絹のはしご
『絹のはしご』(きぬのはしご、伊: La Scala di Seta)は、ジョアキーノ・ロッシーニ作曲によるオペラ・ブッファ。
概要[編集]
2組の男女が互いを互いに引き合わせようとする滑稽な関係がテーマ。作曲者早期の4部作の一つ。全一幕の簡単な構成。台本は、フランソワ・アントワーヌ・ウジェーヌ・ド・プラナールの同名作を元にジュゼッペ・フォッパが執筆した。初演は1812年5月、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場で行われた。題名は、主人公が人目をはばかる逢引のために家の裏手から絹のはしごを下ろすことから付けられた。
歌手[編集]
- ジューリア(Giulia:ソプラノ):清楚な主役として出演。周囲に認められない結婚からいらだっている。
- ジェルマーノ(Germano:バス):召使役のため卑俗に描かれるが、あらすじの解説も務めるため重要。登場回数が多く歌手として大役。
- ドルヴィル(Dorvil:テノール):ジューリアと周囲に隠して結婚している。不良的な演出。ブランザックとは親友なのにジューリアとの結婚は隠している。
- ドルモン(Dormont:テノール):ジューリアの指導役・後見人。責任感はあるが口うるさい。
- ルチッラ(Lucilla:メゾソプラノ):ジューリアの従姉妹。同性の仲間。かわいらしく親しみやすい人物。
- ブランザック(Blansac:バス):名士の令息。実直な人物。自信はあるが世故に通じていない。
- パントマイムが付く場合もある。
構成[編集]
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1[編集]
- ジューリアは後見人ドルモンの意向に沿わずドルヴィルと結婚しているが、言いだせず絹のはしごを渡しては夜毎逢瀬を重ねる。不自由な監視つきの日々に不満。
- ドルモンにすると名家の令息ブランザックとジューリアが一緒になってもらいたい。
- ジェルマーノはジューリアを円満に諭そうとするが逆に煙たがられる。
- ドルモンはブランザックをジューリアに引き合わせるために連れてくる。たまたまルチッラが居合わせジューリアに事前に知らせてくれたので、ドルヴィルをはしごから逃がして関係が露見しなかった。
2[編集]
- ジューリアはルチッラとブランザックとが一緒になるほうがよいと考え、召使のジェルマーノに二人が仲良くするように仕向けさせる。ジェルマーノは真意は理解しないが承知する。
3[編集]
ブランザックとドルヴィルが偶然会い、事情を知らずにドルヴィルに「ジューリアとの結婚の証人になってもらいたい」という。
音楽[編集]
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音楽・音声外部リンク | |
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- Allegro vivace 4分の4拍子
- Andantino 4分の4拍子
- Allegro 2分の2拍子。いずれもはつらつとして健康的なオペラにふさわしいもの。
歌劇
- Introduzione ジューリア・ドルヴィル・ルチッラ・ジェルマーノの4声。
- Duetto ジューリア・ジェルマーノの2声。
- Recitativo accompagnato ed aria di Dorvil ドルヴィルの独唱。
- Quartetto[要曖昧さ回避] ジューリア・ドルヴィル・ブランザック・ジェルマーノの4声。
- Aria de Lucilla ルチッラの独唱。
- Recitativo accompagnato ed aria di Giulia ジュリアの独唱
- Aria di Germano ジェルマーノの独唱。
- Tutti ドルモンも加わり6人の斉唱。高らかに愛の尊さをうたう。
外部リンク[編集]
- 歌劇『絹のはしご(La Scala di Seta)』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト。PDFとして無料で入手可能。
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