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萌黄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
萌黄
 
16進表記 #A9D159
RGB (170, 207, 83)
CMYK (38, 0, 84, 0)
HSV (78°, 59%, 81%)
マンセル値 4GY 6.5/9
表示されている色は一例です

萌黄(もえぎ、萌葱、萌木)とは鮮やかな黄緑色系統の萌え出る草のをあらわす色[1]。若草色とも呼ばれる[注釈 1][2]桃色補色となる[3]

萌黄とその派生色について

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「萌黄」は、「萌葱」「萌木」とも書かれることがあるが、一般的には「萌黄」を用いる[1]。黄色を加えた鮮やかな緑が「萌黄」、暗い緑が「萌葱」、青みがかった緑は「萌木」と以下のように分類される[2][4]。以下がその3色の違い

萌黄 萌葱 萌木
#A9D159 #006C4F #A7BD00

色的にはフランスのヴェール・シャルトルーズと類似しているほか[2]、萌黄色をかなり淡くすれば若菜色や若芽色と呼ばれる色となる[5]

この萌黄から更に黄色みが強まると、鶸色に近い鶸萌黄になる。鶸萌黄は着物にもよく用いられ、和を象徴する色の一つとなっている[6]。萌黄が後述のように平安時代からあったのに対し、鶸萌黄は江戸時代に誕生したものとされる[7]

用途

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若者の象徴として使われるパターンが多く、「平家物語」における平敦盛(小説においては17歳)や那須与一(小説においては20歳)も若者を表すために萌黄の鎧を着ているとされている[1]。その他、『栄花物語』や『紫式部日記』の他、室町時代までの軍記にはよく登場していた色である[8][4]

平安時代では有職装束に萌黄色を基調とする「萌黄の匂」があった。「萌黄の匂」ではより淡萌黄、淡萌黄、萌黄、濃萌黄、紅単から成る[9]。また、有職装束において、春の部では萌黄色と白色を合わせて使い、秋の部では黄色蘇芳色を混ぜて、季節の表現に用いていた[3]

現在でも、萌黄の館として有名な旧シャープ住宅など、萌黄を基調としたデザインの建物も存在している[10]

脚注

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注釈

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  1. ^ 若草色と萌黄色は別の色であるという意見もある(『日本の色図鑑』吉田雪乃著 p.41より)

出典

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  1. ^ a b c 日本色彩研究所、福田 邦夫 2023, p. 152.
  2. ^ a b c 木村 2001, p. 23.
  3. ^ a b 萌黄色(もえぎいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~”. マイナビ子育て|夫婦一緒に子育て. 2024年7月6日閲覧。
  4. ^ a b 三浦 1984, pp. 66–67.
  5. ^ 吉田 2018, p. 41.
  6. ^ ポーポー・ポロダクション、今日マチ子 2023, p. 157.
  7. ^ 日本色彩学会 2021, p. 187.
  8. ^ ポーポー・ポロダクション 2018, p. 68.
  9. ^ 八條 2018, p. 263.
  10. ^ マニマニ 2019, p. 95.

参考文献

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  • 八條忠基『有職装束大全』平凡社、2018年。ISBN 978-4582124323 
  • 三浦寬三『色の和名抄』創文社、1984年。ISBN 978-4423130049 
  • 木村孝『和の彩りにみる色の名の物語』淡交社、2001年。ISBN 978-4473018564 
  • ポーポー・ポロダクション、今日マチ子『美しい彩りが伝わる 色ことば辞典』日本文芸社、2023年。ISBN 978-4537221145 
  • ポーポー・ポロダクション『色と性格の心理学』日本文芸社、2018年。ISBN 978-4537216264 
  • 日本色彩研究所、福田 邦夫『増補改訂版 色の名前事典519: データ、由来など豊かなる色の魅力がすべてわかる』主婦の友社、2023年。ISBN 978-4074531158 
  • 吉田雪乃『日本の色図鑑』マイルスタッフ、2018年。ISBN 978-4295401759 
  • 日本色彩学会『散歩が楽しくなる 日本の色手帳』東京書籍、2021年。ISBN 978-4487814923 
  • マニマニ『マニマニ 神戸(2020年版)』JTBパブリッシング、2019年。ISBN 4533109411 

関連項目

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