自己中心性

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自己中心性

自己中心性 (じこちゅうしんせい、: egocentrism)とは、自分と他人が区別できないことである。具体的には、主観的スキーマを客観的現実から導くことができないこと、また自分以外の視点を正確に想定・理解することができないことである[1][2]。単に自己中心(じこちゅうしん)、これを強調的に指す場合は自己中心的(じこちゅうしんてき)とも言う。発展した解釈で「利己的な」という意味で使われるが、本来の意味からすると誤りである。自分と異なる価値観があることを理解できずに自己の利益や主張を優先するという点で利己的とは異なる。

自己中心性とナルシシズムは類似しているが、同じではない。自己中心者はナルシシストのように、己が注目の中心であると信じているが、実際には他からの称賛による満足は得られていない。利己主義者(エゴイスト)もナルシシストも、他者からの称賛により自我が大きく左右される人々であるが、一方で自己中心者では、そうあることも、そうでないこともある。

自己中心性は、ヒトの生涯全体にわたって見ることができる。幼児期[3]、児童期[4][5]青年期[6]、そして成人期[4][7]で確認される。児童の心の理論自己同一性形成の発達を助けることで、人の認知機能は発達させることができる。

自己中心な性格の人を「お山の大将」と呼ぶこともある。解釈にもよるが、自己中心という言葉は、己の道を歩むリーダーシップという解釈もできる。周囲の人間を無視あるいは軽視するなど、いわゆる「わがまま」などの意味で使う場合は、利己的を含めた意味で使用されることが多い。一般的に「自己中(ジコチュー)」と略され、流行語ではカタカナ表記される。

幼年期[編集]

幼児期の心理特性は、自分を基準にして世界を解釈することである。自分を客観視することや、自分とは異なる価値観があることを理解するのは困難である。発達的認識論英語版の中で、ジャン・ピアジェが唱えた、2歳から5歳頃に経る世界の見方や認識の仕方[8]。例えばかくれんぼで遊ぶ時、この時期の子供は自分の目をつむって隠れたことにすることがある。これは「自分から自分が見えない」=「他人からも自分が見えない」と考え、まだ客観的な見方が不足していると推察できる[9]。ピアジェはこの段階を「前操作段階」と呼んだ。

脚注[編集]

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  1. ^ Anderman, Eric M.; Anderman, Lynley H. (2009). “Egocentrism”. Psychology of Classroom Learning: An Encyclopedia 1: 355–357. http://go.galegroup.com/ps/i.do?id=GALE%7CCX3027800102&v=2.1&u=cuny_hunter&it=r&p=GVRL&sw=w&asid=728b0bdaba5697edd4c746b81143d889. 
  2. ^ Young 2011, p. 134.
  3. ^ Onishi, K. H., Baillargeon, R. (2005). “Do 15-month-old infants understand false beliefs?”. Science 308 (5719): 255–258. doi:10.1126/science.1107621. PMC: 3357322. PMID 15821091. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3357322/. 
  4. ^ a b Epley, Nicholas; Morewedge, Carey K; Keysar, Boaz (2004-11-01). “Perspective taking in children and adults: Equivalent egocentrism but differential correction”. Journal of Experimental Social Psychology 40 (6): 760–768. doi:10.1016/j.jesp.2004.02.002. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022103104000241. 
  5. ^ Wimmer, H., Perner, J. (1983). “Beliefs about beliefs: Representation and constraining function of wrong beliefs in young children's understanding of deception”. Cognition 13 (1): 103–128. doi:10.1016/0010-0277(83)90004-5. PMID 6681741. http://www.sscnet.ucla.edu/polisci/faculty/chwe/austen/wimmerperner.pdf. 
  6. ^ Adams, G. R., Jones, R. M. (1982). “Adolescent egocentrism: Exploration into possible contributions of parent-child relations”. Journal of Youth and Adolescence 11 (1): 25–31. doi:10.1007/BF01537814. PMID 24310645. 
  7. ^ Keysar, B., Barr, D. J., Balin, J. A., Brauner, J. S. (2000). “Taking perspective in conversation: The role of mutual knowledge in comprehension”. Psychological Science 11 (1): 32–38. doi:10.1111/1467-9280.00211. PMID 11228840. 
  8. ^ Miles Hewstone,etc.,Psychology,BPS textbooks,2005,page190,19
  9. ^ 小学館の図鑑NEO 第13巻「人間 いのちの歴史」(ISBN 4-09-217213-3)、2006年小学館、144頁

参考文献[編集]

  • Caputi M.; Lecce S.; Pagnin A.; Banerjee R. (2012). “Longitudinal effects of theory of mind on later peer relations: The role of prosocial behavior”. Developmental Psychology 48 (1): 257–270. doi:10.1037/a0025402. PMID 21895361. 
  • Young, Gerald (2011). Development and Causality: Neo-Piagetian Perspectives. New York, NY: Springer. ISBN 978-1-441-99421-9. 

関連項目[編集]