股縄

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股縄(またなわ)はをT字状に股間にまわしたもの。緊縛において受けの性的興奮を高める効果を狙う。肌に直接巻く場合もあれば、服の上から縛る場合もある。圧力を集中させたい個所には結び目を作る。

概要[編集]

日本の緊縛において行なわれる縄がけの技法の一つ。性器に縄で刺激を与えることで性的興奮を喚起すると同時に、被虐心を煽るもの。性器に重なるように縛る場合と、性器が割り開かれるように数本を分けて縛る場合がある。実際にはよく毛羽をとってほぐした縄でなければ痛みばかり感じることになる。綿ロープは柔らかいので痛みは無いが伸縮するため拘束感に乏しい。時代小説に登場する股縄は、これを掛けられると女性は途端に大人しくなるため、姫縄・姫縛りと呼ぶことがある。

方法と効用[編集]

股縄は女性器を狙った猥褻な責め縄である[1]。 

女体緊縛では、女性を高手小手縛り、後ろ手乳房縛り亀甲縛りなどで緊縛してから股縄をかける。 「縛り」の目的は肉体の拘束であるが、股縄は性的嗜虐のために女性器に縄を締めこむ責め縄であり、「女縛り」という倒錯した性的欲望、背徳の快楽のための縄掛けである。 昭和40年頃までは、股縄を緩く擦れさせて女性の性的興奮を誘発させる好事家もいたが、近年では股縄を女性器に厳しく喰い込ませて愉しむ傾向が強い[2]。  

緊縛愛好家は、女性が股間に縄を挟み羞恥する姿に魅了される。 女性は性器肛門への縄の直接的な刺激で性的興奮を誘発され、さらに陰部を縛られるという羞恥により精神的被虐感が高揚される[3]

股縄は「褌」という服飾文化をもつ日本の縄掛けであり、海外でも日本の女縄として「Sakura(サクラ)」という和名の呼称で広く愛好家に知られている[4]

股縄と剃毛[編集]

1990年代にヘアヌードが解禁になるまで、女性緊縛モデルの多くは剃毛していた。 これは陰毛猥褻物に該当して法規制の対象であったため、陰毛をなくすことで取締りを避けようと考案された抜け道である。 この抜け道がSMマニアの剃毛趣味に合致してブームとなった。   

  • 1970年代前半までは、緊縛ヌードでも陰部や股間を露出することはなかった[5]
    • 下着、布の小片、縄、腰をひねったポーズなどで陰部を隠す。
    • 編集段階で陰部全体に修正をかける。
  • 1970年代半ばから90年代の解禁までの緊縛ヌードは、陰毛を剃り落とし、露出した陰部に股縄を喰いこませた女性モデルの姿が多くなる。  
    • 剃毛した股間に、縄を4~8本並べて縄褌のようにして性器を隠す[6]
    • 剃毛して、2本位の縄を陰裂に沈み込ませ、性器の内部を縄が隠すように縛る[7]。 
  • 1990年代の解禁により、描写が許された陰毛と股縄で女性器内部を隠すように工夫した緊縛ヌードが多く見られるようになった[8]
  • 欧米では、緊縛モデルになる女性のほとんどが剃毛している。 日本の緊縛術の普及により、厳しい股縄(Crotch rope)を剃毛した陰部に喰いこませている[9]。 

股縄の形状[編集]

T字状とY字状の縄[編集]

  • T字状の股縄は、腰周りに一周させた縄を臍のあたりで結び目を作り、そのまま下へおろして股間を潜らせ、背後で再び腰周りの縄に結ぶ。緊縛教則本や、欧米のボンデージなどでもよく見られる股縄である[10]
  • Y字状の股縄は、緩めに掛けた腰周りの縄を正面で結び、強く下へ引きながら股間を潜らせる。正面から見ると、Y字形の股縄が女性の腹部の柔肉を圧迫しながら性器に喰い込む。女体の臍から下腹部にかけての視覚的な印象が強くなるY字状の股縄を好む愛好家もいる[11]

股菱縄[編集]

股縄が性器を割り裂くように縄掛けするのに対し、股菱縄は性器を左右から挟むように縄掛けして、股間を潜らせる緊縛法である。

  • 股間に潜らせる正面の2本の縦縄を、背後から廻した横縄でそれぞれ左右に引き絞る。縦縄が腹部で菱形に広がり、縄が恥丘の外側から股間に潜り込む。股間で結び目を作るか、そのまま背後に縄を廻す[12]。 
  • 同様に背面の縦縄で臀部に菱形を作ることもできる。肛門周辺に縄がないことから肛門調教浣腸プレイを容易に施すことができる。

