胎児の人権
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胎児の人権(たいじのじんけん、Fetal rights)とは、胎児の法的、倫理的権利。日本の法においても、胎児に権利能力を認める条文に胎児の権利の概念が反映されている。プロライフの文脈でもしばしば言及される。
日本の民法・刑法[編集]
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
民法において、権利・義務の主体となることの出来る資格である権利能力は通常、出生によって全ての人が取得する(民法1条の3)。胎児は厳密には出生していないので原則として権利能力がない[1]。
しかしながら胎児の父親が交通事故に遭って死亡した場合、もしこの原則をそのまま適用するとすれば、胎児が出生する前に死亡すれば、妻(胎児の母親)が3分の2、父親の両親(健在である場合)が3分の1を相続するが、胎児が出生した後に死亡すれば、妻と生まれたばかりの子が2分の1ずつ相続することになる。僅かな時間の差でこのような問題が発生する事も有り得る不合理を解消するため、民法886条は胎児について相続の場面において生まれたものと看做す事によって権利能力を認めている[1]。
民法721条においては、損害賠償請求権についての権利能力も認められている[1]。また胎児に遺贈する事は民法965条で認められている[2]。
刑法においていつ胎児が人となるのかについては議論が分かれているが、一部露出説が通説となっている。母体から胎児が一部でも露出すれば人になったと考えられている。胎児が一部でも露出していれば、胎児だけに向かって攻撃を加える事が可能になるため、保護すべき必要性が出て来るとされるためである[3]。従って妊婦を殺害した結果胎内に居る胎児が死亡したといった事例においては、胎児については殺人罪(刑法199条)は非適用の可能性が高い。
アメリカ合衆国[編集]
アメリカ合衆国では、胎児の人権を認める法により、女性が麻薬、アルコールで胎児に害を与えたことを理由として、女性の拘禁、入院、親権剥奪の例がある。親のタバコも問題にされる。[4][5]
脚注[編集]
- ^ a b c 内田貴『民法I - 総則・物権総論』90頁 - 92頁(東京大学出版会、1994年、第2版2000年)
- ^ 鎌野邦樹『現代民法学』17頁、成文堂、初版2000年 ISBN 9784792323714
- ^ 伊藤真『伊藤真の刑法入門』136頁、日本評論社、2002年初版 ISBN 9784535510913
- ^ Rosenburg, J. (2004). Low Birth Weight Is Linked to Timing of Prenatal Care and Other Maternal Factors. International Family Planning Perspectives, 30 (2). Retrieved July 31, 2006.
- ^ "Legislators Want To Ban Pregnant Women From Smoking." (June 14, 2006). The Hometown Channel. Retrieved July 31, 2006.
参考文献[編集]
- 内田貴『民法I - 総則・物権総論』(東京大学出版会、1994年、第2版2000年)
- 伊藤真『伊藤真の刑法入門』136頁、日本評論社、初版2002年 ISBN 9784535510913
- 鎌野邦樹『現代民法学』17頁、成文堂、初版2000年 ISBN 9784792323714
- 『小さな鼓動のメッセージ』辻岡健象 小さないのちを守る会 いのちのことば社 ISBN 4264014212
- 『フェミニズム歴史事典』ジャネット・K. ボールズ、ダイアン・ロング ホーヴェラー共著、明石書店 ISBN 4750313254