舟山康江
舟山 康江 ふなやま やすえ | |
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![]() 農林水産大臣政務官就任に際して公表された肖像写真 | |
生年月日 | 1966年5月26日(53歳) |
出生地 |
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出身校 | 北海道大学農学部農業経済学科卒業 |
前職 | 国家公務員(農林水産省) |
現職 | 参議院議員(2期) |
所属政党 |
(民主党→) (みどりの風→) 無所属 |
称号 | 農学士(北海道大学・1990年) |
公式サイト | 舟山やすえオフィシャルサイト |
選挙区 | 山形県選挙区 |
当選回数 | 2回 |
在任期間 |
2007年7月29日 - 2013年7月28日 2016年7月26日 - 現職 |
舟山 康江(ふなやま やすえ、1966年5月26日 - )は、日本の政治家、農林官僚。参議院会派「立憲・国民.新緑風会・社民」所属の参議院議員(2期)、国民民主党参議院国会対策委員長[注 1]。
農林水産大臣政務官(鳩山由紀夫内閣・菅内閣)、民主党副幹事長、みどりの風共同代表、同政調会長などを歴任した。
来歴[編集]
埼玉県越谷市生まれ。旧姓は別府[1]。1985年3月、埼玉県立浦和第一女子高等学校卒業。1年浪人したのち北海道大学に入学。学生時代は勉学より合気道に打ち込んだという[2]。1990年3月、同大学農学部農業経済学科卒業。同年4月、農林水産省に入省[3]。
2000年3月、農林水産省を退官。同年4月、大学受験予備校で知り合って以来交流の続いていた友人と結婚[2][4]。夫の実家である山形県小国町に転居し[5]、小国ガスエネルギー株式会社専務に就任する[6]。
2004年1月、連合山形、民主党、社民党は、同年7月の第20回参議院議員通常選挙に向けて政治センターを立ち上げ、前年の総選挙・山形3区で落選した元衆議院議員の斉藤淳を統一候補として擁立しようとした。しかし斉藤は不出馬を表明し、民主党は候補を探し出せない状態が続いた。しびれを切らした社民党は木村正弘を擁立[7]。民主党衆議院議員の篠原孝は農林水産省時代の部下であった舟山に声をかけ、民主党県連は2004年4月19日に常任幹事会を開き、舟山の擁立を決定した[8]。同年7月の参院選で243,672票を獲得したが、自由民主党の岸宏一に敗れ落選した。
2007年、第21回参議院議員通常選挙に再び山形県選挙区から民主党公認で出馬。371,071票を獲得し、初当選した[9]。2009年、鳩山由紀夫内閣で農林水産大臣政務官に任命され、菅内閣まで務める[6]。2010年10月21日には、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に反対する「TPPに関する緊急勉強会」の発起人の一人として会合に参加した[10]。2011年民主党代表選挙の際には、鹿野道彦の推薦人の一人となった[11]。

2012年7月17日、民主党に離党届を提出[12][13][14][15](7月24日付で受理[16][17])。同日、同様に民主党を離党した谷岡郁子、行田邦子及び国民新党を離党した亀井亜紀子、舟山の4人で「原発ゼロ社会」「反TPP」「本当の意味での一体改革」「国会改革」を掲げる新会派「みどりの風」を結成した[18]。2012年11月15日、民主党を離党した衆議院議員・山崎誠の入会により、みどりの風は政治資金規正法上の政党になったため、みどりの風共同代表に就任した(谷岡、行田、舟山、亀井の4人による共同代表制)。
2013年1月28日、共同代表制の廃止により、みどりの風政調会長に就任[19]。同年7月、第23回参議院議員通常選挙に再選を目指して山形県選挙区から出馬[20]。252,040票を獲得したが、自民党新人の大沼瑞穂に2万票余りの差で敗れ落選した[21]。落選後、山形県小国町でJA婦人部として地域農業の現場から活動を再開。2014年に一般社団法人置賜自給圏機構の設立に関わり常務理事を務めている[22]。
2015年12月12日、第24回参議院議員通常選挙に無所属で出馬することを表明[23]。当初は野党統一候補として民主党・日本共産党・社会民主党の推薦を得る予定だった[24]が、共産党が前面に出ることを避けたい民主党・社民党・連合山形との調整が付かず、共産党が推薦を断念した[25][26]。公示直前の2016年6月19日には、西谷修やSEALDsメンバーで構成された「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」との間で、平和安全法制の廃止などを掲げる政策協定を締結した[27]。7月10日の投開票で自民党候補を破り3年ぶりに返り咲きを果たし、2期目の当選[28]。当選後無所属のまま会派「民進党・新緑風会」に入会し、国会対策委員長代理と予算委員会次席理事に就任した[29][30]。一方で翌年2017年に行われた第48回衆議院議員総選挙で全選挙区の野党候補が比例復活もできず落選したため舟山は衆議院・参議院合わせて唯一の山形県選出の野党議員になった[31]。2018年5月7日、国民民主党結党に伴い所属会派も「国民民主党・新緑風会」に改称、舟山は党籍を持たない無所属議員ながら同会派の参議院国対委員長に就任した[32]。
