縮景園前停留場

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縮景園前停留場
八丁堀方面ホーム
しゅっけいえんまえ
Shukkeien-mae
W2 女学院前 (0.2 km)
(0.3 km) 家庭裁判所前 W4
地図
所在地 広島市中区上幟町
北緯34度23分58.77秒 東経132度27分54.93秒 / 北緯34.3996583度 東経132.4652583度 / 34.3996583; 132.4652583 (縮景園前停留場)座標: 北緯34度23分58.77秒 東経132度27分54.93秒 / 北緯34.3996583度 東経132.4652583度 / 34.3996583; 132.4652583 (縮景園前停留場)
駅番号 W3
所属事業者 広島電鉄
所属路線 白島線
キロ程 0.7 km(八丁堀起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
769[1]人/日
-2019年-
開業年月日 1952年昭和27年)6月10日
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白島方面ホーム

縮景園前停留場(しゅっけいえんまえていりゅうじょう、縮景園前電停)は、広島県広島市中区上幟町にある広島電鉄白島線路面電車停留場である。駅番号はW3

広島藩初代藩主浅野長晟の別邸として築かれた庭園、縮景園の最寄りである[2]

歴史[編集]

白島線が営業を開始した1912年大正元年)、縮景園の前に位置する当地にはまず泉邸前停留場(せんていまえていりゅうじょう)が設けられた[3][4]。「泉邸」とは縮景園の別名である[5]。白島線の軌道は開業時、広島城の外堀を埋め立てて造成された道路(現在、白島通りの一筋西にある広島東税務署前の道路)上に敷設されており、八丁堀から北上する軌道はこの道路沿いに進んだのち、東税務署前でクランク状に折れて広島県立美術館前で再び北上を開始するという経路をとっていた[6]。泉邸前停留場はこの軌道がクランク状に折れる箇所に設けられていた[6]

太平洋戦争下の1945年昭和20年)2月より停留場は営業を休止する[4]。その後同年8月6日原爆が投下され、白島線をはじめ広島電鉄の市内電車は全線が不通となる[4]。他の路線の復旧は被爆直後から行われたが、白島線の運転再開は7年後の1952年(昭和27年)まで待たねばならない[6]。というのも、戦後の都市計画の中で従来軌道が敷かれていた道路の東に新たな幹線道路(白島通り)が建設されることになり、この道路上に白島線の軌道を移設することにしたからである[6]。新線への移設により従来存在していた軌道のクランクは解消され、泉邸前停留場は廃止された[3]。このとき、代わって新線上に開業したのが当停留場である[3][7]

年表[編集]

  • 1912年大正元年)11月23日:白島線が開通、泉邸前停留場が開業する[3][4]
  • 1945年昭和20年)
  • 1952年(昭和27年)6月10日:白島通りの建設により軌道が新線へ移設され、白島線が営業再開[4][8]。泉邸前停留場が廃止され、新線上に縮景園前停留場が開業[3]

構造[編集]

白島線の軌道は道路上に敷かれた併用軌道であり、当停留場も道路上にホームが置かれている。ホームは低床式で2面あり、南北方向に伸びる2本の線路を挟み込むように配置されている[2][9]。ただし互いのホームは斜向かいに位置していて、南に白島方面へ向かう下りホーム、北に八丁堀方面へ向かう上りホームがある[2][9]

運行系統[編集]

当停留場には広島電鉄で運行されている系統のうち、9号線のみが乗り入れている。

上りホーム 9号線 八丁堀ゆき・江波ゆき
下りホーム 9号線 白島ゆき

周辺[編集]

停留場名にもなっている縮景園は北東に位置し、停留場前には広島県立美術館がある[6]。戦後しばらくの間は広島県立図書館も立地していたが、これは1988年(昭和63年)に千田町に移転した[6]。西側には検察庁(広島高検地検)が入居する広島法務合同庁舎や裁判所(広島高裁地裁簡裁)など司法関連の施設が集積する[6][9]。このほかにもオフィスビルやマンションなどが立ち並び、2004年(平成16年)には市内で最も高い超高層マンションであるアーバンビューグランドタワーがオープンしている[6]

隣の停留場[編集]

広島電鉄
白島線
女学院前停留場 (W2) - 縮景園前停留場 (W3) - 家庭裁判所前停留場 (W4)

脚注[編集]

  1. ^ 広島県 駅乗降客数”. 2021年3月11日閲覧。
  2. ^ a b c 川島令三『山陽・山陰ライン 全線・全駅・全配線』 第7巻 広島エリア、講談社〈【図説】 日本の鉄道〉、2012年、8,85頁。ISBN 978-4-06-295157-9 
  3. ^ a b c d e 今尾恵介(監修)日本鉄道旅行地図帳』 11 中国四国、新潮社、2009年、18,38頁。ISBN 978-4-10-790029-6 
  4. ^ a b c d e f g 『広電が走る街 今昔』150-157頁
  5. ^ 縮景園”. ひろしまナビゲーター. 広島観光コンベンションビューロー. 2016年9月25日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h 『広電が走る街 今昔』38・96-100頁
  7. ^ 『広電が走る街 今昔』156頁では泉邸前停留場の移設とみなしている。
  8. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄、2012年、125頁。 
  9. ^ a b c 川島令三『全国鉄道事情大研究』 中国篇 2、草思社、2009年、103,107頁。ISBN 978-4-7942-1711-0 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]