縦縄のみの股縄[編集]

首縄から真っ直ぐに下ろした縦縄を股間に潜らせ、背後で再び首縄に通して縄尻を後ろ手縛りの縄に結ぶ。簡潔な縄掛けで拘束感は少ないが、視覚的な猥褻さは他の股縄と同じである[13]

手で引く股縄[編集]

陰部を潜らせた縄を腰縄に結ばず、そのまま責め手が縄尻を握ることもある。縄を引きながら女性の反応を愉しめる[14]

妊婦縛りと股縄[編集]

妊婦縛りは、膨れた腹と大きな乳房、黒い乳首など妊婦特有の肉体を縛る倒錯性があり、母乳搾りなどの責めも行えることから、一部愛好家に人気がある[15]。 

  • 妊婦を後ろ手縛りにして乳房にも縄掛けした後、妊婦腹の周囲を大菱縄で囲むようにして緊縛する。下腹部から恥丘の辺りで縄を結んで菱縄を完成させ、残った縄をそのまま股間に潜らせ股縄にする。胎児を圧迫する腰や胴回りに縄を掛けない[16]。 
  • 嗜虐趣味としての妊婦縛りは、すでに明治時代に女責めの一分野として確立されている。明治18年に発表され、女の責め絵の発端ともなった月岡芳年の「安達ヶ原ひとつ家の図」では、後ろ手に縛られた裸の妊婦が天井の梁から逆さに吊るされ、そばで老婆が臨月腹を切り捌く包丁を研いでいるという、猥褻で残虐で恥辱のある構図になっている[17]

股縄責め[編集]

縄の工夫[編集]

  • 縄に瘤(結び目)を作り、瘤が陰裂に沈むように股縄を掛けると刺激が強まる。瘤が陰核に触れるように瘤の位置を調節する。また、瘤は異物感として会陰部・肛門の性感を刺激する[18]
  • 性器に1本の縄を埋め込み、さらに2本の縄を左右から性器を挟むように掛ける。左右と中央の縄で陰唇を挟み込んだ股縄になる[19]。 
  • 性器や肛門に埋め込んだ責め具、肛門栓などの抜け落ち防止に股縄で固定する[20]

曳き縄[編集]

股縄に曳き縄を結び、女性に歩くことを促す。 

  • 野外の散歩、移動などの他、同好者の集まりでの連縛調教、仮想奴隷市場、緊縛撮影会に引き出す趣向に利用する[21]

重り[編集]

股縄の縄尻を高所の滑車に通し、先端に重りや水の入った容器を吊して責めることがある。重量物により極度に緊張したロープが、女性の性器を厳しく責める[22]

調教索[編集]

馬の調教は、10メートル位の調馬索を口に咬ませたハミに繋ぎ、馬を制御しながら行う。女性の調教では、股縄を調教用の索として使用し、女性の姿勢や動きを操りながら運動や芸をさせることがある。 

  • 女性を四つん這いの姿勢にして、首か胴部に巻いた縄を身体の下から股間を通して上に引きあげ、調教師が背後で縄尻を握る。女性は縄を引く力の強弱、捏ねり具合を陰部で感知して、四足歩行で前進・後進・転回・停止する[23]

縄の姦計[編集]

英国の緊縛愛好家、C.ギルトは、「日本の女体緊縛が優れているのは、被虐女性に希望のない選択を要求することであり、私はその点を特に気に入っている」と述べている[24]。自分の肉体を責める方法を女性に選択をさせるような縄の仕掛けを作る。

  • 不安定な姿勢
つま先立ちや片足立ちなどの姿勢で、股縄の縄尻を鴨居などの高所に結びつける。このまま時間が経過すると、筋肉疲労から踵をおろして足を休ませようとしたり、身体の平衡を失い始める。姿勢が崩れると股縄に自分の体重を預けることになり、縄の喰い込みがより厳しくなる。陰部を圧迫する縄から逃げるためには再び元の姿勢に戻るしかない。つらい姿勢を続けるか、陰部に縄を喰いこませるかという希望のない選択になる[25]
  • 連縛
上体を緊縛した2人の女性を向かい合わせで爪先立ちに立たせ、1人に掛けた股縄の縄尻を高所の滑車に通してから、そのままもう1人の股間を潜らせて股縄にする。1人が動けば、もう1人の性器が縄の圧迫刺激を受ける連縛プレイになる[26]。女性を背中合わせに立たせて、2人の尻と尻を同様に吊ることもできる。 