政策・主張[編集]
農林水産業[編集]
2008年2月20日、農林水産委員会で米国産牛肉について質疑。日本では使用が禁止されている肉骨粉が、アメリカ合衆国では牛肉以外には使用されている点を指摘し、アメリカに査察官を派遣して飼料規制を強化するべきと主張した[33]。
2008年3月27日、農林水産委員会で食育と食の安全について質疑。学校教育を通じての取り組みを重視し、食育により農業への理解を深めることを主張した。また、中国製冷凍ギョーザ中毒事件を引き合いに中国産の食材を学校給食に使用している点を批判し、地産地消推進のために助成を行うべきと述べた[34]。
2010年3月19日、農林水産委員会で農家の後継者不足・所得減少について答弁。所得減少の要因として、消費の多様化による需要の変化に生産が追い付いていない点や農産物価格の低迷と資材価格の上昇による手取りの減少を挙げ、対策として戸別所得補償制度の本格的な導入や6次産業の推進を主張した[35]。
2010年5月11日、総務委員会で宮崎県で発生した口蹄疫問題について答弁。「野党から10年前の口蹄疫発生時よりも対応が遅いという声が出ている」という外山斎の質疑に対し、「遅いということは決してないと思っております」と答え、口蹄疫防疫指針に基づき迅速に対応していると述べた[36]。
原子力発電[編集]
2012年3月28日、環境委員会で原子力発電所再稼働について質疑。大飯発電所の再稼働には地元の理解が必要であり、理解が得られない場合は再稼働を中止することも必要と主張した[37]。また、「電力が足りない、だから原発を動かすというのは、これは全く違うと思う」と述べ、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の調査結果が出ていない点や、原子力規制庁の設置がされていない状態での再稼働議論を疑問視した[37]。
外交[編集]
2008年4月18日、決算委員会で思いやり予算について質疑。アメリカ軍が駐留するドイツ・韓国などの他国と比較して日本が負担する金額が膨大であると批判し、労務費・光熱水費・住宅整備費などの見直しを求めた[38]。
政治資金問題[編集]
2010年4月1日、資金管理団体「舟山やすえを支援する会」が、2008年1月10日に舟山の政策秘書から58万円の寄付を受けていたことが発覚した[39]。政策秘書は篠原孝の事務所出身の前任秘書から「事実上寄付を要求されていた」とされ、秘書に寄付を要求することを禁止する国会議員秘書給与法に違反する可能性が指摘されている[39]。政策秘書は事務所を辞める際に58万円を返還されたが、政治資金収支報告書には記載されていなかった[39]。
疑惑について、舟山は「寄付という認識はなくお願いしたこともない」と答え、政治資金収支報告書に記載がないことについては「一時期預かってすぐ返したので特に寄付として書くものでもない」と述べている[40]。
脚注[編集]
- ^ “別府雪子さん死去/舟山康江参院議員の母”. 四国新聞. (2017年1月13日) 2017年11月29日閲覧。
- ^ a b 『みわちゃんねる突撃永田町!!』第82回 民主党舟山康江議員、2008年10月。
- ^ プロフィール | 舟山やすえ|山形県 参議院議員 オフィシャルサイト
- ^ 突撃永田町!みわちゃんねるの取材 | 舟山やすえ|山形県 参議院議員 オフィシャルサイト
- ^ 根ほり葉ほり 参議院議員 舟山康江さん(46) 『朝日新聞デジタル』2012年7月30日
- ^ a b “菅内閣大臣政務官名簿”. 首相官邸. 2016年6月30日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2004年7月13日付朝刊、31面、「保守地盤にほころび 参院選山形選挙区の戦い振り返る /山形」。
- ^ 『朝日新聞』2004年4月20日付朝刊、33面、「民主、参院選に元農水官僚を擁立 小国町の舟山康江氏 /山形」。
- ^ “選挙区 山形県 : 開票結果 : 参院選2007”. 読売新聞. 2016年6月30日閲覧。
- ^ “与党、反TPP勉強会を開催 発起人に鳩山氏ら114人”. 日本経済新聞 (2010年10月21日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “5候補の推薦人一覧 民主代表選”. 日本経済新聞 (2011年8月27日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “反原発掲げ女性4人新会派「みどりの風」設立へ”. 読売新聞. (2012年7月17日). オリジナルの2012年7月20日時点によるアーカイブ。
- ^ “民主党:3参院議員が離党…小沢新党に合流せず”. 毎日新聞. (2012年7月17日). オリジナルの2012年7月23日時点によるアーカイブ。
- ^ “参院民主3氏、離党届 脱原発掲げ新党模索”. 朝日新聞. (2012年7月17日). オリジナルの2012年7月17日時点によるアーカイブ。
