美達大和

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美達 大和(みたつ やまと、1959年 - )は、殺人犯、無期懲役囚、文筆家。 本名など不詳。2件の殺人事件で無期懲役となり、仮釈放を放棄、終身刑に服している。著書多数。

経歴[編集]

在日韓国人1世の貸金業者の父と日本人の母の間に生まれる[1]。父親は1924年に韓国の貧しい農家に生まれ、金を稼ぐために18歳の時に日本の鉱山で働き始め、戦後の混乱期に歓楽街の用心棒、債権回収業から金貸しとなり、裏社会ともつながりもつなど、腕力と負けん気で財を成した人物で、息子の前で債務者の耳を引きちぎるなど血と暴力の人だった[2][3][1]。息子に対しても、喧嘩の仕方をはじめ[4]、「一番じゃなければすべてクズだ」「男らしくあれ」「俺の子供なら喧嘩が一番で当然だ」「自分の信念に忠実に」「嘘をつくな」などといった厳しい規範を暴力とともに教え込んだ[5]。美達はこの父親の期待に応え、運転手付きのキャデラックで通っていた小学校時代は「神童」「IQ150の天才児」と呼ばれるほどで生徒会長なども務める優等生だったが、限界を感じた小学生最後の時期に自殺未遂を起こす[5][6][1]。優等生である一方、喧嘩も300戦以上経験し、中学では年上の不良たちからも一目置かれる存在となった[6]。10代より「自分にしかなり得ないなにものかになる為に生まれてきた」というロマン・ロランの言葉を胸に生き、高校を中退して飲食チェーンに勤めたのをはじめ、金融・不動産・外車販売などを手掛け、学習教材の営業で年収8000万円を稼いだこともあった[6][7][1]。21歳から貸金業を営み、二度の結婚を経験し、やくざの幹部にもなり、筋を通さなかったという理由で二度の殺人事件を起こし、服役した[1]

幼少期から本が好きで、刑務所の中の運動会をテーマにした小説を自ら書き出版社に打診したが断られたため、自身の特異な境遇を書いたほうがマーケティング的に勝算があると思い[8]、2009年に自らの半生と人を殺すまでの過程、その後についてを記した『人を殺すとはどういうことか』を刊行[5]。その後数冊のノンフィクションを上梓後、2012年に父親をモデルに書き下ろした小説『夢の国』で小説家デビューを果たす[2]。ペンネームの「美達」は触れるものが全て金に変わるというミダス王から取り、「大和」は日本人を意味する[8]

著書[編集]

  • 人を殺すとはどういうことか 長期LB級刑務所・殺人犯の告白 新潮社 2009年1月
  • ドキュメント長期刑務所 無期懲役囚、獄中からの最新レポート 河出書房新社 2009年4月
  • 死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張 2010年7月 (新潮新書)
  • 夢の国(小説)朝日新聞出版、2011年
  • 牢獄の超人 中央公論新社 2012/11/22 (ISBN 4120044386; ISBN 978-4120044380)
  • 女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法 (美達 大和・山村 サヤカ&ヒロキ)プレジデント社 (2013/10/30) (ISBN 4833420635 ISBN-13: 978-4833420631)
  • 刑務所で死ぬということ 中央公論新社 (2012/5/24) (ISBN 412004386X ISBN-13: 978-4120043864)
  • ドキュメント長期刑務所  河出書房新社 (2009/4/10) (ISBN 4309244718 ISBN-13: 978-4309244716)
  • 塀の中の運動会  バジリコ (2012/7/6) (ISBN 4862381901 ISBN-13: 978-4862381903)
  • 私はなぜ刑務所を出ないのか 扶桑社 (2012/11/1) (ISBN 4594066984 ISBN-13: 978-4594066987)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 自著『人を殺すとはどういうことか』新潮社、2009
  2. ^ a b 三池崇史監督、無期懲役囚から贈本されるダ・ヴィンチ7月号「あの人と本の話」、2012.6.28
  3. ^ 自著『夢の国』朝日新聞社、2011年3月
  4. ^ 21 7月13日 ケンカは物理学です 『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』美達 大和, 山村 サヤカ, ヒロキ、プレジデント社、2013
  5. ^ a b c いい子に育てると犯罪者になります──豊田議員のパワハラ騒動の真の問題とはデイリー新潮編集部、2017年6月28日
  6. ^ a b c 「奇跡の展開」ある主婦と殺人犯の文通 山村友美、プレジデント・オンライン、2014.2.21
  7. ^ 自著『人生を変える読書』廣済堂出版,2015
  8. ^ a b なぜ無期懲役囚・美達大和が小説を書いたのか週刊朝日、2011/5/24

外部リンク[編集]

脚注[編集]