舞妓変身

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鬘、人力車、カメラなどから、本物でないとわかる

舞妓変身(まいこへんしん)とは、主に京都市内、特に祇園周辺で、舞妓や姿を体験したい観光客に舞妓や芸妓などの着物などの着付けを施し、その変身願望を満足させるためのサービス業。こうした舞妓や芸妓の装束を身につけた一般人を観光舞妓(かんこうまいこ)、変身舞妓と呼ぶ場合もある(芸妓の場合は観光芸妓、変身芸妓などと呼ぶが舞妓に比べて数は少ない)。男性向き、子ども向きのサービスも行われている。初期のころは京都の東映太秦映画村内でのものが有名であったが、次第に市内の花街の元置屋や近隣の写真館などもサービスを行うようになるなど、広がりを見せている。

舞妓変身のサービス業の拡大につれ、舞妓の衣装を着けた観光客が市内で飲食を行う姿などが、事情を知らない他の観光客から本物の舞妓と勘違いされる場面が増え、「祇園文化の誤解を招く」と問題視されるようにもなった[1]。そのため、本物に近い扮装を施す場合ほど、観光舞妓の自由な街歩きを制限する傾向にある。とくに日本文化に疎い海外では、変身舞妓の写真が本物として認識されやすく、安物の着物や崩れた着付けなど誤った情報が流通している(Wikipedia海外版でも観光舞妓の画像が芸者としてしばしば紹介されている)。

本物の舞妓との違い[編集]

本物の舞妓(豆ちほ)の例。下唇にしか紅を乗せていない化粧やびらびらかんざしから、舞妓になって日が浅いことがわかる
  • 着物や髪型、化粧、簪など、本物の舞妓衣装には、経験年数や季節感に基づいた多くの約束事があるが、観光舞妓の場合、これを無視した取り合わせになっている。
  • 本物の舞妓は髷を自髪で結うが、観光舞妓の場合は鬘である(全カツラと半カツラがある)。芸妓の場合は本物も鬘。
  • 舞妓の白化粧は、額の生え際に向かってきれいなぼかしになっているが、観光舞妓の化粧は生え際までべったり白いことが多い。また襟足の化粧の施し方も、本物の約束事は守られていないことが多い。
  • 祇園の舞妓は基本的に歯を客に見せないようにしつけられる(歯を見せて笑わない、食べない)。本物の舞妓が舞妓衣装のまま飲食を行う場所はごく限られている。
  • 本物の舞妓は着物の両方の褄(つま)を合わせて左手で持つが、観光舞妓の場合、着物の長い裾の取り扱いに慣れない観光客のために褄をからげてある場合が多い。
  • 着物の素材や着付けの良し悪し、身のこなしなどに本物との違いがある。
  • 本物の舞妓や芸妓はきらびやかな着物姿で昼間の時間帯に無目的に出歩くことはない。

舞妓変身の例[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 観光舞妓問題 変身処案内ANIMATO 1999年8月31日