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臓器提供意思表示カード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

臓器提供意思表示カード(ぞうきていきょういしひょうじカード)とは、日本臓器の移植に関する法律に則って、自らの臓器提供に関して意思を表示するための、日本臓器移植ネットワークが発行しているカードである。ドナーカードとも称される。

概要

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現在発行されている免許証の裏面

脳死判定に従い脳死後に臓器を提供する意思、心臓死後に臓器を提供する意思、あるいは臓器を提供しない意思を表示することができる。健康保険証運転免許証に貼り付けることができる意思表示シールもある。

日本全国の郵便局都道府県庁運転免許試験場市町村役場保健所コンビニエンスストアなどで手に入れることができる。自分で意思表示カードに記載し、財布、運転免許証健康保険証など共に持ち歩けばよく、特にどこかに届け出をしたり、登録をする必要はない。また同様の文面であれば自作でも効力があるが、形式や文章を変えると場合によっては、無効となるケースもあるので注意が必要。近年では意思表示ができる欄のある保険証があったり、日本臓器移植ネットワークの公式サイトでも、インターネットで意思表示が登録可能になっている。また、2010年(平成22年)10月21日以降に発行される運転免許証の裏面下部には、臓器提供意思を記す欄が設けられている。

2010年(平成22年)7月17日以降は、脳死移植は家族の同意が得られれば、認められるようになった。2010年(平成22年)7月16日までは、脳死移植に関する生前の意思表示は『遺言の一種』であるという解釈から、民法上の遺言可能年齢に準じて15歳以上であれば、記入し所持することにより、意思表示が有効であると認めていた。

日本臓器移植ネットワークの調査によれば、日本で臓器移植法が施行された1997年(平成9年)10月から2007年(平成19年)12月までの10年間に、全国の医療施設で死亡した人で意思表示カードを持っていた人は1397例あり、そのうち脳死による臓器移植は63例行われた[1]。1334例で臓器提供に至らなかった理由は、カードの記載不備などで意思表示が不明確だった事例が376例、脳死判定ができない病院だった事例が475例、家族の同意が得られなかった事例が219例などである[1]

提供可能な臓器

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脳死

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心臓死

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脚注

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  1. ^ a b 相川厚 2009, p. 196.

参考資料

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  • 相川厚『日本の臓器移植 ー 現役腎移植医のジハード』河出書房新社、2009年。ISBN 9784309244785 

関連項目

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外部リンク

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