花の鎖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
花の鎖
著者 湊かなえ
イラスト 丹地陽子
発行日 2011年3月10日
発行元 文藝春秋
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 296
コード ISBN 978-4-16-329970-9
Portal.svg ウィキポータル 文学
[ Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

花の鎖』(はなのくさり)は、湊かなえによる日本小説。『別册文藝春秋』(文藝春秋)にて2010年1月号から11月号まで連載され、2011年3月に刊行された。

「雪」「月」「花」の字を名前に持つ3人の女性、美雪・紗月・梨花を主人公に、それぞれの「花の記憶」と共にその生き様が描かれた物語になっている。また、その3人の女性の人生に影を落とす謎の男を巡るミステリでもある。

本作はテレビドラマ化されており、2013年9月17日にフジテレビほかで放送された。

あらすじ[編集]

両親を亡くし祖母と2人暮らしの梨花は、祖母の胃癌の手術費に困窮し、生前の母に年に1度豪勢な花束を送り続け、両親が亡くなった後に資金援助を申し出てくれた名も知らぬ「K」という人物に助けを求める。

伯父が役員を務める建設会社の同僚・和弥と結婚した美雪の目下の悩みは、結婚して3年経つのに子供ができないことだった。設計士を夢見ていた和弥が、美雪のいとこ・陽介が立ち上げた建築事務所に転職することになるが、任せられたのはまたしても営業職だった。

大学時代、山岳部に所属していたイラストレーターの紗月は、当時の仲間・希美子から夫・浩一を助けて欲しいと頼まれる。浩一とはかつて互いに想い合っていたが、理由があって離別していた。希美子の願いをきくべきかどうか葛藤する紗月は、水彩画教室を開く公民館の職員・前田に誘われ、過去の因縁を断ち切るために八ヶ岳に登る決意をする。

舞台[編集]

アカシア商店街
地方都市から在来線で30分ほどの田舎町にある商店街。5年前に国道沿いにショッピングセンターができてから、シャッターが下りている店が増えつつある。商店街の中央にある創業80年の老舗和菓子屋「梅香堂」とその名物「きんつば」は、作中何度も登場する。英会話スクールは山本生花店の二階にあった。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

梨花(りか)
倒産した英会話スクール「JAVA」元講師。27歳。
3年前に両親が事故で亡くなって以来、祖母と2人暮らし。
幼い頃から、「K」という人物から母親宛てに毎年大きな花束が贈られており、両親の死後には経済援助の申し出があったが、既に就職していたため断った。職を失ったのと、祖母が胃癌で入院することになった時期が重なり、Kに金銭援助を願い出る。
美雪(みゆき)
母方の伯父が役員を務める建設会社に事務員として就職。3年前に、伯父の紹介で同僚の和弥と見合い結婚する。実は、仕事のミスをカバーしてくれた和弥に恋をしていた。
和弥の転職に伴い、アカシア商店街のある町へ引っ越してきた。
紗月(さつき)
イラストレーター。25歳。
学生時代から趣味で花の絵を描いており、大学卒業後に偶然、山小屋で出版社の人の目に留まり、有名な作家の山岳小説の表紙に採用された。
生まれる前に父は事故死し、母の女手ひとつで育てられた。父親については「頭が良くて、山が好き」だったとしか聞いていない。
週に1度、公民館主催の「花の水彩画教室」の講師を務める。また、イラストの仕事だけでは収入が少ないため、週に4日は「梅香堂」でアルバイトをする。

その他[編集]

