聖剣伝説

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聖剣伝説
ジャンル アクションRPG
開発元 スクウェア・エニックス
発売元 スクウェア・エニックス
主な製作者 石井浩一
田中弘道
菊田裕樹
亀岡慎一
池田奈緒
1作目 聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜
1991年6月28日
最新作 聖剣伝説 ECHOES of MANA
2022年4月27日
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聖剣伝説(せいけんでんせつ)は、スクウェア・エニックス(旧・スクウェア)より発売されているアクションRPGシリーズ作品である。2021年時点でシリーズ累計販売本数は800万本を超える[1]

概要[編集]

シリーズ第1作である『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』は、同社の代表作であるRPGファイナルファンタジーシリーズ』(以下、FFシリーズ)の派生作品のひとつとしてリリースされたが、『聖剣伝説2』以降の作品はFFシリーズから独立し、独自の路線を歩んでいる。シリーズ通しての特徴として「大切な人との死別、失う悲しみ」[注釈 1]をテーマとしているが、この思想は映画ニューシネマパラダイスが原点である事が石井浩一のインタビューで語られている。また、3作目までは王道のファンタジー路線だったが、4作目以降からシュールリアリスティテック要素の強い世界観(純粋な人間が少ない本作独自の生物や幻想的な背景)と変化した。

2005年のE3にて聖剣伝説プロジェクトとして「THE WORLD of MANA」がスタート、『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』以降の作品はこの「THE WORLD of MANA」のマークが表記され、精霊やマナの女神、聖剣のデザインがほぼ統一されている。欧米では、シリーズ作品のタイトルが第1作を除いて「 - of Mana」で統一されていることから「Mana series(マナシリーズ)」としても知られている。

なお、1987年にスクウェアが発売を予定し、後に発売中止となったファミリーコンピュータ ディスクシステム用の横スクロール型アクションRPGも『聖剣伝説 THE EMERGENCE OF EXCALIBUR』という名前であった。登録済みであった「聖剣伝説」の商標を継承した点を除き、現在のシリーズとの関連性は無い(ディスク・オリジナル・グループも参照)。発売中止となったこのゲームの趣旨は同年12月に発売された『ファイナルファンタジー』第1作へと受け継がれている。

また、日本国外では『聖剣伝説3』は発売されておらず、その代わりに『シークレット・オブ・エバーモア』(SNES)という同様のゲームシステムを使った作品が発売されていた。こちらは逆に日本では未発売となっており、共通するのはゲームシステムの類似点のみである。

2017年6月1日にはシリーズ25周年作品として初期3作品をまとめたNintendo Switch用ソフト『聖剣伝説コレクション』が発売された。CEROのレイティングはB(コンテンツアイコンは「犯罪」)。

シリーズ一覧[編集]

ほとんどがアクションRPGだが、一部の作品はジャンルが異なる。発売日は初出機種のものを記載。

発売の年表
1991聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~
1992
1993聖剣伝説2
1994
1995聖剣伝説3
1996
1997
1998
1999聖剣伝説 LEGEND OF MANA
2000
2001
2002
2003新約 聖剣伝説
2004
2005
2006聖剣伝説DS CHILDREN of MANA
聖剣伝説 FRIENDS of MANA
聖剣伝説4
2007聖剣伝説 HEROES of MANA
2008
2009
2010
2011
2012
2013聖剣伝説 CIRCLE of MANA
2014聖剣伝説 RISE of MANA
2015
2016
2017
2018聖剣伝説2 SECRET of MANA
2019
2020聖剣伝説3 TRIALS of MANA
2021
2022聖剣伝説 ECHOES of MANA
2023
2024聖剣伝説 VISIONS of MANA

ナンバリング作品[編集]

非ナンバリング作品[編集]

なお、日本国外ではナンバリングが振られておらず、『FF外伝』は原作が「Final Fantasy Adventure」・3Dリメイクが「Adventures of Mana」、『2』は「Secret of Mana」、『3』は「Trials of Mana」、『新約』は「Sword of Mana」、『4』は「Dawn of Mana」、その他外伝作品は聖剣伝説の部分を除いた「 - of Mana」というタイトルになっている。