隠れた股縄[編集]

和装・洋装の女性に下着を着用させず、着衣の下の素肌に股縄をかける。女性の外見からは、陰部の猥褻な縄を想像できないという意外性や、ありうべからざる場所での淫らな縄の刺激に当惑する女性の非日常的な姿を愉しむ[27]

女体燭台[編集]

女性の陰部や肛門に蝋燭を燈して女体燭台にする。上体を起こした姿勢では、乳首にも蝋燭を取り付け、乳房と陰部で蝋燭3本を燈す女体燭台にもできる。 

  • 蝋燭を肉穴に埋め込む方法
    • 肛門や膣に埋め込んだ蝋燭は、そのままでは抜けてしまうことがあるので、蝋燭の軸に股縄を巻きつけて固定してから火を点ける[28]
  • 蝋燭を挟み込む方法
    • 後ろ手縛りにした女性を直立させ、陰唇で蝋燭の軸を挟み込む。落下しないように股縄で固定する[29]

股縄の鑑賞[編集]

緊縛して股縄をかけた女性の裸身を直立、開脚、正座などの姿勢で鑑賞する。さらに縄を使い、様々な恥辱の姿勢をとらせて鑑賞する。被虐者である女性にも姿見鏡を使って自分の緊縛姿を見せ、羞恥心を煽ることがある。

蹲踞の姿勢[編集]

蹲踞[30]とは、爪先立ちで踵の上に尻を載せて腰をおろし、膝を開いて上体を起こした状態を指す。女性は自分から股を開き、縄の喰い込み具合を披露する[31]

足を吊る[編集]

女性の足を吊り上げて開脚させる。

  • 直立した女性の片足を吊り上げる[32]。 転倒しないように柱にからだを縛りつけるか、天井から縄で上体を支える。
  • 横になった状態で片足[33]、または両足を吊り上げる[34]

M字開脚[編集]

女性の両足をM字に縛り開脚させた状態を鑑賞する[35]

前傾姿勢とうつ伏せ[編集]

背後から尻のあいだの股縄を鑑賞する[36]

  • 正座または直立した女性の上体を前傾させる。徐々に尻が突き出て、股間が全て見えるまで前傾を続けさせる。  
  • または、うつ伏せから立て膝で尻を高く持ち上げ、そのまま開脚させる。

責め絵に見る股縄[編集]

戦前の無残絵・残酷絵から、戦後の好色な女縛り・女責めの絵に変化していく中で、股縄が好んで描かれるようになった(乳房縛りを参照)。

  • 喜多玲子
的確な線画を得意として奇譚クラブに登場し、責め絵師として人気を博した。 股縄責めを描いた「黒い縄」[37]では、岡引きの悪辣な罠に嵌められた町娘が、番屋で丸裸に剥かれて縛られ、娘の白い尻の割れ目から引き出されたどす黒い股縄には‘かゆみ汁’が塗りこめられている。
あどけない顔をした少女が全裸で縛られ、無毛の陰部に股縄が絞めこまれている絵が多い。 緊縛写真をモデルに描いた作品もあり、写真では下着を着用したり、股縄がない場合でも、椋の責め絵では裸の股間に股縄が描かれており、股縄に対する椋のこだわりを感じさせる。 様々な股縄の掛け方が描かれ、股縄責め絵図の代表的絵師といえる[38]
むっちりした肉体を持つ女性が毛羽立つ麻縄で縛られ、悪辣な責めに煩悶する女体が劇画調の筆致で動的に描かれる。 尻えくぼが描かれるのも笠間の特徴で、女の豊満な尻に股縄が喰い込む責め絵が多くのファンを魅了する笠間しろう[39]

股縄の応用[編集]

女体に縄を巻きつける股縄ではなく、縄や棒を跨がせて性器を刺激する。

女の綱渡り[編集]

「女の綱渡り」とは、高所の綱の上を歩く曲芸ではなく、女性が裸の陰部に縄を挟んで歩く芸をいう。 こぶ縄渡り、ウグイスの谷渡りとも呼ばれる[40]