香西 路夫(かさい みちお)
日本のピカソと呼ばれた画家。大方の人間が「理解不能」な絵を描いた。
深い青色で描かれた作品が多い前期は「藍の時代」、鮮やかな赤色の作品が多い後期は「緋の時代」と呼ばれる。『未明の月』という作品のみは分かりやすい風景画である。
梨花の関係者
健太(けんた)
「山本生花店」店員。梨花とは小中高の同級生で、家業の花屋を継いだ。
K
生前の梨花の母親に豪華な花束を年に1度送り続けていた人物。かつて、Kから依頼の電話を受けたことのある健太の父親によると、渋い声の男性であり、花束の値段は8万円相当であるという。梨花の父親も祖母も容認し、大量の花を皆で手分けして家中に飾っていた。
秘書
Kの息子。
Kに金銭援助を求めてきた梨花と対面した際、「梨花の母親は父の愛人であった」と梨花を罵る。
専務
Kの会社の専務。
梨花の祖母の見舞いに訪れる。
美雪の関係者
和弥(かずや)
美雪の6歳年上の夫。建設会社の営業職。美雪の従兄・陽介とは大学の同級生。
元々、設計の仕事がしたかったこともあり、陽介に誘われ、彼が立ち上げた建築事務所に転職する。自分が引いた図面には「K」とサインを入れる。
加代(かよ)
美雪の幼なじみ。
陽介(ようすけ)
美雪の伯父の息子(従兄)。和弥とは大学の同級生。
東京の大学院生だった時、夏美と結婚した。
大学院修了後、父の会社に就職するも、約1年で父の反対を押し切り、独立し建築事務所を設立した。
夏美(なつみ)
陽介の妻。
結婚して数年経っても子宝に恵まれない美雪の気持ちを慮らない言動をするなど、デリカシーに欠けたところがある。
森山 清志(もりやま きよし)
建築事務所の事務員。20歳。
工務店で現場の仕事をしていたが、和弥が職員の募集をかけた際、工務店の主任の紹介で転職した。自分の家を一から建てるのが夢。
紗月の関係者
前田(まえだ)
公民館職員。
紗月と希美子の口論の現場に居合わせ、希美子の頼みを叶えるために、紗月と共に八ヶ岳へ登る。
希美子(きみこ)
紗月の東京の短大時代の同級生で、寮の同室者。
夫・浩一を助けて欲しいと紗月に求める。紗月への手紙の差出人名を「K」と記す。
短大時代、倉田と浩一を巡って、紗月を一方的にライバル視していた。
倉田(くらた)
紗月と希美子と同じ寮の先輩。
希美子をW大学の山岳同好会に勧誘し、結果的に紗月も入会した。紗月から人柄を「高山植物の女王」であるコマクサにたとえられる。
香西路夫のファン。
浩一(こういち)
希美子の夫。山岳同好会の先輩。
紗月は初対面の時、なぜか「お父さん」と呼んでしまい、面白がったメンバーらによって「娘」と認定された。

書誌情報[編集]

テレビドラマ[編集]

花の鎖
ジャンル テレビドラマ
原作 湊かなえ『花の鎖』
企画 佐藤未郷
太田大
脚本 篠崎絵里子
監督 中江功
出演者 中谷美紀
松下奈緒
戸田恵梨香
製作
プロデューサー 渋谷未来
篠原茂
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2013年9月17日
放送時間 火曜 21:00 - 23:13
放送分 133分
回数 1
公式サイト
テンプレートを表示

『花の鎖』のタイトルでテレビドラマ化。2013年9月17日(火曜) 21:00 - 23:13 にフジテレビ系列で放送。中谷美紀松下奈緒戸田恵梨香のトリプル主演作となっている[2]

キャスト[編集]

1965年[編集]

1986年[編集]

2013年[編集]

スタッフ[編集]

  • 原作 - 湊かなえ『花の鎖』(文藝春秋刊)
  • 脚本 - 篠崎絵里子
  • 音楽 - 神坂享輔
  • 監督 - 中江功
  • 音楽プロデュース - 千葉篤史
  • 助監督 - 高橋貴司
  • CG - 岡野正広
  • 水彩画 - 旦保瑞香、くめまいこ
  • 医療指導 - 原義明
  • 建築指導 - 細谷功
  • 擬闘 - 佐々木修平
  • 企画協力 - 文藝春秋
  • 編成企画 - 佐藤未郷、太田大
  • プロデューサー - 渋谷未来、篠原茂
  • プロデューサー補 - 山本梨恵
  • 制作 - フジテレビ
  • 制作著作 - テレパック

出典[編集]

外部リンク[編集]