. 2018年10月5日閲覧。
  17. ^ “山本寛新作映画「薄暮」5月に福島県先行、全国順次公開決定 主演に桜田ひより、加藤清史郎”. IT media. (2019年1月26日). http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1901/26/news024.html 2019年9月20日閲覧。 
  18. ^ 山本寛オリジナル劇場アニメ作品『薄暮』福島県民1万人を劇場へ無料招待したい!” (日本語). camp-fire.jp. 2019年5月13日閲覧。
  19. ^ 映画「薄暮」本公開日が6月21日に変更へ 山本寛監督がコメント「その分完璧なものを目指します」” (日本語). アニメ!アニメ!. 2019年9月20日閲覧。
  20. ^ 「ヤマカン」山本寛監督が廃業宣言 「自分はそもそもアニメが作れなかったんだ」”. J-CASTニュース (2019年5月27日). 2019年9月20日閲覧。
  21. ^ “桜田ひより主演アニメ映画、配給会社の不手際で舞台あいさつが報道陣クローズドに”. ORICON NEWS. (2019年6月21日). https://www.oricon.co.jp/news/2138143/full/ 2019年7月1日閲覧。 
  22. ^ Twilight_animeのツイート2019年7月1日閲覧。
  23. ^ 23RD EDITION OF FANTASIA ANNOUNCES FULL LIST OF AWARD WINNERS” (英語). Fantasia Festival. 2019年9月20日閲覧。
  24. ^ LATOVにて薄暮ブース展示9月1日まで延長中!”. 2019年9月20日閲覧。
  25. ^ 第74回毎日映画コンクール候補作発表!『火口のふたり』と『蜜蜂と遠雷』が最多8ノミネート!『半世界』7ノミネート、『カツベン!』『ひとよ』5ノミネート!!”. 2019年12月24日閲覧。
  26. ^ EAST FISH STUDIO:活動紹介”. 2019年9月20日閲覧。

外部リンク[編集]