聴覚過敏

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聴覚過敏
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
耳鼻咽喉科学
ICD-10 H93.2
ICD-9-CM 388.42
DiseasesDB 29099
MeSH D012001

聴覚過敏(ちょうかくかびん、: hyperacusis)は、大抵の人が十分我慢できるを、苦痛を伴う異常な音として経験することである。病理と関係する生理学的な要素だけでなく、心理学的な要素も含まれている[1]

聴覚過敏症、音過敏(おとかびん)ともよばれる。普通の環境音に対する耐性が失われることもある。重度の聴覚過敏では、他の人々にとって何の問題もない音声が、患者にとってのみ不愉快で苦痛を伴う音として聴こえる。

重度の聴覚過敏の罹患率は、2〜3%以下である[2]

仕組みとモデルとしては、生化学モデル、聴覚遠心性神経の機能障害、中枢の聴覚利得、ジャストレボフの神経生理学的モデル、心理学的な仕組みとモデルなどが挙げられている[3]

聴覚過敏と関連する医学的症状として、末梢では、ベル麻痺ラムゼイ・ハント症候群あぶみ骨切除、外リンパ液ろう、中枢では、偏頭痛うつ、頭部外傷心的外傷後ストレス障害ライム病ウィリアムズ症候群が挙げられている[4]

心理学的治療法として、認知行動療法(CBT)が論文で批評されてきた唯一のアプローチである[5]。この中で患者が即座にリラックスし、体と心の感覚(たとえばストレス)を自己制御することを徐々に学ぶ方法として応用リラクセーションがある[6]

音響療法として、耳栓、イヤーマフなどの聴覚プロテクターを、常日頃から使用することは避けるべきとされる[7]。代わりに、信頼できる治療者の下で、音響療法アプローチとして、ピンクノイズオクターブごとに3dB減衰する)を自助的に聴くことが提案され、欧米では患者団体がコンパクトディスク等の形で配布している[8]

聴覚過敏についての国際会議が例年開催され、会議を通じて、専門家と一般からの参加者が、患者自身の経験を含めて、聴覚過敏の知識を共有している。第2回の会議が、2015年7月9日7月10日ロンドンで開催される予定である[9]

脚注[編集]

  1. ^ 中川 2012, pp. 21-24.
  2. ^ 中川 2012, p. 32.
  3. ^ 中川 2012, pp. 44-53.
  4. ^ 中川 2012, p. 98.
  5. ^ 中川 2012, p. 112.
  6. ^ 中川 2012, p. 117.
  7. ^ 中川 2012, p. 129.
  8. ^ 中川 2012, pp. 137-139.
  9. ^ Rehabilitation & Therapy Skills Development Ltd.. “2nd International Conference on Hyperacusis”. 2015年6月18日閲覧。

参考文献[編集]

  • 中川辰雄(翻訳) 、デービッド・M・バグリー(原文)、ゲルハルト・アンダーソン(原文) 『聴覚過敏-仕組みと診断そして治療法』 海文堂出版、2012年6月20日ISBN 978-4303610708

関連項目[編集]