緑剥樹の下で

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本来の表記は「緑剝樹の下で」です。この記事に付けられた題名は技術的な制限または記事名の制約により不正確なものとなっています。

緑剝樹の下で』(りょくはくじゅのしたで)は、講談社から発行された『小説現代』の2010年12月号に掲載された海堂尊短編小説

概要[編集]

桜宮市極北市浪速府などの一連の海堂作品に登場する架空の都市から遠く離れたアフリカの架空の国、「ノルガ共和国」が舞台。内戦が続くこの国で流れ者の日本人医師が原因不明の熱病に立ち向かう姿を描く。

『小説現代』の2010年12月号に「医療小説最前線」と題して掲載された。

ストーリー[編集]

かつて「ノルガ共和国」の日本大使館に勤めていた医師のセイは、樹木に吊るしたハンモックを寝床にして過ごしており、ノルガ共和国の国樹の「緑剝樹」にボードを吊るし子供たちに学問を教えているが、緑剝樹を呪いの木と呼ぶ長老は、その様子を苦々しく思いセイに場所変えを促していた。そんななか、トンバの妹のシシィがこの国特有の熱病を患う。医師でありながらセイは何もできないままシシィは命を落とし、長老はシシィの死を緑剝樹の呪いによるものと口にする。

この熱病に罹ったインパラから熱病の原因のヒントを得たセイは、熱病対策のために長老の家を訪れると、そこにはかつてノルガ共和国が王制だったころのリヴィ・サンディエ国王の姿があった。セイの提案に長老は反対するが国王は聞き入れ熱病はやがて鎮まる。

後日、セイはその功績により王宮に招かれ、ある少年を診察。その時、王宮にノルガ共和国軍が間近に迫っていた。

登場人物[編集]

セイ
日本人医師。怠惰な生活を送っているが、時折、緑剝樹にボードを吊るしてトンバたちに算数や英語を教えている。本名は明かされておらず、周りからは「セイ」と呼ばれるが、国王だけは「トカイ」と呼んでいる。
トンバ
セイを慕っており、セイの授業を熱心に聞く。
シシィ
トンバの妹。原因不明の熱病に罹り命を落とす。
長老
セイに一目置いているが緑剝樹を忌み嫌っており、そのそばで子供たちに学問を教えるセイに場所変えを強く促す。
リヴィ・サンディエ
ノルガ王国第35代国王。父王の教えを守りセイの言葉に耳を傾ける。
アガピ・アルノイド
リヴィ・サンディエ国王の息子。拡張型心筋症で余命1年とセイに診断される。
サンタクルス
「砂漠の牙」と呼ばれるノルガ共和国軍の将軍。

関連項目[編集]