発売中止作品[編集]

  • 聖剣伝説 LEGEND OF MANA 2 (PlayStation)
  • 新約 聖剣伝説2 (ゲームボーイアドバンス)
  • 聖剣伝説(仮称) (Wii)

シリーズごとのつながり[編集]

以下のシリーズは時系列でつながっている。

  • 聖剣伝説4→(10年後)→聖剣伝説DS CHILDREN of MANA→(300年後)→聖剣伝説 PRINCESS of MANA
  • 聖剣伝説 HEROES of MANA→(19年後)→聖剣伝説3
  • 聖剣伝説 FRIENDS of MANA→(数年後)→聖剣伝説 LEGEND of MANA

その他のシリーズは特に明記されていない。また、『3』ではハーフエルフのシャルロット専用防具として、『2』で登場したポポイの名を冠した「ポポイのおさがり」というアイテムが登場するが、『3』の世界にはポポイの名が何を意味するのか知るものは存在しないとされている[4]

シリーズ全般に共通するもの[編集]

マナの女神[編集]

タイトルにもある「聖剣」を残した女神。自らが持っている「黄金の杖」で世界を創造し、その後、自らの身体を大樹に換えて世界を見守っている。その場所は「聖地」あるいは「聖域」と呼ばれ、難攻不落の地であり、封印の為に彼女が作り出した何匹もの神獣達が聖地への入り口を守っている場合もある。魔法の力の源でもある「マナ」を常時発生させていて、全ての生き物は何らかの形で「マナ」の恩恵を受けている。彼女が使っていた杖は後に剣(聖剣)へ変化し、今も大樹の根元に刺さっている。この設定のモデルとなっているのは、北欧神話に登場する世界樹ユグドラシル」である。

『聖剣伝説3』では「木の妖精」達が常に周囲を飛び回り、樹木となった女神の世話を焼いている。また、『LOM』では「草人」と呼ばれる種族を生み出して各地に住まわせたり、『聖剣伝説1』『聖剣伝説2』では「マナの一族」と呼ばれる人々の中から選ばれた者を拠り所にして復活する事が出来る様にしている等、万が一、樹が枯れてしまった場合にも備えている。しかし、毎回の如く、枯れたり切られたりする災難(砲撃により根元を残して消し飛ばされた作品もある)に遭っており、聖剣伝説シリーズは彼女の樹としての破壊⇒再生の物語でもある。

フラミー[編集]

ファンタジーRPGには移動手段として様々な乗り物があるが、聖剣シリーズでは『2』以降に乗り物代わりにこのフラミーが登場する。ただし、登場しても石像の姿などで乗れない作品もある。はなく、獣耳を生やし、オレンジ色のたてがみを有しており、4枚の鳥の様な翼が背中から生えている竜のような生き物。蛇腹風なお腹側を除いて全身が黄色のふわふわした体毛に覆われており、端ばしの風きり羽は青みが掛った緑色の様を見せる。

作品によって若干扱いが異なっており、『2』でのフラミーは卵胎生。『3』では「山と空の守護神」や「翼あるものの父」と呼ばれ信仰の対象にもなっているが、登場した個体は若い雌だった。『4』の個体はブレスを吐いている場面もあった。シリーズを総じて、大きさはマナの放出量によって増大したり小型化したりする。乗り物としてフラミーが召喚出来る場合には必ずといって良い程でんでん太鼓(作中では「風の太鼓」と呼ばれる)で召喚されている。

スタッフ[編集]

漫画[編集]

聖剣伝説レジェンドオブマナ 
月刊ファミ通Bros』連載。作画は天野シロ。全5巻(2008年発刊の新装版は上下巻)。
聖剣伝説 PRINCESSofMANA  
ガンガンパワード』2006年No.1から、休刊後はガンガンONLINEにて連載。作画はヨシノサツキ。『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』から300年後の物語として展開している。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 人生の中で訪れる別れと、別れる人の想いを大切にする要素も含まれている。聖剣伝説コレクションのPVでは「愛と希望の物語」と言うもう一つのテーマが明確に提示されている。

出典[編集]

他作品へのゲスト出演[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]