- ^ “民主参院議員3人離党 亀井亜紀子氏と新会派「みどりの党」”. 産経新聞. (2012年7月17日). オリジナルの2012年7月17日時点によるアーカイブ。
- ^ “民主、3氏の離党届受理=参院会派「みどりの風」結成”. Yahoo!ニュース. 時事通信. (2012年7月24日). オリジナルの2012年7月27日時点によるアーカイブ。
- ^ “民主、3参院議員の離党を承認”. 産経新聞. (2012年7月24日). オリジナルの2012年7月24日時点によるアーカイブ。
- ^ “反原発掲げ女性4人新会派「みどりの風」設立へ”. 読売新聞. (2012年7月17日) 2012年7月20日閲覧。
- ^ “みどりの風、代表に谷岡氏 共同代表制は廃止”. 日本経済新聞 (2013年1月28日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “選挙:参院選・山形選挙区 舟山氏、出馬表明 非自民が共闘模索、一本化焦点に /山形”. 毎日新聞. (2013年2月13日) 2013年3月8日閲覧。
- ^ 47NEWS【2013参院選】県区で大沼氏が初当選 舟山氏下す 『山形新聞』2013年7月22日
- ^ “社団法人概要”. 一般社団法人置賜自給圏機構. 2016年6月21日閲覧。
- ^ “参院山形、舟山元参院議員が出馬へ 元「みどりの風」、民主・社民推薦へ”. 産経新聞 (2015年12月12日). 2016年6月18日閲覧。
- ^ “〈参院選山形〉野党統一候補に舟山氏”. 河北新報 (2016年3月2日). 2016年6月18日閲覧。
- ^ “〈参院選山形〉共産 舟山氏の推薦断念”. 河北新報 (2016年6月21日). 2016年6月21日閲覧。
- ^ “〈参院選山形〉埋まらなかった深い溝”. 河北新報 (2016年6月21日). 2016年6月21日閲覧。
- ^ “市民連合と舟山氏が政策協定”. 朝日新聞 (2016年6月20日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “舟山康江 参院選2016”. 読売新聞. 2016年7月11日閲覧。
- ^ “参院新勢力が確定=舟山氏民進入り、元気解散”. 時事通信 (2016年7月28日). 2016年8月2日閲覧。
- ^ “3年ぶりに舟山氏が登院、決意新たに 臨時国会召集”. 山形新聞 (2016年8月2日). 2016年8月3日閲覧。
- ^ その後、2019年に行われた第25回参議院議員通常選挙で野党統一候補が当選したため、山形県選出の野党議員は現在2人になっている。
- ^ “国民の新会派、舟山氏が国対委員長に 無所属では異例”. 山形新聞 (2018年5月10日). 2019年2月17日閲覧。
- ^ “第169回国会 参議院農林水産委員会会議録 第1号 (PDF)”. 参議院 (2008年2月20日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “第169回国会 参議院農林水産委員会会議録 第4号 (PDF)”. 参議院 (2008年3月27日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “第174回国会 参議院農林水産委員会会議録 第4号 (PDF)”. 参議院 (2010年3月19日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “第174回国会 参議院総務委員会会議録 第17号 (PDF)”. 参議院 (2010年5月11日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ a b “第180回国会 参議院環境委員会会議録 第3号 (PDF)”. 参議院 (2013年3月28日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “第169回国会 参議院決算委員会会議録 第3号 (PDF)”. 参議院 (2008年4月18日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ a b c “民主・舟山政務官、元秘書から寄付受領 08年に58万円”. 日本経済新聞 (2010年4月1日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “舟山政務官「寄付という認識なく、返金した」”. 日本経済新聞 (2010年4月1日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ 但し、国民民主党の党籍は持たない
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 舟山やすえオフィシャルサイト
- やすえの活動日記(公式ブログ)
- 舟山やすえオフィシャルブログ
- 舟山康江 - Facebook
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