茨木台

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見立南区側から望む見立北区(奥左側)と松風台(奥右側)

茨木台(いばらきだい)は、京都府亀岡市東別院町鎌倉見立に位置する郊外型ニュータウンである。

概要[編集]

隣接する雁松区住宅地(鎌倉台)から見上げる

「茨木台」は正式な地名ではなく分譲当初に使用された愛称であるが、現地でも道標や閉店した商店などに僅かに「茨木台」の表示が残されている。web上でも、「茨木台」または茨木台ニュータウンと呼ばれることが多い。しかし、正式には見立(けんだち[1][2][3]、げんだち)地区である。見立区と称することも多い。分譲当初の経緯から道路や水道の管理は見立北区・見立南区・松風台の3区に分かれているが、自治会は見立北区と見立南区の両区に分かれており、松風台は見立南区の自治会に所属している。

地理[編集]

西日本旅客鉄道JR京都線茨木駅阪急電鉄京都線茨木市駅から阪急バス81系統で約50分「忍頂寺停留所」で139系統に乗り換え約10分「銭原停留所」下車、北東へ約1.5キロ。尾根の上近くの大阪府茨木市との境界に接するように造成されている。急な斜面の上に住宅地が広がっており、見立北区と松風台の道路は傾斜のあるところが多い。特に松風台は当初は別荘地として造成された経緯もあり、極めて傾斜が急である。見立南区側の道路は等高線状に造られている部分が多く、あまり傾斜を感じさせない。

茨木市に隣接しているため、分譲当初は「茨木台」を愛称としていたが、茨木市側は市街化調整区域で開発は不可能であるため、茨木市側に開発区域は一切かかっていない。ただし、勤労者のうち大阪方面への通勤者は多くが茨木市側を通って通勤しており、買い物も茨木市側に出る人が多く、生活面では茨木市とのつながりが強い。

2007年3月には大阪高速鉄道(大阪モノレール)彩都線彩都内の彩都西駅まで開通し、大阪市内方面への自動車通勤者にとっては茨木市中心部に向かうよりも短時間で渋滞もなく駅に到達でき、駅前駐車場の駐車料金も比較的安いため、通勤経路を変更した人も多い。なお、京都市内方面への通勤者は、目的地にもよるがJR嵯峨野線亀岡駅に向かうほうが便利なことが多い。

沿革[編集]

元々は別荘地として、まず現在の松風台が1970年代後半に開発されたが、1980年代の土地バブルにより、比較的安価でマイホームが手に入り、自動車があれば大阪方面へも通勤可能なニュータウンとして現在の見立北区と見立南区の区域でも一般の住宅開発が始まった地域である。もし茨木市北部山間部の地価が安い地域での住宅地開発が可能であれば、茨木市側での開発が行われていたであろうが、茨木市北部の山間部は市街化調整区域で住宅地開発は不可能であったため、茨木市に接する亀岡市側の建築基準無指定地域における開発が行われることになり、府境の稜線に近い住宅地が誕生することになった。無理に造成したようにも見え、一見奇妙にも見える稜線上の住宅地は、大阪側への通勤者のニーズに応えるために、亀岡市の中でもできるだけ茨木市に近く、地価も安く、かつ開発可能な場所に住宅地を造成した結果といえる。

類似住宅地[編集]

亀岡市東別院町には、ほかにも「北摂ローズタウン」(東別院町湯谷柳山など・ローズタウン区:約50世帯)や「鎌倉台」(東別院町鎌倉雁松・雁松区:約10数世帯)などの、茨木台と同様に府境の尾根に近い立地の新興住宅地がいくつかあり、隣の亀岡市西別院町にも「北摂バードタウン」(西別院町寺田など・旧大室区:約40世帯)や同住宅に隣接する「松風台」(西別院町万願寺大室・大室区:約60世帯)などがあるが、茨木台は2005年の国勢調査によると、193世帯529人が居住しており、最も人口規模が大きい。亀岡市東別院町にはこの他にも「城山台」(東別院町小泉小曽・城山台区:約30世帯)もあるが、こちらは谷底を走る京都府道46号茨木亀岡線に面しており、かつ大阪府側よりも亀岡側の方が便利な位置であり、立地条件が前述の住宅地とは異なる。

