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花見忠

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花見 忠(はなみ ただし、1930年2月15日 - 2021年8月19日)は、日本の法学者。専門は、労働法労使関係。特に、使用者の懲戒権・雇用平等の研究、ILO条約日本団結権に関する研究など。学位は、法学博士東京大学)。上智大学名誉教授。名誉法学博士(ルーヴァン大学)。弁護士東京都出身。

人物

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静岡県立静岡中学校卒業[1]。1953年、東京大学法学部卒業。1957年 同大学院特別研究生を修了。ケルン大学法学部の留学や東京工業大学非常勤講師を経て、1966年 上智大学法学部教授、1971年 同大学院法学研究科委員長、1979年 同法学部長ルーヴァン大学ハーヴァード大学ロースクールコロンビア大学客員教授司法試験考査委員中央労働基準審議会会長、中央労働委員会会長、欧日産業法研究所理事、国際労使関係研究協会(IIRA)会長、日本労働研究機構研究所長を歴任。2000年上智大学を定年退職。

2001年日本労働研究機構会長[2]。2003年弁護士登録。弁護士法人松尾綜合法律事務所客員弁護士。内閣官房参与公務員制度改革担当[3])。2004年5月旭日重光章を受章。2007年4月内閣府参与。

1953年11月、東大法学部の同級生だった赤松良子(後 文部大臣)と結婚[注 1]。35年間の結婚生活を送ったが、のちに1989年[5]、還暦を前に協議離婚した。結婚3年後に長男が生まれたが[4]、2015年に58歳で他界している[6][7]

著書

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  • 労使間における懲戒権の研究 勁草書房 1959
  • ILOと日本の団結権 ダイヤモンド社 1963
  • ドイツにおける労働組合と政治 民主主義研究会 1963
  • 労働組合の政治的役割 ドイツにおける経験 未来社 1965
  • 労働基本権 労働組合を考えなおす 1969 (中公新書)
  • 労働争議 労使関係にみる日本的風土 日本経済新聞社 1973 (日経新書) のち講談社学術文庫
  • 労働の世界について考える 1979.5 (講談社学術文庫)
  • 海外進出企業の労使関係 日本経済新聞社 1983.11
  • 現代の雇用平等 三省堂 1986.4
  • 雇用と労働 日本放送出版協会 1987.10 (NHK市民大学)
  • 労働政策と労働法 日本労働研究機構 1993.12 (労働通信教育講座 平成5年度)
  • 労働政策 日本労働研究機構 1999.12 (労働通信教育講座)

共編著

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  • 西ドイツの労働裁判 石川吉右衛門 日本労働協会 1962
  • 労働法教室 労働組合法・労働関係調整法 慶谷淑夫萩沢清彦 有斐閣 1964
  • 自習労働法30問 石川吉右衛門、慶谷淑夫 有斐閣 1966.3
  • 教材労働法入門 外尾健一共編 1967 (有斐閣双書)
  • 労働法 石井照久、萩沢清彦共編 有信堂高文社 1968 (法律学ハンドブック)
  • 労使関係の法律相談 萩沢清彦共編 有斐閣 1969 (法律相談シリーズ)
  • 労働基準法50講 1973 (有斐閣双書)
  • 労災補償・安全衛生50講 保原喜志夫共編 1975 (有斐閣双書)
  • フレックスタイム 勤務時間の再検討 山口浩一郎 日本経済新聞社 1975
  • 労働組合読本 白井泰四郎神代和欣 東洋経済新報社 1977.8
  • ベルギー日系企業の労使関係 J.デュモティエ共著 日本労働協会 1979.8
  • 就業規則の法理と実務 深瀬義郎共編著 日本労働協会 1980.7
  • 変貌する国際社会 これからの国際人の条件 1982.9 (有斐閣選書)
  • 労使紛争処理の国際比較 オーストラリア、西ドイツ、イタリア、日本、米国の研究 日本労働協会 1985.2
  • わかりやすい男女雇用機会均等法 赤松良子・花見忠先生に聞く 1986.3 (有斐閣リブレ)
  • 海外勤務の実態と法理 日本労働協会 1987.3
  • 雇用均等時代の経営と労働 篠塚英子共編 東洋経済新報社 1987.7 (東経選書)
  • 明日の隣人外国人労働者 桑原靖夫共編 東洋経済新報社 1989.6 (統計研究会叢書)
  • ECと日本企業 人事労務管理の国際的展開 R.ブランパン共編 日本労働研究機構 1993.7
  • あなたの隣人外国人労働者 桑原靖夫共編 東洋経済新報社 1993.11 (統計研究会叢書)
  • アメリカ日系企業と雇用平等 日米合同調査報告 日本労働研究機構 1995.11
  • 貿易と国際労働基準 国際労働法フォーラム報告 日本労働研究機構 1997.10
  • IT革命と職場のプライバシー 欧日産業法研究所研究報告 R.ブランパン共編 日本労働研究機構 2001.6
  • 人事・労務用語辞典 日本労働研究機構共編 日本経済新聞社 2001.9 (日経文庫)

翻訳

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記念論集

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  • 労働関係法の国際的潮流 / 花見忠先生古稀記念論集刊行委員会 信山社出版 2000.1

脚注

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注釈

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  1. ^ 忠は自らの発案で戸籍上赤松姓となったが、仕事では旧姓を用いていた[4]

出典

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  1. ^ 『静中・静高同窓会会員名簿』平成15年度(125周年)版 88、89頁。
  2. ^ 以上について、『上智法学論集 42巻3・4号』 上智大學法學會, 1999年3月
  3. ^ 『政界往来,第7~12号』政界往来社、2003年、66ページ
  4. ^ a b 赤松良子「私の履歴書 第8回『結婚』」日本経済新聞・2021年12月8日。
  5. ^ 赤松良子「私の履歴書 第26回『官僚を辞す』」日本経済新聞・2021年12月27日。
  6. ^ 赤松良子「私の履歴書 第30回(最終回)『列は続く』」日本経済新聞・2021年12月31日。
  7. ^ 赤松良子の連載「私の履歴書」(日本経済新聞、2021年12月)では、元夫と息子の名は伏せられている。

外部リンク

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