  • 綱渡りの準備
    • 女性の腰から臍の高さ位に縄を水平に張る。 さらに20-30cm毎に縄に結び目(瘤)を作ると、より刺激が強くなる。
    • 女性を後ろ手に縛り、乳房を縛る胸縄や首縄に縄尻を結び付け、縛った両手を背後で高く吊り上げておく。
    • こうして陰部に挟んだ縄から手を使って逃れたり、身体の正面を手で隠す術を封じた上で縄を跨がせる。 
  • 綱渡りの鑑賞と演出
    • 性器を擦る縄の感触に縛られた裸身を反応させながら、一歩ずつ歩く女性を鑑賞する。
    • 「女の綱渡り」をより愉しむために、前もって女性の股間を剃毛しておき、陰裂が鮮明に見えるようにしておくことがある[41]
    • 女性が前に進むことを拒んで立ち止まれば、鞭や竹棒等で尻を追う。
    • 長時間の綱渡りは、性器の湿り気を奪い、女性にとって苦痛となる点に留意する。

丸棒責め[編集]

  • 縄の代わりに、ブランコのように2本の縄で吊り下げた丸棒を、女性に跨がせる[42]
  • つま先立ちの状態で、性器が丸棒を深く咥え込むように高さを調節する。 女性が不安定な姿勢に疲れて踵を下げると、丸棒が性器に喰い込み、陰部で自分の体重を支える結果になる。

木馬[編集]

  • 女性に角材や三角木馬を跨がせてから足を浮かせ、性器に体重がかかるようにしながら自重で性器を責める[43]。 木馬責めは、かつて女責めの拷問に使われたこともあり、陰部にかなりの苦痛を与える。 実際のSMプレイでは、角を丸くしたり、タオルをあてる等の配慮が欠かせない[44]
  • C.ギルトは日本式木馬という呼称で、角板を利用した木馬で女性器を責める方法を考案し、広く欧米の愛好家に普及している[45]。 

牝馬と皮革ハーネス[編集]

女性を牝馬として調教[46]して、御者(責め手)を乗せた二輪車を野外で曳かせるポニープレイでも、牝馬の乳房や股間を皮革ハーネスで締め上げて馬具を装着する。 

  • 牝馬に衣服は必要ないというSMプレイの考え方で、牝馬になる女性(ポニーガール)は全裸でハーネスと馬具を装着する。 口にはハミを咬ませて手綱を繋ぎ、左右の視野を塞ぐ遮眼革、肛門に尻尾を埋め込むこともある[47]。 
  • 御者はベルトを喰い込ませた牝馬の尻を鞭で追いながら、手綱を操り馬車を操縦する。 牝馬を二頭立てにして牽引力を増すとともに、並んだ尻を交互に鞭打ちながら走らせる豪華な二頭立て馬車もある[48]
  • 女性の背に鞍を装着して実際に馬乗りに跨るプレイもあるが、女性の体力的限界から長時間のプレイには向かない[49]

参考文献[編集]

出典・参考映像[編集]

  1. ^ 股縄/女縄
  2. ^ 朝野祐緊縛写真
  3. ^ 田中欣一緊縛写真/朝吹ケイト
  4. ^ Crotch rope Wikipedia
  5. ^ 60年代緊縛ヌード
  6. ^ 縄褌
  7. ^ 剃毛と股縄
  8. ^ 陰毛と股縄
  9. ^ Black Girl with crotch rope
  10. ^ T字股縄
  11. ^ Y字股縄
  12. ^ 股菱縄前後図
  13. ^ 縦縄/久美子グレース
  14. ^ 股縄引き
  15. ^ 妊産婦緊縛 緊縛美術研究会
  16. ^ 妊婦縛り
  17. ^ 縄による緊縛の絵画
  18. ^ 瘤縄
  19. ^ 三本の股縄
  20. ^ ディルドの固定
  21. ^ 曳き縄
  22. ^ 滑車と重り
  23. ^ 調教索
  24. ^ Japanese Bondage by C.Guilt
  25. ^ つま先立ち
  26. ^ 連縛吊り
  27. ^ 服の下の股縄
  28. ^ 蝋燭を埋め込む燭台
  29. ^ 蝋燭を挟む燭台
  30. ^ 蹲踞 Wikipedia
  31. ^ 蹲踞
  32. ^ 片足吊り
  33. ^ 片足吊り
  34. ^ 両足吊り
  35. ^ M字開脚
  36. ^ 前傾姿勢
  37. ^ 黒い縄・喜多玲子
  38. ^ 椋陽児
  39. ^ 笠間しろう
  40. ^ 女の綱渡り
  41. ^ 剃毛した女の綱渡り
  42. ^ 陰部竹責め
  43. ^ 木馬責め
  44. ^ 観賞用木馬
  45. ^ Japanese Wooden Horse C.Gulit
  46. ^ 牝馬調教
  47. ^ 美しい牝馬
  48. ^ 二頭立てポニーガール
  49. ^ 乗馬用牝馬(by www.ponygirlmaster.com)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]