なお、茨木台が茨木市ではないのと同様に北摂ローズタウンや北摂バードタウンも北摂(旧摂津国北部)ではなく旧丹波国の区域に属する。

特徴[編集]

  • 道路が自治会所有の私道で維持費用も含めて住民管理であり、開発業者が1991年に倒産した際に、銀行や大阪市に差し押さえられた団地内の道路を、1998年に住民が共同自己負担で買い取った経緯がある。
  • 水道施設(飲料水井戸・配水施設・水道管など)も自治会所有で、維持費用も含めて住民管理である。また、その旨は地域内の数ヶ所に掲示されている。2004年には見立北区において新規に飲料用井戸を掘削している。また開栓料などの料金が見立北区と見立南区で異なる。
  • 標高が約500メートルであり、大阪や茨木などの市街地より気温が低い。
  • 開発当初は開発業者が茨木市側への道路を建設するとしていたが、前述の通り開発業者は倒産したため、道路開発は不可能になっている。茨木市も亀岡市民用の道路を茨木市税で建設することには否定的である。
  • 銭原停留所に至る道は、茨木市青少年野外活動センター内の道であり公道ではない。そのため、茨木市がポールとコンクリートブロックによる車止めを2箇所設けており、大型車両の通行が制限されている。ただし、その2箇所以外は比較的傾斜も少なく、道も広いため、茨木台へ至るためのメインルートとなっている。また、この車止めによって地区内の大型車両の通り抜けが防止できているというメリットもある。車止めによる大型車両の通行防止や車両通行総量の抑制は、前述の住民自己管理の道路及び道路に埋設された水道管の維持費用の抑制にもつながっている。(なお、「北摂バードタウン」でも住宅地の大阪府側と亀岡側の両方に大型車規制のためのコンクリートブロックが設置されているが、これは住民側が設置したものである。)ポールによる車止めについては、茨木市青少年野外活動センターに貸し切りバスなどによる来客がある際には一時的に撤去される時がある。
  • 学校、病院・医院、商店などの生活施設が近くにない(商店は以前は地域内にもあったが閉店)。ただし、自動車で食品を販売する業者の巡回などはある。校区である東別院小学校は約5キロ離れているが、スクールバスが500メートルほど下ったところまで通ってくるため、通学が困難とまではいえない。ただ、別院中学校にはスクールバスが存在しないため、片道約7キロの自転車通学になり、特に帰宅時の急な上り坂は大変である。ただし、山間部における中学校ではその程度の自転車通学は珍しいこととは言えないのも事実である。公立高校については、住民の要望により茨木駅へのバス路線沿いにある、大阪府立福井高等学校(茨木市)への通学が認められている。
  • 亀岡市側の道路(亀岡市道鎌倉線)は少しずつ改修が進められた結果、京都府道46号茨木亀岡線までの区間は、市道区間の拡幅工事が2009年3月完成の「鎌倉神社」付近の工事を以って完了し行き違いが容易となった。ただし、市道から分かれた茨木台への最終区間は幅員はあるものの傾斜が極めて急で、冬季に数日はある積雪時には通行が困難となる。
  • かつて、携帯電話auだけが受信できたものの電波状態は常に良好ではない地域であったが、2007年になって隣接する狩待峠近くにNTTドコモFOMAのアンテナ(NTTドコモ関西東別院鎌倉無線中継所)が建てられたため、FOMAの携帯電話の通話は非常に良好になった。なお、SOFTBANKの携帯電話は、いわゆるプラチナバンドのみ受信できる。
  • ブロードバンドインターネット接続環境の整備が遅れており、インターネット環境は長らくナローバンド回線の使用を強いられていたが、2010年よりケイ・オプティコムによるFTTHサービスが開始されている。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

参考項目[編集]

  • 北大阪ネオポリス 茨木台から南西の豊能町希望ヶ丘にある住宅地。遠隔郊外型の新興住宅地という点においては茨木台と同様である。茨木台がネット上で有名になる経緯には、この項目で茨木台が紹介されたことが由縁している。

座標: 北緯34度55分17.5秒 東経135度32分17.9秒