翼形類

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翼形類
Pteria penguin 01 by Line1.JPG
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 二枚貝綱 Bivalvia
階級なし : 固有弁鰓類 Autolamellibranchiata
亜綱 : 翼形亜綱 Pteriomorphia
学名
Pteriomorphia Beurlen, 1944
シノニム

Pteriomorpha
Filibranchia

翼形類(よくけいるい、Pteriomorphia)は、二枚貝 Autolamellibranchiata の1分類群。Autolamellibranchiata には他に Heteroconchia(= 古異歯類 + 異歯類)が属する。

分類階級はもっぱら二枚貝綱翼形亜綱とされるが、分類によっては Autolamellibranchiata 亜綱の翼形上目または翼形目となる。

翼形類 Pteriomorphia という名は、このグループに属するウグイスガイ属 Pteria から名づけられた。そのため、ウグイスガイ亜綱とも訳す。Pteria は、この属の貝殻が鳥の翼を広げたような形をしていることから名づけられている。

糸鰓類(しさいるい、Filibranchia)、糸鰓亜綱ともいう。ただし、翼形類と糸鰓類をシノニムとするほか、糸鰓類を2~3に分けた1つ(具体的には諸説あり一定しない)を翼形類とする用法もある。

特徴[編集]

主に固着性であり、足糸(そくし)で体を固着させる。アカガイ等は例外的に砂中に潜るが、稚貝は足糸で固着する。

外套膜は癒合せず、水管はない。

が左右非対称な不等殻の種が多い。

ホタテガイなど一部の種に、殻の微細構造が左右方向に重なる葉状構造がある。これを持つ種は翼形類だけである。

多くの種の殻の内側には真珠構造がある。アコヤガイなど真珠を生産する主な貝は翼形類に属する。

分類[編集]

現生[編集]

主に BivAToL[1]による。ただし、亜綱と目の間の分類(上目)を追加した。また、佐々木 2010[2]より絶滅科を追加した。

フネガイ目の上科分類は流動的であり、ここでは1上科に統合した[4]。BivAToLはシラスナガイ科・シラスナガイモドキ科を、佐々木はそれらに加えタマキガイ科を、シラスナガイ上科 Limopsoidea としている。さらに細かく分ける説もある。

Eupteriomorphia は、分子系統によればこの2目に分かれる[5][6]。ただし、イシガキ上科とネズミノテ上科の位置づけには多少の不確実性がある。ミノガイ上科をミノガイ目 Limoida に分離する説もあるが[2]、分子系統からはミノガイ上科はイタヤガイ目の内部に位置する。

従来はさまざまな分類があり、全てをウグイスガイ目とする分類[7]

  • ウグイスガイ目 Pterioida = ハボウキガイ上科 Pinnoidea + ウグイスガイ上科 Pterioidea
  • ミノガイ目 Limoida = ミノガイ上科 Limoidea
  • カキ目 Ostreoida = イシガキ上科 Dimyoidea + イタボガキ上科 Ostreoidea
  • イタヤガイ目 Pectinoida = ナミマガシワ上科 Anomioidea + イタヤガイ上科 Pectinoidea + ネズミノテ上科 Plicatuloidea

と4目に分ける分類[8][9]、このカキ目とイタヤガイ目をカキ目カキ亜目 Ostreina、イタヤガイ亜目 Pectinina として3目に分ける分類[10]などがあったが、(1目とする以外は)系統的には否定される。

絶滅[編集]

  • Cyrtodontoida
  • Praecardioida

系統[編集]

Giribet & Wheeler 2002[5]より。

固有弁鰓類
翼形類

イガイ目




フネガイ目


Eupteriomorphia

カキ目



イタヤガイ目





異殻類

古異歯類



異歯類




画像[編集]

出典[編集]

  1. ^ Species list - Tree of Life: Bivalvia project (BivAToL)
  2. ^ a b 佐々木猛智 (2010), 貝類学, 東京大学出版会 
  3. ^ 浜部忠重奥谷喬司西脇三郎 (1994), 軟体動物学概説(上巻), サイエンティスト社 
  4. ^ Giribet, G. (2008), “6. Bibalvia”, in Ponder, W. F.; Lindberg, D. R., Phylogeny and Evolution of the Mollusca, University of California Press, p. 105–142, ISBN 0520250923 
  5. ^ a b Giribet, G.; Wheeler, W. (2002), “On bivalve phylogeny: a high-level analysis of the Bivalvia (Mollusca) based on combined morphology and DNA sequence data”, Invertebrate Biology 121 (4): 271–324, http://research.amnh.org/scicomp/pdfs/wheeler/Giribet&Wheeler2002a.pdf 
  6. ^ Matsumoto, M. (2003), “Phylogenetic analysis of the subclass Pteriomorphia (Bivalvia) from mtDNA COI sequences”, Molecular Phylogenetics and Evolution 27 (3): 429–440, doi:10.1016/S1055-7903(03)00013-7, http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6WNH-4840SR4-5&_user=10&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_searchStrId=1118455281&_rerunOrigin=google&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=bcb0b4e54ec209a73da75e77562b60b5 
  7. ^ 奥谷喬司; 齋藤寛; 瀧巖; 田近謙一; 馬場菊太郎; 山田真弓 (1998), 動物系統分類学 5 上 軟体動物 I, 中山書店, ISBN 4-521-07231-3 
  8. ^ Taxonomy Browser (Pteriomorphia) - NCBI
  9. ^ ITIS Standard Report Page: Pteriomophia - ITIS
  10. ^ Beesley, P. L.; Ross, J. G. B.; Wells, A. (1998), Mollusca: The Southern Synthesis, CSIRO publishing, ISBN 0643057560