聖神中央教会事件

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聖神中央教会事件(せいしんちゅうおうきょうかいじけん)とは、2005年(平成17年)に発覚した性犯罪キリスト教新宗教団体である聖神中央教会在日韓国人の主管牧師が起こした犯罪である。主管牧師たる地位を乱用、常習的に犯行を重ねており信者の少女7人に対して計22件の性的暴行を繰り返したとされる事件で、強姦、同未遂、準強姦の罪に問われた。

聖神中央教会[編集]

事件の舞台となった聖神中央教会は、大韓イエス教長老会合同派に属し、京都府を拠点とするキリスト教新宗教団体で、韓国籍の主管牧師(通名あり、通称:パウロ)によって創設された。1982年頃から布教活動を始め、1987年宗教法人として認証された。

事件の概要[編集]

主管牧師は1988年に信者の娘を性的虐待したことが問題となり、一時韓国に逃亡していた前歴があり、以前から性犯罪とは無縁の人物ではなかった。

今回の犯罪発覚の直接のきっかけとなったのは、主管牧師に強姦された女児同士で交わされた電子メールを第三者が見たことであった。内容は下記の通りである[1]

「イエス様の教えを友達に伝えたい。でも、もし友達が私と同じ目にあったら、と思うと教会に連れて来ることはできない」
「主管牧師には従順であれ、と言われるけど、こんな行為にまで従順でなければならないのですか」

以降、教会内で主管牧師に対して疑問を持つ牧師が、カルトカウンセラーのニューライフキリスト教会牧師にのカウンセリングを受けていく中で、徐々に主管牧師の犯罪の実態が明らかにされ一部の牧師や信徒内にも広まっていった。性的虐待の噂を聞いた1人の女児保護者は、女児本人に確認し被害を認めた。これに激怒した保護者は1人で直接、主管牧師のいる牧師室に押し掛け事情の説明と謝罪を求めたが、「事実無根であり子供達が嘘をついている」と語ったうえ、女児たちを教会を破壊する悪魔呼ばわりした。当時の教会幹部であった長老・副牧師などは主管牧師の言葉を信じ、保護者・被害者の話を聞き入れようとはしなかった。こういった教会の対応に対し以前より不信を持っていた牧師・伝道師が被害者家族と共に、現在の宗教トラブル相談センターアッセンブリー京都教会)に相談し、残っている信徒の脱会援助や被害者のカウンセリングなどを行いながら京都府警に告訴した。

2005年4月6日、主管牧師が女児に対する強姦容疑で逮捕された。後に女性幹部2名(うち1名は獄中の主管牧師と結婚)も逮捕された。

犯行の手口[編集]

主管牧師の性的虐待は、1991年頃から始まった。当初は成人女性が対象だったが、次第に低年齢化し、小学生までも対象になった。

主管牧師は宗教的カリスマにより被害者を心服させた後、「これは祝福だ」、「拒否すると地獄に落ちる」と称して性的虐待を行った。それでも拒否した場合は、「この娘には悪魔が憑いてる!」と触れ回わることで、精神的に拒否できない状況に追い込んでいった。

その後の顛末[編集]

2006年2月21日京都地方裁判所は「『姦淫するなかれ』との教えとはまったく逆に、欲望の赴くままに被害者らを次々と強姦したもので、自己中心的で身勝手だ」「主管牧師の地位を乱用し常習的に犯行を重ねており、性犯罪事案の中でも極めて悪質」と断罪し、主管牧師に懲役20年の判決を言い渡した。主管牧師は控訴しなかったため、3月8日に刑が確定した。

事件報道について[編集]

逮捕直後の2005年4月6日付新聞報道では、産経新聞は「韓国籍の(本名)容疑者」(但し、産経大阪版は6日(水)の夕方のみ「(通名)こと(本名)容疑者」の併記、のち通名のみ報道)、読売新聞は「(本名)容疑者」、毎日新聞は「(通名)こと(本名)容疑者」、朝日新聞は「(通名)容疑者」と報道しており、朝日新聞など一部報道機関では本名を報道しない、いわゆる通名報道を行っている。これらの報道について大阪市立大学大学院の朴一(パク・イル)教授はゲストコメンテータとして出演したTV番組[2]内で「ああいう犯罪をした時に在日コリアンの出自を暴くというマスコミのね。やり方っていうものはいかがなものかと私は思うんですよ」と本名での報道を批判している。

尚、この事件に関して地元の京都新聞においては一度も韓国籍であることは書かれず通名で報道されたが、系列の京都放送(KBS京都)のニュースでは本名で報道されていた。

脚注[編集]

  1. ^ 読売新聞(大阪版) 2005年4月8日夕刊
  2. ^ 2005年4月10日TBS系列番組「サンデージャポン」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]