葦ペン
葦ペン(あしペン、シュメル語:gi-dub-ba、英: reed pen、ギリシア語:κάλαμοι kalamoi カラモイ[1])は、1本のアシの茎(藁)を切って削って作られるペン(筆記具)。
古くは粘土版へ楔形文字を書くためにも、パピルスへさまざまな文字を書くためにも用いられ、とても長い歴史を持つ。(経年変化でもろくなりバラバラになりがちなので、後世に残りにくいが)通常の二股のペン先を持つ葦ペンの遺物(実物)は紀元前4世紀以降の古代エジプトの遺跡から発見されている。新約聖書が書かれた時代でも、最も一般的な筆記用具だった。
粘土板用[編集]
葦ペンで楔形文字を書かれた粘土版(紀元前2600年頃)
パピルス用[編集]
パピルスに葦ペンで描かれた絵とヒエログリフ
中世以降[編集]
葦ペンは、羽毛から作られる羽根ペンよりも固く、長期間鋭いペン先を維持できないため、羽根ペンに取って代わられた[3]。それでもなお、葦ペンは太い線を引くことができるためにカリグラフィー用の道具として残った[4]。
フィンセント・ファン・ゴッホが葦ペンで描いたスケッチ画(1888年)
脚注[編集]
- ^ 単数形は κάλαμος kalamos カラモス
- ^ “Palette de scribe” (フランス語). Antiquites egyptiennes du Louvre. 2015年5月1日閲覧。
- ^ Glossary definition from cartage.org
- ^ Gottfried Pott - A Look into the World of Calligraphy from Linotype.com
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- "A Light Note on the Science of Writing and Inks" (1852): an Arabic manuscript about reed pens