茎頂培養

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

茎頂培養(けいちょうばいよう)は、植物組織培養方法の1つ。の先端にある「茎頂」部を切り取り、養分を含む培地にて培養する方法。成長点培養とも言う。

茎頂部の組織はウイルスが感染しても植物体からの抵抗(RNAサイレンシング)を強く受け、ウイルス蓄積量が減少し、さらには消滅することになる[1][* 1]。これにより茎頂培養する際には頂端分裂組織に葉原基をつけた状態で摘出し、培養することでウイルスフリーの植物体を作ることができる。しかし、実際にはウイルスフリーの部分は植物種によっても異なるが、約0.2mm程度と大変小さく100%ウイルスフリー株を作ることは難しい。一般的に茎頂部を小さく摘出すればするほどウイルスフリーとなる確率は高いが、植物体に再生する確率は低くなる[1]

茎頂培養によって作出された苗をメリクロン苗と呼ぶことがある。

茎頂培養が行われる植物[編集]

通常の育苗と比べると専用の設備を必要とすることから、一般にそのコストを吸収できる程度に付加価値をつけて高価に販売できる植物種だけが経済的に成り立っている。特にウイルスフリー化による無病苗の作出により、培養期間を従来より短縮できるなどのメリットのあるラン類や収量と品質向上効果が得られる作物などでは、茎頂培養が普遍的に普及した培養法になっている。

主なものを挙げると

歴史[編集]

1960年にフランスのMorelがランの培養に成功した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 植物体の頂端分裂組織近辺にある細胞細胞分裂により常に新しい細胞が誕生しているため、新しい細胞が誕生するスピードに植物ウイルスやウイロイドなどの細胞内寄生病原の感染が追いつかず、一般的にウイルスフリーであると考えられていた[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c 志村華子「ウイルスベクターによるRNAサイレンシングとエピジェネティクス誘導」『植物の分子育種学』鈴木雅彦 編著、講談社、2011年、pp.154-155.

外部リンク[編集]