英雄行進曲

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英雄行進曲』(えいゆうこうしんきょく、Marche héroïque )は、カミーユ・サン=サーンス1871年に作曲した行進曲である。当初は2台のピアノのために作曲され、管弦楽版も編まれた。2台ピアノ版の初演はアルベール・ラヴィニャックとサン=サーンス自身により1870年に行われ、管弦楽版は1871年12月に演奏された。

サン=サーンスがパリ包囲中に計画していた愛国的なカンタータから抜粋された作品である。普仏戦争で命を落としたアンリ・ルニョーの思い出に捧げられ、また国民音楽協会の第1回演奏会で取り上げられるなど、愛国的な色彩の強い作品といえる。後にサン=サーンス自身によって追加の合唱パートが書かれた。

楽器編成[編集]

ピッコロ2、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴットホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバティンパニ小太鼓大太鼓ハープシンバル弦五部

構成[編集]

エネルギッシュな弦のユニゾンの序奏により開始される。主部の第1主題は木管で呈示され、直後に弦に受け継がれる。後半の第2主題は弦が分散和音を現わし、やがて管楽器が入って繰り返された後、弦が小結尾の動機を奏でる。その後弦による経過部を経て木管による第1主題の再現部が現れ、ピッツィカートを伴って金管に繰り返される。

第2部はハープと木管、第1ヴァイオリンの旋律を伴い、トロンボーン独奏が悲痛な主題を提示する。この主題は木管とハープに受け継がれ、第3部に移行する。

第3部はまず第1部の主題の変形を弦が提示し、後半は管楽器が入って繰り返されている間、弦のトレモロの伴奏に乗りハープが旋律を奏でる。コーダは第1主題を土台とし、テンポを速めていき、劇的なクライマックスで幕を閉じる。

参考文献[編集]